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『王様戦隊キングオージャー』で話題沸騰の「バーチャルプロダクション」技術が地球環境を救う!

Date
2023/05/01
Writer
Wellfy
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「バーチャルプロダクション」という映像技術を知っていますか? 3月から始まったスーパー戦隊シリーズ最新作『王様戦隊キングオージャー』(テレビ朝日系)で大々的に採用され、にわかに熱い注目を浴びています。知っていると自慢できるかも。




『王様戦隊キングオージャー』のストーリーのあらましは以下のようなものです。

チキューという星にシュゴッダム、ンコソパ、イシャバーナ、ゴッカン、トウフという5大国があった。
それぞれの国には王様がおり、その剣で戦士の姿に武装することで戦うことを許されていた。
伝承により、2000年前に一度討ち倒したはずの敵・地帝国バグナラクが今年蘇ると伝えられ、それに対抗するためだ。
5カ国の王たちは最強国シュゴッダムに集合し、バグナラクが復活したときに備え、同盟を結ぼうとしていたのだが……。
(東映公式サイトより)

シュゴッダム = 中世欧州、
ンコソパ = テクノロジー / ネットワーク大国、
イシャバーナ = 美と医療と水の国、
ゴッカン = 国際裁判所を持つ極寒の絶対中立国、
トウフ = 農業と食の国

というイメージが各国に設定されており、それをTVドラマとして実際の画にしなければなりません。




いわゆる『戦隊もの』ですから、爆発を伴うアクションシーンなどでは岩場などのロケ地を使うこともありますが、普段のシーンではファンタジー溢れる各国ごとの世界観をちゃんと背景として映さなければならないわけです。まさか描き割りというわけにもいきません。






そこで使われているのが「バーチャルプロダクション」。

すべての国を3D CGで事前に作成しておき、スタジオに設置された巨大LEDパネルに映像を流しながら、それを背景にして俳優さん達が演技をし、撮影するというものです。海外ではスター・ウォーズシリーズの『マンダロリアン』(ディズニー+)で知られるようになった最新技術ですが、ここまで作品全体に使用されているケースは日本では初ではないかといわれているそうです。





そしてこの技術が実は、環境負荷低減につながっているというのだから驚きです。
バーチャルプロダクション技術を使うとロケ地へ撮影のためにスタッフが出向く必要がなくなるため、スタッフやセットの移動にかかるエネルギーが不要となり、温室効果ガス(GHG)排出量の削減が期待できるのです。また、セットや小道具の再利用も可能なため、資源の削減にもつながります。

ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの試算によると、ロケーション撮影と比較して75%~80%のGHG排出量を削減することができるとのこと。

GHG排出量分析の詳細はこちら(英語)
https://sonypicturesgreenerworld.com/sites/sonypicturesgreenerworld.com/files/2022-09/Sony%20Pictures_Virtual%20Production%20GHG%20Analysis_2022_2.pdf

ソニーグループ株式会社は、「Earth Dayに寄せて」として会長 CEOの吉田憲一郎氏の名前でメッセージを公開していますが、そこでもバーチャルプロダクション技術による環境負荷軽減貢献を例に挙げています。圧倒される映像作品をエンターテインメントとして楽しみつつ、同時に地球環境への配慮がなされるなら素敵ですよね。まずは週末の『王様戦隊キングオージャー』を観てみてはいかが?

Earth Dayに寄せて
https://www.sony.com/ja/SonyInfo/blog/2023/04/21/

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