マウンティング女子、お局さまへの対処法。間違えると自分の首を絞める

「女性はマウンティングしがち」「女の敵は女」「お局さまはウザい」……そういった言説は、男性からも女性からも繰り返し語られがちです。ですが、それは事実でしょうか? また、そういった言説を信じることは、誰にとって利益があるものなのでしょうか?

今回は、「マウンティングしてくる女がウザい」「職場のお局さまがうるさい」と普段感じている女性向けに、どのように対処するのが、結果的に自分にとって一番利益があるのか、を解説していきます。

マウンティング返しをしてスッキリしたり、職場の気に入らない年上の女性に向かってお局さまだと陰口をたたいたりしても、根本的な解決にはなりません。

目次

「女性はマウンティングしがち」「女の敵は女」「お局さまはウザい」はほんと?

まずは、「女性はマウンティングしがち」「女の敵は女」「お局さまはウザい」といった言説が真実に基づいているのか、について考えてみましょう。

「女性はマウンティングしがち」なのか。男がマウンティングしない、という妄想
女性が数人集まればドロドロしがちだとか、マウンティングしてしまう……そんな話をする人がいます。女同士のドロドロを扱ったコンテンツは、いつの時代も人気です。

実際、女だらけの職場で人間関係が難しいと感じたり、女友達にマウンティングされて嫌な気分になったりした、という人は少なくないでしょう。

しかし、それは女性に限ったことではありません。男性同士の集まりでは、自らの社会的階級の差でマウンティングの取り合いをすることも珍しくありません。『半沢直樹』を思い出してください。あれは、男性同士のドロドロでしかありませんが、だからといって「男性だらけの職場はドロドロしていて怖いよねー」とはなりません。

女性はマウンティングするドロドロした生き物、なのではく、人間がマウンティングする生き物なのです。女性がマウンティングしあっているときだけ、「女同士のドロドロ」と言われてしまい、女性自身でさえ「女のほうが陰湿」だと思い込んでしまうのは、社会からの刷り込みに他ならないのです。

「女の敵は女」なのか。それを信じて誰が得をする?
女だろうと男だろうとマウンティングする人はしますし、そこに性差はありません。ではなぜ、女性だけがドロドロしていると風潮されたり、女性自身でさえも「女の敵は女」と信じ込んでいる人がいるのでしょうか?

それは、この世界が男社会だからです。日本はとくにジェンダーギャップ指数が低く、男性の方が収入も社会的地位も高くなりがちです。こういった社会においては、女性同士の結託を阻止する方向に向かいます。「女の敵は女」は、女たちの結託を阻止し、家父長制社会を維持するために、ある種都合のいいレトリックだと言えるのです。

「女の敵は女」を信じて、得するのは女性ではありません。

「お局さま」とは? 若い女性にとっては、将来自分にかける呪い
最近はあまり聞かなくなった言葉ですが、「お局さま」はまだ、職場にいる中年以上の女性を揶揄する言葉として有効です。

お局さまという言葉の成り立ちについて考えてみましょう。その昔、男女雇用機会均等法ができる以前は、女性は社会で働いている数が少なく、働いていたとしても結婚を機に退職することが当たり前でした。会社で働いている女性のほとんどが若い女性であり、女性は生涯に渡って働き続けることは珍しかったのです。そのため、「歳をとっているのに」会社で働いている女性はレアケースであり、揶揄の対象となったのです。

では、現在はどうでしょうか? 女性の多くが、定年まで、または定年以降も働くことが珍しくない時代です。つまり、誰もが「お局さま」になる可能性がある時代だと言ってもいいでしょう。

年長の職場の女性を「お局さま」と揶揄することは、年を重ねて働く女性をバカにしているのと同じことです。つまり、若い女性が年上の職場の女性を「お局さま」と揶揄することは、将来の自分に呪いをかけているようなものだと言えるでしょう。

「お局さま」に相当する男性を表す言葉はありません。「お局さま」はシンプルに、長い間会社で働く女性を揶揄する女性蔑視の言葉なのです。

マウンティング女子、「お局さま」にどう対処すべき?

マウンティングは性別関わらずするものであり、「お局さま」は女性蔑視の言葉である……とはいっても、現実に、マウンティング女子や、嫌な職場の女性の先輩や上司は存在します。そういった人とどうやって付き合っていくべきでしょうか? ここでは、簡単にできる対処法を3つ解説していきます。

マウンティング女子、「お局さま」への対処法1 なるべく関わらない
一番効果のある方法は、なるべく関わらないという方法です。とくに、マウンティングしてくる女ともだちと会い続ける必要はありません。そのマウンティング女子は、あなたを下に見ることで安心感を得ている、かわそうな人なのかもしれません。

なぜ、マウンティング女子はマウンティングをするのでしょうか? それは、自分の選んだ道に対して確信がないからです。自分の選んだ道が正しかったのだ、幸せなのだ、と確信できていたら、人と比べたり、幸せをひけらかしたりする必要はありません。マウンティング女子は、基本的に、自信がない人なのです。

そういった人の相手をするのは疲れます。相手に自信をつけさせるために、自分がワンランク下の存在になる必要があるからです。マウンティング女子との間には上下関係が発生しますから、健全な友情は育めるはずもありません。

ですから、会うたびにマウンティングしてきてつらい、という場合は、会うのを止めるしかないでしょう。

マウンティング女子、「お局さま」への対処法2 真顔
マウンティングされた際、不快に感じているにも関わらず、その場の空気を乱したくなくて、笑顔になっていませんか?

そうであるならば、少しきつい言い方になってしまいますが、あなたは相手のマウンティングを助長している、とも考えられます。もし、相手がマウンティングしてきた時点であなたが立ち去れば、相手は自分がしたことが相手を不快にしていることに気が付くでしょう。マウンティングされているにも関わらず、空気を読んでふるまうことで、マウンティングを恒常的に発生させる環境をあなたが作ってしまっているのです。

考えてみてください。マウンティング女子は、マウンティングする相手を選んでいます。あなただからしてもいい、と思われているのだと自覚しましょう。そして、その関係を変えたいなら、あなたが変わる必要があります。

マウンティングされた際に、「それって、マウンティングみたいに感じる」とか、「その言い方は傷つく」とストレートに伝えるのもよいでしょう。マウンティングされたその場所で即座に反応できないのなら、後日LINEなどで伝えるのも有効です。

しかし、そこまではっきり相手に伝えるのは、荷が重い、と感じる方もいらっしゃるでしょう。職場の先輩や上司、いわゆる「お局さま」がマウンティングしてくる場合は、上下関係があるため、距離を置くこともはっきりと伝えることも難しいかもしれません。

そういった場合は、笑顔をやめてみましょう。「マウンティングされた際に、笑わない」、これだけを気を付けることで、関係は変わっていきます。

マウンティング女子、「お局さま」への対処法3 対抗しない
友だちや「お局さま」から、下に見られる発言をされた際には、相手をマウンティング返ししてやりたいとか、相手に勝ちたい、という気持ちが湧いてきがちです。

しかし、相手を負かそうとしてアクションを起こすと、また向こうもマウンティング仕返し……という不毛なサイクルを生みだしてしまうだけです。対抗しよう、勝とう、とするのはあなたが疲弊するだけなのでやめておきましょう。

相手は、誰かにマウンティングしなければ、自分の幸せに確信がもてない、哀れな人なのです。相手と同じ立場に立つのではなく、哀れみの気持ちで接しましょう。

さいごに。マウンティング女子、「お局さま」……にならないために

マウンティング女子や「お局さま」になりたくてなる人はいません。気が付いたら、なってしまっているものなのです。

マウンティング女子にならないためには、ひけらかす必要のない、自分基準の幸せを見つけることが大切でしょう。他人基準の幸せに合わせて生きてきた人は、その基準に確信が持てないため、他人を見下すことでしか安心感を得られない人になってしまいます。

「お局さま」になりたくない人は、「お局さま」が女性蔑視の言葉であり、自分が使うことで将来自分がそう呼ばれる可能性を引き上げているということに気が付く必要があるでしょう。

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