旅行や出張でホテルや旅館に泊まった翌朝、ふと迷うのが「使ったお布団、たたむべき?」という問題です。
「綺麗にして出るのがマナーよね」と丁寧にたたむ人もいれば、「そのままでいいって聞いたことがあるけれど、だらしなくないかしら?」と不安になる人も。
実は、宿泊施設の種類や裏側の事情を知ると、その迷いにスッキリ答えが出ます。今回は、読んだ後に「明日の朝からはこうしよう」と自信を持ってチェックアウトできる、お布団のマナーを整理しました。
旅館(和室):良かれと思った「たたみ」が裏目に出ることも
旅館で畳にお布団を敷いて寝た場合、「完璧にたたまなくていい」というのが現代のスタンダードな考え方です。
客室係の方は、シーツを剥がし、布団に忘れ物がないか(スマホや貴金属など)を確認しながら片付けます。きっちりたたまれていると、一度広げ直す手間が発生してしまうのです。
それゆえ、たたまない方が、むしろスムーズに清掃できてありがたい、と考える方も多いのです。
どうすれば「だらしなく」見えない?
ただし、「たたまない=ぐちゃぐちゃでいい」というわけではありません。
シーツはたたむ必要はありませんが、掛け布団を軽く整えるなど、綺麗にしておくとベターでしょう。
乱雑に起きたままの状態にしておくのではなく、軽く整えておくだけで、「丁寧に過ごしてくれたんだな」という印象をスタッフに与えることができます。
ホテル(洋室):ベッドメイキングは「プロにお任せ」
ホテルのベッドの場合、たたむ必要は一切ありません。
ホテルのベッドメイキングは独特のシワを伸ばす技術が必要で、宿泊客がどれほど綺麗に整えても、清掃時には一度すべて解体されます。
シーツを整えすぎると「このベッドは使わなかったのかな?」と清掃スタッフが誤解してしまう可能性すらあります。
基本的にベッドの場合は、そのままでOKですが、スマートに対応したい場合は、以下の二つを心がけましょう。
掛け布団をめくっておく
湿気を逃がすために掛け布団を半分ほどめくっておくのが「通」な振る舞いと言われることもあります。
枕を元の位置に戻しておく
枕やクッションを元の位置に置くだけで、視覚的に整って見えます。こうすることで、「ベッドは使用したけれど、使用しっぱなしではなく、掃除する人の気持ちも考えている」と伝えることができるでしょう。
「どうしてもそのままで出るのは抵抗がある」場合は?
旅館でのお布団を、もし「どうしてもそのままで出るのは抵抗がある」という場合は、以下のように「三つ折り」程度にとどめるのがベストな折衷案です。
1.半分、または三つ折りにする
掛け布団を大きく三つ折りにする程度なら、中の忘れ物も確認しやすく、見た目も整います。
2.枕を上に置く
折ったお布団の上に枕をポンと置けば、「丁寧に扱いました」というサインになります。
3.「あえて」の意思表示
もし旅館でスタッフに直接会う機会があれば、「お布団はそのままで失礼しますね」と一言添えるのが最もスマートな気遣いです。
お布団をたたむかどうかよりも大切な「本当のマナー」

忘れてはいけないのが、宿泊した際には、お布団をたたむかどうか以上に気をつけておくべきマナーがあるという点です。以下のポイントに注意しましょう。
浴衣やタオルをまとめる
脱ぎ散らかさず、一箇所にまとめておくとお掃除がしやすくなります。
ゴミを分別する
ゴミもバラバラに放置せず、一箇所にまとめましょう。ゴミ箱に入り切らない場合は、箱の横にまとめて置くなどすると、片付けやすくなります。散らかしっぱなしはやめましょう。
「ありがとうございました」のメモを残す
机の上に小さなメモを残すのもいいでしょう。「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝えてみてください。それだけで、お掃除をする人の1日が明るくなるかもしれません。
日本にはチップの文化がありませんから、感謝を伝えたかったけれど、十分に伝えられなかった、と思う人もいるでしょう。その場合は、レビューサイトに良いレビューを投稿するのも一案です。
持ち帰ってはいけないものを持ち帰らない
備え付けのコーヒーや紅茶、お菓子、ハンドタオルなどは持ち帰るのもありです。ただし、バスタオルなどの備品を持ち帰るのは厳禁です。
「これって持ち帰っていいものかな、ダメなものかな」と判断に迷うものがあれば、持ち帰らない方が無難でしょう。
あなたの「感謝」は行動で伝わる
宿泊先でのお布団は、「軽く整える程度」が、あなたにとってもスタッフにとってもベストな選択です。
「綺麗にたたまなくちゃ」というプレッシャーを捨てて、その分の余裕を「忘れ物チェック」や「感謝の挨拶」に向けてみてください。
「立つ鳥跡を濁さず」という言葉通り、完璧な形よりも、次に使う人や清掃する人への「ちょっとした思いやり」を感じさせる。そんな振る舞いができる人は、どこへ行っても歓迎されますよ。


