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100年前の女性の生涯が今に刺さる『風よ あらしよ 劇場版』間もなく公開

Date
2024/02/03
Writer
永井槇
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(アイキャッチ画像出典:@kazeyoarashi)


日本のジェンダーギャップ指数は世界125位で過去最低(※)で男女格差が埋まっていないことが浮き彫りになりました。

今から100年前に結婚制度や社会道徳に真正面から闘った女性解放運動家・伊藤野枝(のえ)の魂の叫びは、ジェンダー平等を目標にしている令和のいまにとても強く響きます。

今回は、2月9日に公開される『風よ あらしよ 劇場版』をご紹介します。


『風よ あらしよ』


(画像出典:https://www.bungei.shueisha.co.jp/shinkan/kazeyoarashiyo/

原作は2020年に刊行された、直木賞作家・村山由佳さんの評伝小説『風よ あらしよ』です。
「吹けよ あれよ 風よ あらしよ」という野枝が残した言葉の一部がタイトルになっています。
第55回吉川英治文学賞を受賞し、本の雑誌が選ぶ2020年度ベスト10第1位を獲得。

2022年にはNHKのBS8Kでドラマ化されました。
しかし、BS8Kを視聴できる環境の人はかなり少ないですよね(全体のテレビ台数のわずか1.5%というデータもあります)。
その後、NHKのBS4K、BSプレミアムでも放送されましたが、BS4Kの普及率も2割程度なので、
ドラマ自体をご覧になっていない方のほうが多いのではないでしょうか。

今回、その特集ドラマが劇場版として映画になりました。


伊藤野枝とは?


1825年(明治28年)九州で誕生し、1923年(大正12年)に憲兵に虐殺されて28歳の生涯を終えるまで、波乱万丈の人生を過ごします。
3人の夫を持ち、7人の子どもを出産した野枝ですが、常に自由を求め、自分の人生は自分で切り拓きたいともがき続けました。
男尊女卑や貧困などの社会矛盾に筆一本の力で闘った女性解放運動家ですが、地元では奔放に生きたスキャンダルな女性として評価も分かれています。

『風よ あらしよ 劇場版』 公式サイト
https://www.kazearashi.jp/


実力派で固めたキャスト&スタッフ

主人公の野枝を演じるのは吉高由里子さん。
圧倒的な存在感は、原作の村山由佳氏に「野枝がそこにいる」と言わせたほどです。

主な登場人物の配役です。

伊藤野枝:吉高由里子
大杉栄:永山瑛太
平塚らいてう:松下奈緒
辻潤:稲垣吾郎
神近市子:美波
堀保子:山田真歩
甘粕正彦:音尾琢真渡辺政太郎:石橋蓮司


スタッフも劇団「東京マハロ」を主宰し、向田邦子賞を受賞した矢島弘一さんが脚本を担当、演出はドラマ版のディレクターと同じ柳川強さん、劇伴担当の梶浦由記さんはソロプロジェクト「FictionJuncton」としてエンディングテーマも担当しています。

演出:柳川強
脚本:矢島弘一
音楽:梶浦由記
制作統括:岡本幸江
製作・配給:太秦
映像提供:NHK
上映時間:127分

出典:©︎風よ あらしよ 2024 ©︎村山由佳/集英社


100年前の話なのに、観ると今に危機感を感じてしまう、そんな作品です。


——-

※世界経済フォーラム(WEF)「Global Gender Gap Report」(世界男女格差報告書)の2023年版による


2月9日(金)全国順次公開。

『風よ あらしよ 劇場版』 予告動画


『風よ あらしよ 劇場版』 公式X(旧Twitter)

Writer's Profile
永井槇

大学卒業後、国語学会で学術雑誌の編集と秘書を兼任。その後、放送作家と並行してテレビ局、制作会社で番組制作を行う。演者側だった学生時代から継続して様々な形でエンタテインメントに関わる。現在は書く仕事に加え、講師、カフェスタッフ等パラレルワーカー。原則、メディアと明かさず自費で情報収集することで媚びない正直な記事を目指す。得意分野はエンタメ・ビューティ・美味しい。

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