素朴なのに忘れられない、「ふくしまの味」を再発見。
東北の南端に位置し、海・山・盆地と変化に富んだ地形をもつ福島県。会津、中通り、浜通りという三つの地域ごとに気候も文化も異なり、それが生む食の多様性は、まさに味の宝庫といえる存在です。
ラーメンだけでも二大名門が鎬を削り、夏には全国から桃ラバーが殺到。そして日常に寄り添う漬物や汁物までもが、どこか懐かしく、新しい。
今回は、福島県出身者1,064名と、県外の福島ファン22,622名のリアルな声をもとに、今本当に食べたい福島グルメをランキング形式でご紹介。どれも“滋味”で勝負する、じんわり沁みる味ばかりです。
※本記事は、アイコニット・リサーチによる独自アンケートをもとに執筆しています。
(https://www.iconit.jp/iconit-research/)
地元民が選ぶ!「これぞ福島!」なご当地グルメTOP5

福島県出身者1,064名に「地元のおすすめグルメ」をヒアリング。さすが福島と言えるような、バラエティ豊かなランキング結果となりました!
1位:喜多方ラーメン|朝から食べたい、あっさりなのに深い一杯(536票)
福島県が誇る全国区のラーメン。「喜多方といえばラーメン」というイメージは伊達ではなく、地元民の生活に「朝ラー」として完全に根づいた食文化です。
スープは透き通った醤油ベース。麺は平打ちの太ちぢれ麺で、口に入れた瞬間に感じるモチモチ感と、スープをしっかり抱える麺のバランスが絶妙。チャーシューやメンマ、ネギのシンプルな具材が引き立て役に徹し、飽きのこない味を実現しています。
観光客だけでなく、地元の人も週末に行列をつくる店が多いのも納得の逸品です。
2位:白河ラーメン|静かなブーム到来、手打ち麺が唸る(308票)
なんと2位もラーメン!喜多方の陰に隠れがちですが、知る人ぞ知るラーメンとして地味にファンを増やしているのが白河ラーメンです。
手打ちのちぢれ麺は、ツルツル&プリプリ。鶏ガラと野菜から取った出汁を使った醤油スープは、クセがなく優しい味わいで、何度でも食べたくなる一杯。ラーメン激戦区・東京にも専門店が増えつつあり、「毎日でもいける味」との声も多い逸品です。
3位:なみえ焼きそば|極太麺の衝撃、B級に見えて侮れない(237票)
さらに3位は、浪江(なみえ)町発祥のご当地焼きそば!特徴はなんといってもその太すぎる麺。ソースは濃厚、豚バラ肉もボリューミーで、「もうこれ焼きうどんでは?」と思うような重厚感です。
復興支援の文脈でも注目され、県外イベントやふるさと納税でも人気が上昇。がっつり食べたい時に絶対的信頼を置ける一品です。
4位:桃|福島の夏を代表する、香りと甘さの主役(224票)
福島は「桃王国」として名を馳せるフルーツ県。7〜8月には「あかつき」や「川中島白桃」などのブランド桃が、スーパーや直売所に並びます。
その魅力は、なんといっても糖度の高さと香りの良さ。一口かじった瞬間に果汁があふれ出し、まるで飲み物のようなみずみずしさに感動する人も多数。
贈答用だけでなく、地元での食べ比べやジュース・スイーツ加工品としても人気です。
5位:いかにんじん|家庭の味から郷土の誇りへ(168票)
福島の正月料理や常備菜として欠かせない「いかにんじん」は、スルメのうま味と人参の甘みが絶妙に絡む素朴な一品。
細切りにした材料を醤油・酒・みりんなどの調味液にじっくり漬け込むだけなのに、何とも言えない深みがあり、ご飯はもちろん、お酒のつまみにもぴったり。
ここ数年はテレビやSNSで紹介される機会も増え、じわじわとファンを増やしています。
県外ファンが「これは食べるべき!」と支持した福島グルメTOP5

福島県を訪れたことがある旅行者や、ふるさと納税・メディアを通じて“お取り寄せデビュー”した人たち。そんな福島ビギナーかつ熱烈な支持者が選んだグルメTOP5は、地元民の評価とも高い一致を見せる結果に。食べて納得、広めたくなる、そんな味が集まりました。
1位:喜多方ラーメン|全国を旅する、ご当地麺界のスター(15,499票)
県外人気もダントツ。テレビや雑誌で見て、あるいは観光ついでに…と入口はさまざまでも、「食べてみたら本当に美味しかった」という声が圧倒的。スッキリしたスープともちもち麺の組み合わせに、「味が濃すぎず毎日でも食べられる」と絶賛の嵐。
旅の目的がラーメンになるレベルで、その存在はもはや観光資源のひとつ。お取り寄せセットも人気で、「現地で食べて、家で再現する」のが福島ファンの鉄板ルートです。
2位:桃|お中元の鉄板、甘さが記憶に残る夏のご褒美(4,892票)
贈られてうれしい、買ってうれしい、食べてびっくり。そんな三拍子そろった福島の桃は、7〜8月の主役級フルーツ。スーパーで見かけて購入した人も多く、「他県の桃と比べても香りが段違い」と太鼓判。
箱を開けた瞬間のふわっと広がる香り、かぶりついたときのジューシーさ。すべてが桃そのものの実力で勝負しているからこそ、何度も食べたくなる魅力があります。
3位:なみえ焼きそば|ソースと麺のパンチ力に撃ち抜かれるB級の王(2,361票)
地元民だけのものにしておくにはもったいない!極太麺×濃厚ソースの「ど直球構成」に、県外勢も心をつかまれています。「見た目よりはるかにボリュームがある」「一度食べたら忘れられない」との声多数。
最近は道の駅やSA、各種フェスにも登場し、「福島といえばこれ!」という印象を持つ人も。手軽に買えるのに満足感がしっかりある、B級界の実力派です。
4位:白河ラーメン|毎日でも食べたくなる、飽きの来ない名ラーメン(1,956票)
喜多方の陰に隠れつつも、静かに熱い支持を集める白河ラーメン。地元での評価と同様、「鶏ガラスープがほっとする」「胃に優しいのに旨みは濃い」など、体にも心にもじんわり沁みる味わいにハマる人が続出。
まだメジャーとはいえないものの、「逆に知られていない今こそ、通ぶって食べたい」という声も。東京や横浜の専門店で味わったという人も多く、都会からの逆流で人気が加速中です。
5位:ソースカツ丼|会津のがっつり飯、甘辛ダレがご飯に染みる(1,927票)
厚切りカツ×濃厚ソース×白ごはんの三重奏。福島・会津地方の名物で、「カツ丼=卵とじ」派の常識をひっくり返す存在です。
ボリューム満点ながら、しつこくないソースのおかげで意外とペロリ。「旅行中に食べたらハマって、帰宅後に即レシピ検索」「冷めても美味しいからお弁当にも良い」など、家庭に持ち帰る人も続出中。
編集部ピックアップ|知る人ぞ知るローカルフード3選
定番だけじゃ物足りない!という人のために、福島の隠れた実力派を編集部が厳選。どれも知名度以上の魅力を秘めたローカルフードです。
円盤餃子
羽根付きの餃子を円盤状に並べて焼くスタイルは、福島・円盤餃子ならでは。外カリ中ジューシーな一口サイズが何個でもいける軽やかさ。大皿に丸く並ぶだけでテンションが上がる、ビジュアル最強系です。
こづゆ
出汁は干し貝柱、具は野菜ときくらげ。こづゆは、派手さはないけど心に残る滋味系汁物。会津地方では冠婚葬祭の定番で、まさに“ハレの日の家庭の味”。冬に食べると、特に沁みます。
クリームボックス
ふわふわの食パンに甘いミルククリームを塗っただけ。でもこの素朴さがクセになる。郡山の学生に昔から親しまれてきたソウルスイーツで、給食の記憶がよみがえる人も多いとか。
まとめ|福島は何度でも通いたくなる県だった
今回の調査から見えてきたのは、派手ではないけれど、記憶に残る味の多さです。
ラーメンは2タイプあり、フルーツも充実。B級グルメも、漬物も、どこか品があって、やさしい。旅先で食べた一口が、後からじわじわ恋しくなる――そんな“じんわり系うまいもん”の詰まった県でした。
次回は茨城県編。あんこう鍋や常陸牛、メロンまで、こちらも食材の個性が際立つ土地。どんなグルメが上位に入ってくるのか、お楽しみに!
<調査概要>
調査方法:QR/バーコードリーダー「アイコニット」アプリ内アンケートコーナーにて実施
調査対象者:「QR/バーコードリーダー・アイコニット」アプリユーザー
調査日:2024年8月12日 00:00:00~23:59:59
有効回答者数:23,567人
※文中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります
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