災害を忘れない!被災地で活躍したブルーシートがバッグに! 「ブルーシードバッグ」プロジェクト

(アイキャッチ画像出典:BRIDGE KUMAMOTO https://bridgekumamoto.com

被災地でよく見かけるブルーシートは、復旧とともにお役ごめんとなり、大量の廃棄物と化します。
このブルーシートを回収・洗浄・縫製してトートバッグにリメイクしたものが「ブルーシードバッグ」です。
なぜブルーシー“ト”バッグではなくブルーシー“ド”バッグなのでしょうか。
ゴミを減らし、リサイクル&リユースをかたちにしたSDGsな取り組みを紹介します。

目次

現地に行かなくても支援できる!クリエイティブの力を活かした後方支援

きっかけは2016年に4月に発生した震度7を記録し甚大な被害を受けた「平成28年熊本地震」。

災害ボランティア団体「チーム熊本」から派生する形で、復興には息の長い支援活動と、たくさんの人たちの関心が必要だと考えた地元のクリエイター達により、BRIGDE KUMAMOTOが任意団体として発足しました。

様々な理由で「何かしたいけれど現地には行けない」人々や現地のニーズの架け橋となるよう活動しています。
現在は、災害支援にとどまらず多種多様な社会課題に活動の幅を広げています。

ブルーシートをブルーシード(復興のたね)に

(画像出典:BRIDGE KUMAMOTO https://bridgekumamoto.com

熊本地震で被災した家屋を覆ったブルーシート。この見渡す限りの青い景色を「復興の種」としてポジティブにできないだろうか。

ボランティアにかけつけた東北の被災経験者から聞いた、津波に流された漁師の大漁旗を洗浄し、ブレスレットにリメイクする話をヒントに、

・地震を象徴するもの
・寄付になるもの
・リサイクル
・大量生産できなくてもPRになるもの。

という4つのコンセプトから廃棄予定のブルーシートを回収して、裁断・洗浄の後、トートバッグに生まれ変わらせるプロジェクトが始まりました。

・REMAKE(廃棄ブルーシートの利活用)
・RETURN(売上の一部を被災地へ寄付)
・REMIND(災害を忘れない)

3つの“RE”を形にしたのが「ブルーシードバッグ」です。

売上のうち、生産コストは約50%、活動を続けていくために必要な費用として30%、残りの20%は被災地域で活動を続ける団体に寄付されています。売上の一部に加え、製作に関連するお金も被災地域へ還元される仕組みは、全国各地6地域12の連携先へと広がっています(記事執筆時)。

ブルーシートが生地になるまで

(画像出典:(一社)BRIDGE KUMAMOTO )

災害ボランティアの手で回収されたブルーシートが一枚のブルーシート生地になるまでには様々な工程があります。

1.規程の大きさに裁断する
2.デッキブラシで洗浄する
3.乾燥する
4.濡れたタオルで拭いて汚れを落とす
5.乾いたタオルで拭きあげる

ブルーシートの洗浄会イベントは不定期で開催されているので、気になる方はBRIDGE KUMAMOTOのFacebookをチェックしてみてください。

ブルーシードバッグ

(画像出典:©2024Maki,NAGAI)

震災や台風などの災害などで家屋を守ってきたブルーシートは、役目を終えた後、ほとんどが災害ゴミとなり処分されます。ですが、ブルーシードバッグに生まれ変わることで

・ごみを減らす
・町が元気になる(地域の学校や企業と連携して洗浄するのでコミュニケーションの場が生まれる)
・仕事が生まれる(被災地域の工場や熊本県内の就労継続支援事業所で縫製するので、被災した方や病気や障害で一般企業で働くことが困難な方の雇用の場になっている)

と被災地支援や地域共生を実現しています。

災害発のアッププロダクトとして2017年にグッドデザイン賞「BEST100」に選ばれ、「グッドデザイン特別賞[復興デザイン]」、2018年にはイタリアの「A’ DESIGN AWARD」サステナブル・プロダクツでブロンズ賞を受賞しました。

強い日差しにさらされ、風雨を浴びたブルーシートが素材になっているので、ブルーシードバッグはひとつとして同じものがありません。ダメージジーンズのような素材の風合いを生かしたデザインになっています。

(画像出典:©2024Maki,NAGAI)

サイズ:高さ 約30cm 幅 約33cm 奥行 約15cm
素材(表):被災地域などで使われた廃棄予定のブルーシート
素材(裏地・持ち手):綿
価格:4400円(税込)

熊本城瓦御守

(画像出典:BRIDGE KUMAMOTO https://bridgekumamoto.com

熊本城瓦御守もブルーシードバッグ同様、他に同じものはないひとつだけのアップサイクル商品です。

地震で破損し、災害ごみとなってしまった熊本城の瓦を封入し、ブルーシートで包み、熊本城内にある加藤神社でご祈祷をいただいた記念品が「熊本城瓦御守」です。
「後来不落」という文字には二度と落ちないという意味がこめられています。

熊本城の売店とYahoo!ショッピング店で1320円(税込)で販売されていて、収益の一部が「熊本城災害復旧支援金」となっています。2052年度に見込まれる熊本城の完全復旧に役立ちます。

今回は、復興支援や災害ごみについて知るきっかけとなるブルーシードバッグや熊本城瓦御守を紹介しました。災害の記憶を風化させず、次の被災地への支援へつなげていく循環型のソーシャルアクションはSDGsでとてもエシカルなプロジェクトですね。

※ BLUE SEED BAG、熊本城瓦御守は(一社)BRIDGE KUMAMOTOの登録商標です。

(一社)BRIDGE KUMAMOTO 公式サイト https://bridgekumamoto.com
(一社)BRIDGE KUMAMOTO  facebook https://www.facebook.com/bridgekumamoto/

BRIDGE KUMAMOTO ONLINE STORE  https://shop.bridgekumamoto.com/

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この記事を書いた人

大学卒業後、国語学会で学術雑誌の編集と秘書を兼任。その後、放送作家と並行してテレビ局、制作会社で番組制作を行う。演者側だった学生時代から継続して様々な形でエンタテインメントに関わる。現在は書く仕事に加え、講師、カフェスタッフ等パラレルワーカー。原則、メディアと明かさず自費で情報収集することで媚びない正直な記事を目指す。得意分野はエンタメ・ビューティ・美味しい。

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