新年度が近づくと、「このままでいいのかな」と仕事や将来について考える人もいるでしょう。収入や働き方への不安からスキルアップを意識し始める人も少なくありません。
そんななか、よく見聞きするのが「リスキリング」。国も学び直しを後押ししており、企業が従業員の職業訓練を行う場合、費用の一部を助成する制度も整えられています。
今回は、キャリアコンサルタントの井上千椿さんに伺った話をもとに、リスキリングについて見ていきます。
リスキリングとは
リスキリングは、仕事に生かせる能力の再開発や再教育を指します。広い意味では学び直し全般を含みますが、近年は社会や技術の変化に対応するために、新しいスキルを身につけ直すこととして語られることが増えています。
たとえば、AIやデジタルツールの活用が当たり前になってきた今。業務で生成AIを適切に使う力や、データを扱う基礎力を身につけることは、今の職場で役割を広げることにも、次の仕事への準備にもつながります。
キャリアコンサルタントの井上千椿さんは、アラサー世代のリスキリングについて、次のように話します。
「リスキリングは『何を学ぶか』よりも、『なぜ学びたいのか』を言葉にできているかが大切です。将来の不安の解消なのか、収入をアップさせたいのか、それとも働き方の選択肢を増やしたいのかなど、学ぶ動機を一度自分に問いかけてみてください。
実際に『なんとなく不安だから』という理由で始めて、途中で止まってしまうケースは少なくありません。学びの先には、“自分の物語”があります。いきなり大きく変える必要はありません。自分の延長線上にある学びを選ぶことが重要です」
収入につながりやすいリスキリング5選
アラサー世代は、収入アップや働き方の選択肢を増やしたくて、リスキリングを検討する人も多いと思います。ひとつのヒントとして、比較的仕事につながりやすい分野を紹介します。
ウェブマーケティング
ウェブ広告、SEO、SNS運用、アクセス解析、コンテンツ改善など領域が広め。会社でも副業でも活かしやすく、文章や企画が好きな人、数字を見て改善するのが得意な人に向きます。
ライティング 編集 コンテンツ制作
SNS、ブログ、メルマガ、採用広報、社内資料まで応用が広いスキル。読みやすく整理して伝える編集力がつくと、実務の評価にもつながります。
Webデザイン
バナーやLP、UIの基礎。成果物で実力を示せるので、ポートフォリオがあると転職や副業で有利です。
プログラミング
習得に時間はかかる一方、業務自動化やツール作成で武器に。まずは身近な作業の効率化から始めると続けやすいです。
データ分析 Excel力
関数、ピボット、簡単な分析、資料化などは汎用性が高く、職種を問わず役立ちます。現職の改善にも直結しやすい学びです。
リスキリングを始める前に押さえたい注意点
改めて始める前に知っておくと安心なポイントをまとめます。
目的をはっきりさせる
知的好奇心を満たしたいのか、転職や副業など収入につなげたいのかで、選ぶテーマも学び方も変わります。収入目的なら、学んだ先にどんな仕事があるか、求人要件や実務経験の必要度も軽く確認しておくと安心です。
時間とお金の投資になることを忘れない
学び直しには、教材費や受講料だけでなく時間も必要です。だからこそ、続けられる計画を立てるのが大切。頑張りすぎるより、週に数時間でも継続できる形を優先してみてください。
収入だけで決めない
稼げそうだからという理由だけで選ぶと、興味が持てずに途中で止まりやすくなります。気になる分野があるなら、無料講座や体験授業で触れてみて、楽しいと思えるかを確かめるのもおすすめです。
「女性におすすめ」という言葉はそのまま受け取らない
女性に向いていると言われる仕事や学びが、必ずしも高収入や働きやすさにつながるとは限りません。仕事内容、必要な責任、賃金水準、働き方の現実まで含めて、自分の希望に合うかを見て判断しましょう。
学び直しは、未来の自分への小さな仕送り
リスキリングが気になっても、結局なにをどこまで学べばいいのか迷いますよね。大切なのは、正解探しをするより、自分の状況に合う形で一歩を踏み出すことです。
「何に興味があるのかわからない」という場合は、ひとまず「リスキリングを謳っているスクールの体験授業を複数受けてみる」というのもおすすめです。
小さく始めて、続けながら調整するだけでも、未来の選択肢は少しずつ増えていきますよ。



