多様な人々が集まり働く職場では、意見が合わずに摩擦が起こったり、人間関係でストレスがたまってしまうことも。
それが女性の多い職場だと産休・育休、時短勤務など、さまざまなライフイベントによって働き方が多様化します。さらに、怖いお局様のターゲットにされたり、派閥に属することができず孤立感を覚えたり、マウンティングを受けたりと、女性社員同士特有の人間関係がストレスになることも。
そこで今回は、そんな職場でありがちな女性社員同士のトラブルをテーマに、ストレスの原因を分析し、解決のヒントを提案します。職場の人間関係に悩むあなたの心が少しでも軽くなるよう、役立つ情報をお届けします。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 1:お局様のターゲットになる
職場における、代表的な女性の人間関係トラブル、お局様問題。
お局様のターゲットになりがちなのは若手や新入社員が多いですね。至って真面目に仕事をしているつもりなのに、なぜターゲットにされるのか…。
その背景には、いくつかの心理や状況が関係しているようです。
お局様は長年勤めているベテラン社員であることが多いです。経験や知識の面で若手や新入社員との間に差があり、自分の優位性を示したい心理や嫉妬心が働いているケースがあります。
また、若手や新入社員が持つ「若さ」「柔軟性」「新しい考え方」に対して、無意識に嫉妬心を抱いてしまうケースもあるようです。さらに、組織の変化に対する抵抗感も原因の一つです。
若手社員は「新しい風」を象徴する存在として見られるため、これまでのやり方に固執したいお局様にとってはストレスの種になり、ターゲットになりやすいのです。
お局様が組織内で一定の影響力を持つ場合、その力を示すために若手をターゲットにしてしまい、理不尽に怒られたり悪い噂を流されるケースもあります。
▷▷改善方法のヒント
とても精神的に消耗してしまうトラブルですが、大切なのは、
「自分に非があるのではないか」と思い詰めないこと。
まずは冷静に状況を分析し、自分が抱えているストレスの原因をはっきりさせることが第一歩です。
【試してみたい行動】
- お局様へ小さなことで感謝やお礼を伝える
- 職場外の趣味や時間でストレスを発散する
- 信頼できる上司や同僚に相談する など
お局様の態度にすべてを悩むのではなく、自分ができる範囲で少しずつ状況を変える努力をしてみましょう。
お局様関連トラブルを改善するヒントや対処法については、以下の記事でさらに詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 2:特定グループに所属できず孤立する・派閥間の板挟みになる
特定のグループに所属できず孤立したり、派閥間の板挟みになったりするのは自力では解決しづらい悩ましい問題。
合わないグループにどう対処すべき?
無視が良い?
このような状況に置かれたときに、どのように対処すればいいのでしょうか。
▷▷改善方法のヒント
なぜ孤立しているのか、板挟みになっているのか原因を分析。
自分の行動や言動を振り返り、周囲との関係性の中で何が問題となっているのかを客観的に見てみましょう。
なぜそのグループは固まっているのか、またはなぜ派閥争いが起きているのかを考えてみたり、相手がなぜそのような行動をとるのか、相手の立場に立って考えてみるのも、状況の把握と対策に繋がります。
積極的にコミュニケーションを取ることが効果的なケースもあります。
相手との共通の話題を見つけて、会話のきっかけを作りましょう。相手の話をじっくり聞き、共感する姿勢を見せることが大切です。
自分の意見を率直に伝えるときは、相手を尊重した上で穏やかな言葉を選ぶようにしましょう。
信頼できる上司や同僚に相談することで、心の負担を軽減し、問題解決の糸口が見つかることがあります。
また、会社内に相談窓口があれば、積極的に利用しましょう。具体的にどのような言動があったのか、記録をつけておくことで状況を整理しやすくなります。
状況によっては、法的な対処として弁護士に相談することも検討しましょう。
現在の状況を成長の機会と捉えたり、一時的なものだと考えたりと、焦らずに少しずつ改善していくマインドが大切です。
ですが、
何より大切なのは自分。我慢したり自分を責めたりせず、無理のない範囲で行動しましょう。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 3:やたらとマウンティングされる
またその話?
と思うほど、やたらとマウンティングしてくる女性に悩まされていませんか?
仕事の場で必要以上に張り合おうとする態度は、非常にストレスがたまります。
- 「私の時はもっと大変だったのよ」と大変マウント
- 「それくらい、私なら一瞬で終わるよ」と有能マウント
- 「あのブランド持ってるんだ?私はこっちだけどね」とお金持ちマウント
あるいは、過去の経験からこのような行動パターンが身についている可能性もあります。
▷▷改善方法のヒント
マウンティングしてくる人への対処法は、「極力関わらない」ことです。
ただし、上司や同僚など、距離を取るのが難しい場合もあるでしょう。そのような場合は、あまり気にしないで、相手の発言を聞き流すことが効果的です。
また、マウンティングされているにも関わらず、空気を読んでふるまうと、相手の思う壺。さらに恒常的にマウンティングをさせてしまうことにつながります。
マウンティングされた際に、「無反応」「真顔・笑わない」で接するのが得策です。心の中で、「ふーん」と思ってスルーするだけでも、相手の勢いを削ぐことができます。
相手の言葉に振り回されず、自分自身の価値を信じましょう。ただし、露骨に無視している態度は相手を刺激してしまうのでNG。
もし相手の言動が度を越している場合、
その言い方は少し気になります
と優しく伝えるのも処世術のひとつです。上司に相談して状況を改善してもらうのも一つの改善方法です。
もし、マウンティングされた内容が自信のコンプレックスに関係している場合は、スキルアップや自分を高めるのもおすすめです。
自信がついて、マウンティングに振り回されにくくなります。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 4:コミュニケーションが盛んすぎる
やたらと話好きな同僚や先輩に振り回されて疲れてしまった経験はありませんか?
コミュニケーション過多な人との関わりは、楽しい反面、自分のペースが乱されてしまうことも。こんなケースに心当たりはないでしょうか?
- 仕事中もずっと話しかけられるため業務の進行に支障が出てしまう…
- プライベートな話に深入りされ困る
- 話題が一方的だったり自分の話ばかり など
では、どのような対処法が効果的でしょうか。
▷▷改善方法のヒント
相手のコミュニケーションスタイルは、その人の個性です。
それを尊重しながら、自分にとって心地よい距離感を保つことが二元関係において大切。相手の話を遮らず、「うんうん」と適度に相槌を打つことで相手が満足しやすくなります。
ただし、共感しすぎると話が長引くので、適度なバランスを意識しましょう。
具体的な行動で話を終了させる方法も効果的です。
ちょっと席を外します
そろそろ会議の準備をします
などと伝え、一旦、その場を離れることで会話のペースを調整できます。
今日は少し疲れているので、ゆっくり話したいです
と、率直に自分の気持ちを伝えることで、相手も理解を示してくれるかもしれません。
ただし、相手を否定すると、かえって人間関係が悪化してしまうことがあります。穏やかな言葉を選ぶことで、相手も受け入れやすくなりますよ。
自分の時間やペースを守るために、上手にストレスを減らすバランスを取っていきましょう。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 5:悪口が蔓延していて同調するように求められる
職場での悪口が蔓延している環境ほどうんざりするものはありません。
職場がギスギスした雰囲気になり、心がすり減ってしまいますよね。それが女性社員同士の間で頻繁に行われ、さらに「同調」を求められるような状況なら、ストレスは一層高まるでしょう。
職場でこんなことありませんか?
- 誰かの悪口を一緒に言おうと誘われる。
- 悪口が原因で職場全体の雰囲気がピリピリしている。
- 悪口の内容がどんどん陰湿で攻撃的な内容にエスカレートしていく。
悪口が蔓延している職場で、同調を求められるのは本当にストレスがたまりますよね。
さらに、自分の言動がすべて監視されているように感じ、メンタルが消耗されてしまいます。
それでは、改善のヒントを見ていきましょう。
▷▷改善方法のヒント
職場の悪口大会に無理に巻き込まれないためにには、受け流すのがおすすめです。
たとえば、悪口を振られても
へー、そうなんですか
そういうこともあるんですね
と曖昧なリアクションで軽く受け流しましょう。
さらに、悪口が始まったタイミングで仕事の話や中立的な話題にさりげなく切り替えることで、会話の流れを変えてみるのも良いでしょう。
またしょっちゅう悪口を言うようなグループ・派閥とは、できる限り物理的・心理的に距離を取ることが良いでしょう。
もし、それでもストレスのたまる状況が改善しない場合は、信頼できる上司や同僚に相談することで、具体的なアドバイスやサポートを得られるかもしれません。
悪口に耐えるのは大変ストレスがたまりますが、心がけてほしいのは自分自身の価値観を見失わないこと。悪口の蔓延は心を消耗させますが、深呼吸して冷静さを取り戻して、穏やかに解決に向けて行動しましょう。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 6:「察してほしい」「わかるよね」文化に疲れる
「察してほしい」「わかるよね」
日本らしい文化ですが、察することができなかった時に、否定されたり冷たい態度を取られると、
だったら初めから言葉でハッキリ言えよ
と思ってしまうのも無理はありません。特に女性が多い職場では、こうした暗黙の了解を求める文化が根強いことがあります。
察する行為って、とてもエネルギーを使うので、ストレスがたまり疲弊します。こういう相手にはどう対処すればいいのでしょうか。
▷▷改善方法のヒント
まず、「察してほしい」文化に対して、自分がどのような不満やストレスを感じているのかを整理してみましょう。
それが特定の相手に対するものなのか、職場全体の雰囲気によるものなのかを明確にすることで、対処法が見えてきます。
特定の“察してちゃん”な人がいる場合は、その人とのやり取りでは、できるだけ具体的に意図を確認することが効果的です。
たとえば、「資料を準備してほしい」とだけ言われた場合、
どの資料を、いつまでに準備すれば良いですか?
と具体的に尋ねると、相手も自分の意図を再確認するきっかけになりますし、誤解を防げます。
また、
全てを察することはできないです
と率直に伝えるのも一つの方法です。
何か要望があるなら、はっきり言葉にして伝えてほしいとお願いしましょう。場合によっては、あえて「察さない」という選択を取ることも必要です。
他のトラブル同様、周囲に相談するのも効果的です。同僚や上司、家族、友人に話を聞いてもらうことで、客観的な視点を得られるかもしれません。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 7:感情的な対応に振り回される
職場で上司や先輩、同僚の感情的な言動に振り回されるのは、非常に精神的に消耗しストレスがたまるものです。
散々ヒステリックな言動をしておいて、本人は何事もなかったかのようにケロリとしている……。これが繰り返されると、モラハラに発展するケースもあり、心身に大きな負担を感じることがあります。
あなたが少しでも楽になる対策を見ていきましょう。
▷▷改善方法のヒント
まず、相手の行動を冷静に分析することが重要です。
「いつ、どこで、どんな言葉や態度で振り回されたのか」を具体的に記録してみましょう。
状況を客観的に書き留めることで、相手の行動パターンやトリガーを見つけられるかもしれません。
たとえば、「締切間近で余裕をなくしがち」「上司からのプレッシャーに敏感」など、相手の特徴が見えてくると、それに応じた対策を講じやすくなります。場合によっては、あらかじめ距離を取ることで、衝突を未然に防ぐことも可能です。
次に、相手の要求に無理に応じないことも解消に大切です。
「断るスキル」を身につけて、必要に応じて冷静かつ具体的に対応しましょう。
たとえば、感情的に何かを押し付けられた場合には、
〇〇を優先して対応していますので、急な変更には対応が難しいです
と伝えたり、
それは私の担当ではありません
と明確に伝えることで、トラブルを回避できます。
職場で振り回される状況が続くと、ストレスで心が萎縮し、「自分が悪いのかも」と思い込んでしまうケースもあります。このような場合は、自己肯定感を高め、自分を大切にしましょう。自分の価値や努力を認めることで、相手の言動に振り回されにくくなります。
「私は大切な存在」というマインドを大切にしながら、冷静な視点を保つことで、少しずつ状況を改善し、ストレスを減らすことができるはずです。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 8:華やかさや美意識の高さについていけない
華やかで美意識の高い職場の人を目の当たりにすると、自分と比較してしまい、圧倒される感覚を覚えたり気後れしてしまうことはありませんか?
たとえば、職場でいつも洗練されたファッションに身を包み、華やかなオーラを放つ同僚を見ると、
自分ももっとおしゃれにしなきゃ
と焦る気持ちになることもあるでしょう。
また、昼休みに美容やダイエットの話題が飛び交う中で、自分がその輪に入れないと感じると、孤立感を覚えることもあるかもしれません。
そのような環境では、どうしても自分を比べてしまい、
あの人みたいに完璧になんてできない
私なんて地味だし…
どうせズボラだし…
と、自信をなくしてしまいますよね。
ご安心を。さまざまな対処法があります。
▷▷改善方法のヒント
まず、自分にできる範囲で、
「自分らしさ」を大切にしましょう。周りに流されず、自分のペースで良いのです。
もし外見に気を配ることが楽しいと思えるなら、少しだけ新しいファッションやメイクに挑戦してみるのも良いかもしれません。
YouTubeや雑誌、ネットの記事を参考にしてみましょう。コスメショップやビューティースタジオのメイクレッスンに行ってみるのもおすすめです。
しかし、義務感に駆られる必要はありません!
また、内面の魅力にも目を向けてみましょう。
たとえば、「仕事での丁寧な姿勢」「誰かを思いやる優しさ」といったあなた独自の価値を見つけることで、周りに振り回されることなく自信を持てるようになります。
自分を鼓舞する習慣もおすすめです。
鏡に向かって、
「私はできる」「私は私で素晴らしい」
などと肯定的な言葉をかけることで、自己肯定感を保つ、もしくは高めることができます。
華やかさや美意識の高い環境がどうしてもストレスで精神的に負担になっている場合は、転職を検討するのも一つの改善方法です。
職場の女性社員との人間関係ストレスCASE 9:異性への態度で中傷される
職場で異性への態度を理由に中傷されるのは、理不尽で辛い状況です。こうした誤解や中傷は、女性が多い職場で起きやすいケースでもあります。
たとえば、異性の同僚に仕事の相談をしたり、同じプロジェクトで自然と会話が多くなっただけで、
あの人、◯◯さんに気があるんじゃない?
と噂されることも。
中には、あなたのスキルや仕事ぶりを正当に評価している異性の上司とのやり取りが、
お気に入りだから贔屓されている
と曲解されてしまうケースもあります。
そんなつもりはないのに、異性に媚びていると思われてしまう
ただ仕事で話していただけなのに、噂になってしまった
でも、相手は仕事で関わっているので、話さずにすますことはできない…。
このような状況を打破するための第一歩を踏み出せるテクニックをご紹介します。
▷▷改善方法のヒント
職場での悪口や中傷への対処には、まず冷静に対応することが大切。過剰に反応すると、かえって状況を悪化させる場合もあります。
異性とのやり取りは、職場での人間関係を考え、オープンな場で行い、会話の透明性を意識しましょう。
また、プライベートな話題や軽い冗談は控え、適度な距離感を保つことで、噂の広がりを防ぐことができます。
中傷には直接反論せず、必要に応じて信頼できる上司や人事に相談するのも良いでしょう。
自分を責める必要はありません。非常に理不尽でモヤモヤしますし、ストレスが溜まるかもしれませんが、凛とした姿勢で仕事に取り組みましょう。
噂を完全に防ぐのは難しいですが、冷静で誠実な対応を続ければ、女性としての立場も考慮しつつ周囲も次第に理解してくれるはずです。
さいごに
大切なのは、
一人で抱え込まず、周りの人に相談したり力を借りながら、適切な対処をすることです。
また相手を敵視したり、感情的に対応したり、根拠のない噂や悪口を流したりしては泥沼トラブルにつながってしまいます。
ストレスの多い状況が改善し、自分にとって心地よい人間関係を築けるといいですね。