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カーレースなのにエコ!?日本で初開催「フォーミュラE」

Date
2024/05/04
Writer
永井槇
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(アイキャッチ画像出典:Formula E 公式X  https://twitter.com/FIAFormulaE

2024年3月30日に日本初となる公道レース世界選手権「ABB FIAフォーミュラE世界選手権(フォーミュラE)」が東京・有明で開催されました。

世界で開催される105種類のモータースポーツの中で、最もサステナブルなスポーツとして評価された「フォーミュラE」。
モータースポーツが持続可能?エコ?とピンと来なかった筆者も夢中にさせた「フォーミュラE」をご紹介します。

フォーミュラEとは?

FIA(国際自動車連盟)が主催するEV(電気自動車)のフォーミュラマシン(一定規格のレーシングカー)で行われる公道自動車レースシリーズが「フォーミュラE」です。
2014年に北京で初開催されました。

バッテリーでモーターを動かすBEV(バッテリー式電気自動車)の最高速度は320km/h!
電気自動車でもこんなにスピードが出るのですね。
ガソリンエンジンの自動車よりも音が小さいので、騒音による障害が少ないため市街地のレース開催が可能。
世界各地の市街地に特設されたサーキットやモータースポーツ専用常設サーキットで行われています。

1月から始まった第10シーズンは、16ラウンドが開催されます。
各レースは「E-prix(イープリ)」と呼ばれ、今シーズンは11チームが参戦しています。

動力源がモーターとバッテリーだけなので、マフラーがないため走行中の排出ガスはゼロで、エンジンのような爆音もありません。
走行に必要な電気エネルギーは現地でバイオ燃料を使って発電し、まかないますし、レースで使用するエネルギーの約半分は走りながら発電します。
また、26%の天然ゴムと再⽣繊維で構成されているタイヤですが、レース後にすべてのタイヤが完全にリサイクルされます。
と、エコでサステナブルなポイントは枚挙にいとまがありません。

レースの特徴

基本的に土曜日1日だけで、フリー走行、予選、決勝が行われるので観戦のスケジュールが立てやすいですね。
また、決勝戦が1時間弱なのでモータースポーツ慣れしていなくてもつい見入ってしまいます。

筆者が面白いと思ったのは「アタックモード」の設定です。
マシンの最大総電力は300kwと決められていますが、最大総電力を350kwに引き上げて走行できるのが「アタックモード」です。
コースのアウト側の指定されたゾーンを通過することで一定時間引き上げが可能になるのですが、使用できるのは2回なのですが“2分/6分”“4分/4分”“6分/2分”の3パターンのどれを選択していつ使うか、というのがかなり戦略的です。

国内メーカーからは日産が参戦

(画像出典:日産FORMULA E https://www2.nissan.co.jp/SP/FORMULA-E/2024/

日本の自動車メーカーとして唯一参戦しているのは、世界に先駆けてEVを量産してきた日産です。
2018年からフォーミュラEに参戦していて、先の東京大会では第2位の成績を収めました。
2030年まで継続参戦することが発表されているので、今後も見逃せませんね。

東京大会

EV=「環境にやさしい」つまり、騒音が小さい、排ガスが出ないというEVのメリットを訴求するため、世界の代表的な都市の市街地でレースを展開している「フォーミュラE」。

「Tokyo E-Prix」は、東京・有明の東京ビックサイト東館の周囲を半時計方向に回る全長2.585kmのコースの33周で競われました。
東京都がCO2を排出しない環境先進都市「ゼロエミッション※東京」の実現に向け、ゼロエミッションビークルの普及拡大に取り組んでいたこともあり、レース開催が実現しました。

次のシーズンも日本のどこかでの開催が期待されますが、今回の観戦チケットはネット販売開始から3分で約2万席が完売となったので、興味を持たれた方は今からチェックを忘れずに。

※ ゼロエミッション:1994年に国際連合大学が提唱した「人為的活動から発生する排出(=emittion)を限りなくゼロにする」ことを目指した理念。(国連大学ゼロエミッション活動 10年の歩み より)
https://archive.unu.edu/zef/news%20files/UNU-ZEF%2010%20years%20of%20progress%20(J).pdf

フォーミュラE 公式サイト シーズン10 第5戦「Tokyo E-Prix」ページ
https://www.fiaformulae.com/ja/calendar/2023-24/r5-tokyo
Formula E 公式X(旧Twitter)英語
https://twitter.com/FIAFormulaE/

Writer's Profile
永井槇

大学卒業後、国語学会で学術雑誌の編集と秘書を兼任。その後、放送作家と並行してテレビ局、制作会社で番組制作を行う。演者側だった学生時代から継続して様々な形でエンタテインメントに関わる。現在は書く仕事に加え、講師、カフェスタッフ等パラレルワーカー。原則、メディアと明かさず自費で情報収集することで媚びない正直な記事を目指す。得意分野はエンタメ・ビューティ・美味しい。

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