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読解力とは、文章を読み、理解する能力のことです。いまは、様々な情報がインターネット上に溢れ、情報を正しく取捨選択する必要がある時代だからこそ、読解力の重要性が増していると言えるでしょう。

今回は、ほっておくと低下しがちな読解力を鍛える5つの方法を解説していきます。

読解力を鍛えることで得られる3つのメリット

まずは、読解力が高まることで得られるメリットについて確認しておきましょう。

読解力を鍛えることで得られるメリット1 人とのコミュニケーションがスムーズにいく
人とのコミュニケーションにおいて、相手の書いたメールやLINEの文章を誤解し、トラブルが発生してしまうケースがあります。読解力が高い人は、誤解することが少なくなるため、そういったトラブルを最小限に抑えられるのです。

読解力を鍛えることで得られるメリット2 間違った情報に踊らされない
昨今、インターネットの広がりにより、毎日簡単に情報にアクセスできる環境が整っています。一説によると、現代人が一日に摂取する情報の量は、江戸時代の人々が一年に摂取する情報と同じ程度だ、とも言われているのです。当然、私たちが日々触れている情報は玉石混交で、間違った情報も溢れています。

そのため、情報を批判的に見て、取捨選択する力を養わなければ、間違った情報に踊らされてしまうことになります。読解力を鍛えれば、間違った情報や、悪意をもってゆがめられた情報を見抜けるようになるのです。

読解力を鍛えることで得られるメリット3 楽しめるコンテンツが増える
世の中にはたくさんの面白い本や文章が溢れていますが、読解力が低く、文章を読み解くことができなければ、そういった面白いコンテンツを楽しむことができません。

読解力を鍛えれば、まるで第二言語を習得したかのように、触れられる情報の幅がぐっと広がります。これまでは難解で理解できなかった本も、面白いと感じながら読めるようになる可能性もあるでしょう。


読解力を鍛える5つの方法

次に、読解力を鍛えるための具体的な方法についてみていきましょう。


読解力を鍛える方法1 文章を読んで、要約してみる
本や文章を読んで要約してみましょう。要約は文章力、語彙力を高めるのにも役立ちます。理解できているつもりでも、要約することで、「わかっていなかった」と感じ、再読する必要がでてくるかもしれません。要約前提で本を読む場合、要約のポイントとなる部分に付箋をつけて読むとスムーズに進めることができます。この本で大切な点はどこか、を常に意識しながら読むことになるので、自然と読解力が高まります。

要約したあとは、声に出して文章を読んでみましょう。声に出して読むことで、自分の文章のなめらかでない点に気が付くはずです。ひっかかったポイントを書き直し、読みやすい文章に整える工夫してみてください。このように、読み手だけではなく、書き手になることで、読解力はぐんとアップします。

自分が書き手になることで、ほかの書き手は「なぜ、ここでこのような書き方をしているのか」「狙いはなんなのか」が理解できるようになるでしょう。優れた書き手は、優れた読み手でもあるのです。

読解力を鍛える方法2 情報のソースを確認する
情報が溢れている現代だからこそ、情報のソースを確認することが大切です。とくに、医療情報など、命に係わる情報は、必ずソースを確認し、鵜呑みにしないようにしましょう。二次的な情報ではなく、必ず原典に当たるようにしてください。

情報を発信している人が誰で、どういった立場の人かも確認しましょう。また、自分が得ている情報のソースが偏っているという自覚がある方は、幅広い情報ソースに触れるように意識することが大切です。

同じ情報でも、発信元によって表現や切り取り方は大きく異なります。ひとつの事件が発生した際に、それぞれの媒体でどのように発信されているのか、を比較してみると、発信者の意図や立ち位置が見えてきます。

読解力とは、文章を読み解く力のことですが、誰もが情報を発信できる現代では、「誰が、どのような意図で発信しているのか」を確認することも、大切な読解力の一側面だと言えるでしょう。

読解力を鍛える方法3 誤読する可能性を念頭に置く
生まれてから死ぬまで一度も文章を誤読しなかった人は存在しません。誰しもが自分のフィルターを通して文章を読みますから、誤読は頻繁に起こることなのです。大切なことは、人は誤読する生き物だと認識しておくことです。

「自分はこう理解した。しかし、それは誤読かもしれない。著者の意図は別にあるかもしれない」。そのように考え、著者はこう考えているのではないか、いや、そうではなく……と様々に思いを巡らせることも、文章を読む醍醐味のひとつなのです。

読解力を鍛える方法4 批判的に読む
読解力とは、著者が差し出した文章を丸呑みする力のことではありません。先ほど、情報のソースを確認する必要性について述べましたが、だからといって、「このサイトにのっているから」「この人が書いているから」と妄信するのは危険です。「この業界の権威がこう書いているから正しい」と思い込むのは、単なる権威主義でしょう。

読解力とは、文章を批判的に読む力でもあります。「この人はこう書いているけれど、私はそうは思わない。なぜなら……」と考えることで、思考力は深まります。

意識的に批判する箇所を探して読もうとすると、必然的に文章とじっくり向き合う必要がでてきます。ですから、批判的思考は、読解力を高めるのに役立つと言えるでしょう。

読解力を鍛える方法5 ボキャブラリーを増やす
読解力に欠かせないのは語彙力です。ボキャブラリーが豊富でなければ、細かいニュアンスが理解できず、誤読してしまう可能性があるでしょう。

ボキャブラリーを増やしたい方は、こちら(過去記事「ボキャブラリーを増やす方法とは」)をご覧ください。


読解力が高まると世界が広がる。批判的に読む力を身に着けよう

読解力が高まると、アクセスできるコンテンツの幅がぐっと広がり、それに伴って世界が広がります。

まずは、書籍に親しむことから始めてみましょう。ただし、単に本を読み、鵜呑みにするだけでは、いくら量を増やしたところで、読解力は高まりません。同じようなジャンルの本を読み続けることで、思考が偏り、かえって世界が狭くなってしまう可能性もあるでしょう。

大切なのは、批判的な読み方をすることです。批判的な読書体験は、著者から与えられた情報を受け取るだけではなく、自らが頭を使って「参加する読書」になります。受動的な読書から能動的な読書に変わることで、読書体験それ自体も、よりエキサイティングなものになるでしょう。