結婚をしない女性が増えています。かつては「結婚して当たり前」とされていた時代もありましたが、現在は一生独身を貫く女性は珍しくありません。
とはいえ、一生独身を選ぶ女性に対する偏見や差別(シングリズム)がなくなったわけではありません。
「一生独身なんてずるい」「結婚していないと不安じゃないの?」「ラクしようとするなんてずるい」
といった声に傷つくこともあるでしょう。実際、「Yahoo!知恵袋」などネットの質問掲示板には「独身ってずるいと思いませんか?」といったスレッドが立つことも。
そこで本記事では、独身女性が直面しがちな偏見や「ずるい」と言われてしまう背景を探りながら、一生独身でも幸せに生きるためのヒントをお届けします。
“ずるい”と言われることもある?一生独身を貫く女性の割合
1970年代にはわずか3%だったことを考えると、「結婚しない人生」を選ぶ女性が大幅に増えていることがわかります。
この流れは今後も続くと予想され、「一生独身」という生き方はもはや特別なものではなくなりつつあります。
一生独身の女性は結婚できないの?それとも結婚したくないの?
ところで、一生独身の女性は、「結婚しない」のでしょうか。それとも「結婚できない」のでしょうか。
先に上げた国立社会保障・人口問題研究所の調査では、未婚者に対して結婚願望があるか、結婚相手に望むことはなにか、といった調査も実施しています。
調査結果からは、結婚願望を持つ人が男女ともに減っていることがわかります。また、結婚を望む人の間では、男性は今まで以上に女性に対して「経済力」を重視し、女性はいままで以上に男性の「家事能力」や「ルックス」を重視するようになったことがわかります。
家事能力やルックスに加えて、性格や価値観があって……という人と巡り合うのは性別関わらず困難でしょう。
つまり、そもそも「結婚願望がある人が減っている」ことに加えて、
「理想の人と出会いにくい状況にあり、妥協する必要もないため、理想の人と出会えなければ一生独身のほうがいい」
と考える女性も増えたことが、一生独身の女性が増えた要因だと言えそうです。
一生独身を選ぶ女性が増えている原因
次に、具体的に一生独身の女性が増えている原因についてみていきましょう。
経済的な自立とキャリア志向

現代は共働き世帯が、専業主婦世帯を上回っています。
経済的に貧しい国になってきたことや、非正規雇用の増加などによって、数十年続いてきた「男性稼ぎ主モデル」(男性が働いて、女性は家事・育児を行う)が立ち行かなくなり、女性は必要な労働力だとみなされるようになりました。
女性が高等教育を受けられず、結婚でしか経済的安定を求められなかった時代と違い、女性でも経済的な自立ができるようになったいま、結婚は女性にとって生きていくために必須の選択肢ではなくなったのです。
また、女性は、上の世代の女性たちをみて、結婚し、育児をすることでキャリアが中断されてしまった場合、大幅に給与が下がり、もとのルートには戻れないことを知っています。
結婚や家庭に対する価値観の変化
ここ数十年で、結婚や家庭に対する価値観は多様化しました。
結婚情報誌のゼクシィが「結婚しなくても幸せになれる時代に、私はあなたと結婚したいのです」というキャッチコピーを打ち出したのが、2017年のこと。それから、数年が経ち、さらに結婚は万人に必要なものという意識が薄らいでいます。
家事・育児の女性への偏り

上記で述べたように、近年、女性は結婚相手に家事能力やルックスを求める傾向があります。
しかし、激務の会社に勤める男性は、家事をする時間の捻出が難しいケースも珍しくありません。激務で高収入の男性の場合、家事育児を担ってくれる女性を見つけることはそう難しいことはありません。
しかし、女性の場合、家事育児をすべて担ってくれる男性を見つけるのが難しいだけではなく、家事育児を半分担う男性を見つけることすら簡単ではありません。
つまり、女性が結婚し働き続けた場合、仕事・家事・育児の激務が待っている可能性があるわけです。
社会のサポート不足や無理解
女性が一生独身を貫くのは、結婚後の生活に夢を抱けなくなっていることが一因でしょう。
数年前、「保育園落ちた、日本死ね」というミームが話題になりましたが、それ以降、待機児童に対する対策は講じられてきたものの、まだまだ日本は子育てしやすい社会とは言えません。
性別役割からの離脱

田舎ではまだまだ、「嫁」の役割が固定されています。料理や掃除などの家事をするのは女性の役割だと思われていたり、義両親の介護をするのは「嫁」の無償労働が当然だという風潮もあります。
これまでは性別を意識せずに自由に働いていた人でも、家庭に入ることで、「妻として」「母として」「嫁として」無償の労働をして当然だとみなされるケースもあります。
そういった性別に基づく役割から自由になりたいと考え、結婚を避ける人もいるようです。
一生独身の女性に対する世間の声。“ずるい”と言われるのは理由とは?
一生独身を貫く女性に対して、「ずるい」という声が上がることがあります。これにはいくつかの理由があります。
自由&自己中心性の象徴に見えるから”ずるい”と言われてしまう
一生独身を貫く女性は、家事や子育て、義父母の介護といった責任や無償労働から解放されています。自由に自分の時間を使い、仕事や趣味に邁進できるのです。
家事や、育児、介護といった無償の労働を「女性だからして当然」と思っている人は、独身女性が「女性ならして当然の無償労働」を不当に逃れている自己中心的な人間だと捉えることがあるのです。
とくに、これまで「女性だから家事、育児、介護などのケア労働をするのが当然」と社会から教えられ、従ってきた、あるいはそうしなければ生きていけない女性にとって、独身を貫く女性は、「自分がしてきた他者へのケア、奉仕を不当に逃れている存在」に見えます。それゆえ、「ずるい」と感じてしまいがちなのです。
※忸怩(じくじ)たる思い…非常に強い恥じる感情や様
経済的に自立してるから”ずるい”と思われがち

一生独身で生きる女性は、経済的に自立している場合がほとんどです。また、一生独身で生きる女性の多くは出産をしないため、育児でキャリアが中断されることも稀です。
女性としての社会的期待を裏切っているとみなされるから
伝統的な社会では、結婚や家庭を持つことが女性の役割とされてきました。結婚して子どもを産み育てることが「女の幸せ」であり、家族や子どもをケアするのは労働ではなく「愛」ゆえだ、とされてきたのです。
社会は、女性に結婚し、子育てや家事という再生産労働を「愛」という名のもとに無償ですることを期待しています。家事や育児や介護は、外注すると高くつきます。「愛」ゆえに女性が無償でしてくれたら、助かる人は少なくないのです。
一生独身を選ぶ女性は、こういった社会からの期待を裏切っているとみなされるため、「ずるい」と思われるのでしょう。

ずばり、独身と既婚、どちらが幸せ?

ところで、独身女性と既婚女性のどちらが幸せなのでしょうか?
どちらが幸せか、は一概に言えるものではありません。それぞれ異なる幸せがあり、個人の価値観によって、どちらが正解かは変わってきます。
独身女性の幸せ
自分で稼いだお金は自分のために使え、住む場所やライフスタイルも思いのまま。家では誰にも気を遣わずリラックスできますし、趣味やキャリアに思いきり打ち込むこともできます。
また、結婚後に女性が家事・育児を多く担うケースは今も少なくありません。独身なら、こうした家庭内の負担やパートナーとの価値観のズレによるストレスから解放され、精神的な自由を手に入れやすいという点も魅力です。
既婚女性の幸せ
夫婦で支え合いながら生きることで、困難を乗り越えやすくなることも。
特に、子どもを持つことで感じられる幸福感は、既婚ならではのものかもしれません。育児は大変な面もありますが、子どもの成長を見守る喜びや、愛情があふれる瞬間に幸せを感じる人も多いようです。
一生独身を貫く女性の末路は幸せ?リスクは既婚・独身、両方にある

一生独身を貫く女性は増えてきていますが、そういった女性はどういった人生を送るのでしょうか?
一方、結婚によって、突然の離婚や配偶者の死、配偶者の借金の肩代わりといった、経済的リスクを避けることができるという利点もあります。
社会的な観点から考えると、独身女性は既婚女性に比べて孤立しやすいのではないか?という懸念があるかもしれません。家族を持つことが一般的な社会において、独身であることが疎外感を生む場合も考えられます。
しかし、近年、一生独身を貫く女性が増加していることを考えると、数十年後には、既婚女性と独身女性の数が逆転していることだって考えられるでしょう。
“ずるい”“かわいそう”…そんな一生独身が幸せに生きる方法・コツとは?
一生独身を貫く女性は「ずるい」と思われるだけではなく、「未熟」「わがまま」と偏見を持たれたり差別(シングリズム)されたりすることがあります。
しかし、どんな生き方を選んでも幸せは自分次第。そこで、独身女性が周囲の偏見に惑わされず、充実した人生を送るためのヒントを紹介します。
自分を大切にする・自己肯定感を高める

また、自分の価値を認めることで、「結婚していない自分は不完全なのでは?」という不安を払拭できます。
スキルアップと自己投資をし続ける
新しい資格やスキルを取得すれば、仕事の幅が広がり、人との出会いも増えるでしょう。また、趣味を通じて自分自身を成長させることも大切です。何かに打ち込むことで、人生に飽きたり、虚しさを感じたりすることが少なくなります。
さらに、旅行や新しいことへのチャレンジも、自分の世界を広げる良い機会。日常に変化を取り入れることで、好奇心や学びの機会が増え、より充実した人生を送れるでしょう。
一生独身仲間やコミュニティを見つける・充実した人間関係を築く

同じ価値観を持つ仲間とつながることで、相談したり共感したりすることができ孤独感が和らぎ、困ったときにも支え合えるでしょう。
会社でしか人とのつながりがない場合、リタイアした際に孤独を感じてしまうかもしれません。若いうちから、趣味のサークル、オンラインコミュニティ、SNSなどを活用したりして、社会的なつながりを作っておきましょう。
また、友人関係を維持する努力も忘れずに。今は子育てや仕事で疎遠になっている友人とも、ライフステージが落ち着けば再び交流できる可能性があります。
一生独身だからこそ健康維持・管理に務める
また、ストレス管理も重要です。リラックスできる時間を確保し、無理なく心の健康を保つことが大切です。自分なりのリフレッシュ方法を見つけ、毎日の生活に取り入れていきましょう。
一生独身だから経済的安定と貯蓄ももちろん大事

ただし、「増やす」ことだけでなく、「守る」意識も重要です。独身女性を狙った詐欺(投資詐欺・国際ロマンス詐欺など)も多いため、甘い話や怪しい話には慎重になりましょう。

ライフプランをなんとなく考えておく
自分のライフプランを明確にし、それに基づいて行動すると安心です。どのような生活を送りたいか、老後はどのように時間を使いたいか、を明確にし、それに向けて計画を立てておくと安心です。
ただし、「先のことなんてわからない」という人もいらっしゃるでしょう。その場合は、「理想の生活」を思い描くだけでもよいのです。

“ずるい”なんて言わせておけば良い。自分の幸せを大切にし、人と比べない
結婚する・しないにかかわらず、幸せの形は人それぞれ。自分にとって心地よい生き方を選び、納得のいく人生を送ることが何より重要です。
偏見をなくすための啓発
独身女性への偏見を減らすためには、社会全体の意識を変えていくことも大切です。メディアや教育を通じて、多様な生き方があることを伝え、「結婚=幸せ」という固定観念をなくしていく必要があります。

一生独身を貫く女性はずるい? 幸せのカタチは人それぞれ

一生独身を貫く女性が増えています。では、彼女たちは幸せなのでしょうか?
その答えは、
「既婚女性は幸せか?」という問いと同じ。「人による」です。
結婚していても、毎日幸せを感じる人がいれば、パートナーとの関係に悩み苦しむ人もいます。同じように、独身でも充実した人生を送る人もいれば、孤独を感じる人もいるでしょう。結婚や子どもを持つことが幸せの形になる人もいれば、そうでない人もいます。
一生独身を貫く女性はときどき「ずるい」と言われることがあります。それは、社会が長年押し付けてきた「女性の役割」から自由に見えることへの嫉妬や偏見が背景にあるのかもしれません。
そんな偏見に振り回されず、自分らしく幸せに生きるためには、自分の価値観を大切にし、経済的な安定や健康管理を意識しながら、信頼できる人間関係を築いていくことが重要です。
どんな生き方を選んでも、あなたが納得し、自分の人生を楽しめるなら、それが最良の道なのです。
※1 国立社会保障・人口問題研究所の調査
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/doukou16_gaiyo.asp

