無意識に「上から目線」になってしまう人っていますよね。
上から目線の話し方をする人は、周囲の人から敬遠されてしまいがちです。友だちが減ってきている、なぜか嫌われてしまう、という人は、気付かないうちに上から目線の発言をしてしまっているのかもしれません。
今回はそういった「もしかして私の言動、上から目線かも?」と思い始めている人に向けて、治し方を解説していきます。また、職場など周囲にそういう人がいて困っているという人に向けては、相手との付き合い方のヒントもご紹介します。
どういう心理が原因?上から目線の人に共通する特徴
まずは、「上から目線の人の特徴」について解説していきます。
人に教えるのが大好き

上から目線の人は、人にアドバイスしたり、教えたりするのが大好きです。
それゆえ相談されてもいないのに「こうした方がいい」と助言して、うっとうしがられてしまうことも多々あります。
競争意識が強い・人生を勝ち負けが全てだと思っている
競争意識が強い人は、他者と比較し、自分の方が優れていると誇示しがちです。人生を勝ち負けだと思っている節もあるので、自分が常に勝っていないと不安になってしまうのです。
論破をかっこいいと思い込んでいる

論破をかっこいいものだと思い込んでいる人は、上から目線になりがちです。
会話をキャッチボールだと認識している人は、屁理屈で相手を言い負かすよりも、コミュニケーションを取ることを優先します。
しかし、論破をかっこいいと思い込んでいる人は、コミュニケーションを取ろうとせず、一方的に持論を展開した結果、上から目線の人になってしまうのです。
権威主義的で見下す言動をとりがち
ブランドものや、強者であることなどに価値を感じている権威主義的な人は、上から目線になりがちです。
「自分はXXという会社で働いている」「XX大学を出ている」「年収がXX万である」など、ラベルや数字で自分の価値を判断している人は、相手のラベルが自分よりも下だと判断すると、容赦無く見下すのです。
しかし、多くの人は、そういったラベルに価値を見出していませんから、

この人、なんでこんなに偉そうなんだろう
と不思議に感じるのです。そうなると、権威を誇示していた人は、



なんで俺・私のすごさをわからないんだ
と憤慨し、さらに上から目線になる、という悪循環に陥ってしまいがちです。
「あなたのためを思って…」自分が正しいと信じている
時々、「君のためを思って」と、相手を思いやる体で上から目線発言をする人もいます。相手が年下で自分が年上であれば、この傾向はさらに強くなることがあります。
これは、自分の考えていることが絶対的に正しいので、あなたは私の言うことを聞くべきだ、という傲慢さに基づいた発言です。
自分が正しい、相手は間違っている、といった否定的な思い込みによって、上から目線発言をしてしまう人は少なくありません。
プライドが高く、自信がない


自信がないのにプライドは高いという特徴もあります。自信がある人は、他人を見下す必要はありません。
上から目線になっているということは、「頑張って人の上に立ちたい。そうでなければ、自分に価値がない気がする」といった自信のなさの現れだと言えるでしょう。
生きている世界が狭い
生きている世界が狭く、多様な視点を持てない人ほど、上から目線になりがちです。
例えば、なかなか結婚しない友達がいるAさんが友達へ「結婚相手を見つけるためにはXXした方がいいよ」と上から目線でアドバイスしたとします。
なぜAさんは上から目線になっているかというと、結婚している方が幸せでより良いのだ、独身よりも上の立場なのだ、という価値観を信じ込んでいるからです。
生きている世界が広く、多様な価値観があるのだと知っていれば、一概にどちらが上などと判断できないことに気がつけるはずです。しかし、狭い世界に生きている人は、自分の物差しが相手にも当てはまるはずだと思い込んでしまうのでしょう。




男性にありがちな上から目線「マンスプレイニング」とは?


ここまで、老若男女に共通する上から目線の人の特徴をご紹介してきました。
性別に関わらず、上から目線の人は存在します。男性同士だったら普通に話せるのに、女性に対する時だけ上から目線になる男性も存在します。それはなぜでしょうか?
それは、「女性は男性より知識がないに違いない」と思い込んでいる男性が少なくないからです。女性の知識が自分よりないはずだと思い込み、説教したり解説したりすることをマンスプレイニングと言います。
マンスプレイニング(英語:Mansplaining)とは、男性のManと説明のExplainを掛け合わせた造語で、現在は一般的な用語として定着しています。
男性の中には、なぜ女性の方が自分より知識がないと思い込んでしまう人がいるのでしょうか?
それは、社会がそう教え込んできたからです。日本のテレビを見ても明らかでしょう。
解説役、MCは高齢男性で、その横にはアシスタントの若い女性がいる、という構図は現在も続いています。教える役が男性、教わる役が女性という構図の番組や誌面も少なくありません。
それゆえに、一部の男性は女性に対し、上から目線になってしまうのです。


上から目線の言い方って?言葉・セリフ例
次に、「上から目線」のセリフについてみていきましょう。下記の言葉を発してしまっているなら、「上から目線」になっている可能性が高いので要注意です。
典型的な上から目線のセリフ
- 「そんなことも知らないの?」
- 「バカじゃない?」
- 「かわいそー」
- 「あなたのためを思って言うんだけど…」
- 「私はこうやって成功したよ。だからXXさんもやれば?」
- 「普通はこうするよね?」
- 「心配しないで。私が教えてあげるから!」
- 「そんなの当たり前じゃない?」
- 「もう少し勉強したほうがいいよ。この本読んでみて」
- 「(相手が求めていないのに)助けてあげようか?」
- 「あなたには難しいかもしれないけど」
- 「こうしたほうが絶対に良いと思うよ」
- 「〇〇(痩せたら、メイクしたらなど)したら、絶対可愛くなるのに!」
上から目線になる心理とは?ならないための対処法
上から目線の話し方をする人は、必ずしも悪意があるわけではありません。ここでは上から目線になる心理と、そうなってしまわないための対処法を紹介します。
劣等感の裏返しで上から目線の言動に


上から目線になってしまいがちな人の多くは劣等感を抱えています。見下されたくない、あるいは、現在の自分が素晴らしいのだと主張したい、という思いが、見下しにつながるのです。
どう対処したらいい?
劣等感から上から目線になってしまっていると自覚があるのなら、
と、認識する必要があるでしょう。自らの劣等感と誤魔化さずに向き合えるようになれば、他人を見下す必要はなくなるはずです。
自分の知識や成功体験を教えたい
自分の知識や成功体験を良かれと思って、人生の先輩として相手に教えたい、という気持ちが強く、知らずしらずのうちに上から目線になってしまう人もいます。
どう対処したらいい?
また、「相手の方がより知識や経験がある可能性」について強く意識しましょう。あなたがとうとうと語っているアドバイスは、相手はすでに知っている可能性が大いにあります。特に、自分より若い人と会話をするときは気をつけましょう。
承認欲求が強い・尊敬されたい


評価されたい、注目されたい、すごいと言ってほしいという思いから、マウンティング発言をしてしまう人もいます。
どう対処したらいい?
例えば、キャバクラやホストクラブ、カウンセリング、占いなどではいくら知識を披露したりアドバイスしたりしても、相手は離れていきません。なぜならそれが仕事だからです。
しかし、友達や仕事などに承認してほしいという欲を向けると、相手は疲れてしまいます。
過去を引きずっている
仕事などで指導的立場にいた人が、仕事を辞めた後も、管理職気分でいるために、上から目線になってしまう、という悲劇も存在します。
どう対処したらいい?
フラットなコミュニケーションを学ぶことで、上下関係のない心地よさに気がつければ、上から目線になることはなくなるはずです。
周囲に上から目線の人がいるときの対処法
最後に、彼氏や職場の人など、周囲に上から目線の人がいて困っている、という人のために対処法を解説します。
不快に感じたら距離を置く
できるだけ距離を置きましょう。関わらないで生活できるなら、それが一番いいはずです。
口調や表現などをやさしく注意・指摘してあげる
あなたにとって、とても大切な人が無自覚に上から目線の場合、指摘してあげましょう。
イラッとしてもやり返さない。大人の対応を
上から目線でマウントを取られた際、ついマウントを取りたくなりがちです。ですが、マウント合戦は疲れてしまいますから、スルーするのが最適な場合もあります。
上から目線は無意識に習慣化しがち。今のうちに治そう
上から目線の話し方は、意識しないうちに習慣化してしまうことがあります。少しでも自覚があるのなら、今のうちから治す方法を試してみましょう。
上から目線の話し方をしている人と親しくなろうと思う人は稀です。人に恵まれた豊かな生活を送るためには、フラットなコミュニケーションを心がける必要がありそうです。





