700円(※1)で観られることも!お手頃価格で伝統芸能歌舞伎座の一幕見席

日本の伝統芸能のひとつ、歌舞伎を観たい!と思った際に立ちはだかるのが

・高額な料金
・長い拘束時間

かもしれません。

ところが、東京・歌舞伎座ではこれらを解決するチケット「一幕見(いちまくみ)席」が販売されているのですがご存じでしょうか?

目次

一幕見席とは?

単に「幕見(まくみ)」とも呼ばれる一幕見席。

公式では

歌舞伎座の4階に位置し、好きな幕だけお気軽にお楽しみいただける

と公表されていますが、歌舞伎に馴染みがない人にはよくわからないかもしれません。

そこで今回、そういった人たちに一幕見席の魅力をお伝えいたします。

通常の歌舞伎座での歌舞伎公演料金と時間


出典:https://www.shochiku.co.jp/play/theater/kabukiza/seats/

例えば、11月の「吉例顔見世大歌舞伎(きちれいかおみせおおかぶき)」公演の場合はこのような料金表(税込)になっています。

桟敷席20000円(1階両サイド)
1等席18000円(1階、2階)
2等席14000円(1階後方、2階後方)
3階A席6000円(3階)
3階B席4000円(3階後方)

あれ?4階席がない!と思った方、その理由にもつながりますので、公演内容をご覧ください。

出典:https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/843

三部制の月もありますが、今月は昼夜の二部制です。

【昼の部】は世界三大叙事詩『マハーバーラタ戦記』の壮大な物語が楽しめるチケット料金、

【夜の部】は『松浦の太鼓』『鎌倉三代記』『顔見世季花姿繪(かおみせづきはなのすがたえ)』の三つの演目が全部楽しめるチケット料金

になっています。

【昼の部】の開演は11時で上演終了予定時刻は15時37分、
【夜の部】の開演は16時30分で上演終了予定時刻は20時59分です。

昼の部、夜の部ともに4時間半もの間、歌舞伎の世界にたっぷり浸ることができます。
ですが、休憩時間があるとはいえ、こんなに長い時間拘束されるのはちょっと……と敬遠される方も少なくないでしょう。
仕事の連絡が来るかもしれない、マメにSNSをチェックしていたい、東京観光のひとつにこんなに長く時間を取られるのはイヤ等々。

そんな“ちょっと歌舞伎を観てみたい”という方にピッタリなのが一幕見席なのです。

本当はフルコースを食べてもらいたいけれど、手頃なアラカルト形式でも注文できるレストランのような仕組みに似ているかもしれません。

今月の一幕見席

(永井撮影)

一幕見席料金(税込)はこのようになっています。

11:00~ マハーバーラタ戦記 序幕 (94分):1400円
13:09~ マハーバーラタ戦記 二幕目(62分):1300円
14:31~ マハーバーラタ戦記 大詰(63分):1300円
16:30~ 松浦の太鼓(75分):1400円
18:20~ 鎌倉三代記(80分):1300円
20:00~ 顔見世季花姿繪(59分):1300円

文字通り一幕分だけ観劇できるのが一幕見席。
気軽に観やすい時間と価格ですよね。
昼の部、夜の部それぞれ通して観ると3階B席の料金と一緒ですね(3階B席は売り切れのことが多いです)。

あくまでこれは今月の場合です。
公演ごとに料金設定が変わってくるので公式でご確認ください。
ちなみに先月は700円(38分/19分)1300円(90分/53分)2000円(92分/115分)、
9月は800円(22分/33分)1500円(52分)1600円(80分/97分)1700円(85分)でした。

4階席に2列あるのが一幕見席です。
中央部のおよそ70席がオンラインで購入できる指定席、左端ブロックと右端ブロック合わせた20席が当日現地で購入できる自由席です。

オンライン購入or窓口購入

購入の仕方は2通りあります。

【オンライン指定席】

・前日12時(正午)~各幕開幕前10分前まで購入可能
・一人4枚まで(1枚につき110円(消費税込)のシステム手数料)
・クレジットカード決済のみ
・歌舞伎座一幕見席オンラインチケット https://www.e-tix.jp/shochiku_makumi/
の「チケット購入」ボタンをクリック

【当日現地自由席】

・当日10時~各幕開幕10分後まで購入可能(全部、全幕チケットが10時~購入可能)
・一人1枚のみ
・現金のみ
・歌舞伎座1階一幕見席窓口で(正面向かって左側)

一幕見席独自のシステムなので、歌舞伎座地下2階の切符売り場、チケットホン松竹、チケットWeb松竹では購入できないのでご注意を。

一幕見席の印象は

・外国人観客の利用率が高い
・歌舞伎好きのリピーターが多い

です。
誰でも“ちょっと歌舞伎を”が体験できる一幕見席、もっといろいろな人に利用してもらいたいと記事を書きました。
特に11月は「顔見世」江戸時代の名残りで豪華な顔ぶれのキャスティングも魅力です。

『マハーバーラタ戦記』は古代インドの神々の世界と歌舞伎の融合が話題になった新作歌舞伎の6年ぶりの再演。客席の両方に花道が設置される特別な演出。
古代インドの神々が並ぶ圧巻の“序幕”、物語が大きく動く“二幕目”、壮大な物語の結末が気になる“大詰”ちょっとずつ分割して観ることができます。

『松浦の太鼓』は忠臣蔵のスピンオフ作品で討ち入り前日から当日を別視点で描いています。

『鎌倉三代記』は歌舞伎の“時代物”を観てみたい人におすすめです。

『顔見世季花姿繪』は「春調娘七種」「三社祭」「教草吉原雀」という華やかな3つの舞踊が楽しめます。

一幕見席は他の階と独立していて4階の一幕見席しか入れません。
1階~3階の食堂やレストラン、歌舞伎座を堪能することはできませんが雰囲気は十分味わえます。

※1 本文に記載しましたが公演ごとに一幕見席の料金設定は異なるので再安値が700円でない場合もあります。

歌舞伎公式総合サイト 歌舞伎美人(かぶきびと)
https://www.kabuki-bito.jp/news/8279

松竹株式会社 歌舞伎座一幕見席 案内ページ
https://www.shochiku.co.jp/play/theater/kabukiza/makumi/

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この記事を書いた人

大学卒業後、国語学会で学術雑誌の編集と秘書を兼任。その後、放送作家と並行してテレビ局、制作会社で番組制作を行う。演者側だった学生時代から継続して様々な形でエンタテインメントに関わる。現在は書く仕事に加え、講師、カフェスタッフ等パラレルワーカー。原則、メディアと明かさず自費で情報収集することで媚びない正直な記事を目指す。得意分野はエンタメ・ビューティ・美味しい。

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