(アイキャッチ画像出典:Formula E 公式X https://twitter.com/FIAFormulaE)
2024年3月30日に日本初となる公道レース世界選手権「ABB FIAフォーミュラE世界選手権(フォーミュラE)」が東京・有明で開催されました。
世界で開催される105種類のモータースポーツの中で、最もサステナブルなスポーツとして評価された「フォーミュラE」。
モータースポーツが持続可能?エコ?とピンと来なかった筆者も夢中にさせた「フォーミュラE」をご紹介します。
フォーミュラEとは?
FIA(国際自動車連盟)が主催するEV(電気自動車)のフォーミュラマシン(一定規格のレーシングカー)で行われる公道自動車レースシリーズが「フォーミュラE」です。
2014年に北京で初開催されました。
バッテリーでモーターを動かすBEV(バッテリー式電気自動車)の最高速度は320km/h!
電気自動車でもこんなにスピードが出るのですね。
ガソリンエンジンの自動車よりも音が小さいので、騒音による障害が少ないため市街地のレース開催が可能。
世界各地の市街地に特設されたサーキットやモータースポーツ専用常設サーキットで行われています。
1月から始まった第10シーズンは、16ラウンドが開催されます。
各レースは「E-prix(イープリ)」と呼ばれ、今シーズンは11チームが参戦しています。
動力源がモーターとバッテリーだけなので、マフラーがないため走行中の排出ガスはゼロで、エンジンのような爆音もありません。
走行に必要な電気エネルギーは現地でバイオ燃料を使って発電し、まかないますし、レースで使用するエネルギーの約半分は走りながら発電します。
また、26%の天然ゴムと再⽣繊維で構成されているタイヤですが、レース後にすべてのタイヤが完全にリサイクルされます。
と、エコでサステナブルなポイントは枚挙にいとまがありません。
レースの特徴
基本的に土曜日1日だけで、フリー走行、予選、決勝が行われるので観戦のスケジュールが立てやすいですね。
また、決勝戦が1時間弱なのでモータースポーツ慣れしていなくてもつい見入ってしまいます。
筆者が面白いと思ったのは「アタックモード」の設定です。
マシンの最大総電力は300kwと決められていますが、最大総電力を350kwに引き上げて走行できるのが「アタックモード」です。
コースのアウト側の指定されたゾーンを通過することで一定時間引き上げが可能になるのですが、使用できるのは2回なのですが“2分/6分”“4分/4分”“6分/2分”の3パターンのどれを選択していつ使うか、というのがかなり戦略的です。
国内メーカーからは日産が参戦
(画像出典:日産FORMULA E https://www2.nissan.co.jp/SP/FORMULA-E/2024/)
日本の自動車メーカーとして唯一参戦しているのは、世界に先駆けてEVを量産してきた日産です。
2018年からフォーミュラEに参戦していて、先の東京大会では第2位の成績を収めました。
2030年まで継続参戦することが発表されているので、今後も見逃せませんね。
東京大会
EV=「環境にやさしい」つまり、騒音が小さい、排ガスが出ないというEVのメリットを訴求するため、世界の代表的な都市の市街地でレースを展開している「フォーミュラE」。
「Tokyo E-Prix」は、東京・有明の東京ビックサイト東館の周囲を半時計方向に回る全長2.585kmのコースの33周で競われました。
東京都がCO2を排出しない環境先進都市「ゼロエミッション※東京」の実現に向け、ゼロエミッションビークルの普及拡大に取り組んでいたこともあり、レース開催が実現しました。
次のシーズンも日本のどこかでの開催が期待されますが、今回の観戦チケットはネット販売開始から3分で約2万席が完売となったので、興味を持たれた方は今からチェックを忘れずに。
※ ゼロエミッション:1994年に国際連合大学が提唱した「人為的活動から発生する排出(=emittion)を限りなくゼロにする」ことを目指した理念。(国連大学ゼロエミッション活動 10年の歩み より)
https://archive.unu.edu/zef/news%20files/UNU-ZEF%2010%20years%20of%20progress%20(J).pdf
フォーミュラE 公式サイト シーズン10 第5戦「Tokyo E-Prix」ページ
https://www.fiaformulae.com/ja/calendar/2023-24/r5-tokyo
Formula E 公式X(旧Twitter)英語
https://twitter.com/FIAFormulaE/