仕事終わりに疲れている夜。キッチンに立つか、コンビニによるか、アプリを開くか。
自炊をするかどうかは、いまや単なる生活習慣ではなく、その人の価値観や優先順位があらわれる選択肢になってきました。
食費を節約したい、健康を意識したい、誰かのために作りたい――理由はいろいろあっても、「毎日きちんと料理している人が正解」という考え方には、少し疑問が残ります。
そこでWellfyアンケート部では、20代・30代女性1,014人に「自炊しているか」「その理由」をアンケート調査。そこから見えてきたのは、料理を「する・しない」で測れない、現代女性のリアルな食事情でした。
※本記事は、アイコニット・リサーチで実施した独自アンケート調査結果をもとに執筆しています。(https://www.iconit.jp/iconit-research/)
「する」が7割強。料理はまだまだ暮らしの一部
「あなたは自炊をしますか?」という問いに対する回答は以下のとおりでした。

- する:740票(約73%)
- しない:274票(約27%)
自炊を「する」と答えた人が7割を超え、料理は依然として多くの人にとって日常の一部であることがうかがえます。ただし、約3割が「しない」と答えており、自炊しないことを選ぶ人も少なくありません。
この数字が示しているのは、「料理ができるかどうか」ではなく、「自炊を選ぶかどうか」が個人のライフスタイルや価値観に強く結びついているという現実です。かつてのように「家事能力=生活力」という単純な方程式は、もはや成立しない時代に入りつつあります。
【自炊する理由】健康?節約?愛?モチベーションは十人十色
「自炊する」と答えた人に対し、その理由を尋ねたところ、複数の動機が挙げられました。上位は以下のとおりです。
- 家族(パートナー)の手料理(110票)
- 経済的な理由(99票)
- 健康を意識(81票)
- 健康・経済・節約などの複合回答(多数)
- 家計の節約のため(51票)
最も多かったのは「家族やパートナーと住んでいるため、自然と自炊が習慣化している」という声でした。誰かのために作るというモチベーションは、食事が“生活の行為”以上の意味を持つ瞬間でもあります。
次いで多かったのが「経済的な理由」。外食の物価高やランチ代の積み重ねが家計を直撃するなかで、自炊が「やっぱりコスパのよい選択」として再評価されているようです。
また、「健康志向」も強い関心を集めており、食材を自分で選び、調味料の量をコントロールできる安心感は、インスタントや外食では得がたいメリットでしょう。
一方で、「節約したいけど時間がない」「作ると食べすぎてしまうから」など、自炊に葛藤を抱えている声も少なくありませんでした。
“料理する私”をやめてもいい。自炊は正解ではなく選択肢のひとつ
今回の調査では、自炊をする人が多数派であることが明らかになりました。しかし、その動機は「誰かのため」「自分の健康のため」「お金を守るため」など多様であり、自炊は“すべきこと”ではなく、“選べること”へと変化しています。
逆に、自炊をしない人たちも、怠けているわけではありません。仕事で帰宅が遅い、料理がストレスになる、食べる時間を別の活動に使いたい…。それらはすべて、日々を心地よく生きるための合理的な選択です。
たとえば、週末にまとめて冷凍しておく「作りおき派」や、簡単レシピで3品を15分で仕上げる「タイパ重視派」、あるいはあえて料理しないことをルールにする「外食主義派」など、現代の食生活は想像以上にバリエーション豊か。
大切なのは、「自炊できているか」ではなく、「自分の生活に合った食のスタイルを選べているか」ではないでしょうか。
栄養バランスを考えるなら、コンビニでも1汁2菜を意識して組み合わせるだけで健康的になりますし、外食続きが気になるならスープジャー1つから自炊を始めるという方法もあります。
暮らしを整える手段としての料理。
無理なく、自分らしく、そしてちょっとの楽しさを添えて選んでいけるといいですね!
<調査概要>
調査方法:「QR/バーコードリーダー・アイコニット」アプリ内アンケートコーナーにて実施
調査対象者:「QR/バーコードリーダー・アイコニット」アプリユーザーのうち、20代・30代女性
調査日:2024年5月28日
有効回答者数:1,014人
※文中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります
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