SNSが普及し、誰もが気軽に意見を発信できるようになった昨今、誰しもがクソリプの被害者にも加害者にもなる可能性があります。
X(旧Twitter)やInstagramでこんなリプライ見たことありませんか?
だから何?
そんなんだから太るんだよ
クソリプとは、クソなリプライの略で、投稿に関係ないリプライや、不適切だったり距離感を間違えていたりするリプライ(返信)を意味するネットスラングです。
クソリプは受ける側にとって大きなストレスになりますし、気が付かずにクソリプしてしまう側になった場合、周囲の人から白い目で見られたり、信頼を失ってしまったりするリスキーな行為です。
クソリプはする人も、された人も、いいことが一つもありません。それにもかかわらず、
なぜクソリプをしてしまう人がいなくならないのでしょうか?
今回は、クソリプをしてしまう人の心理とその対処法、さらに自分がクソリプを飛ばさないための術について解説していきます。
クソリプのパターン・事例|まとめ集
一口にクソリプと言っても、さまざまなタイプのクソリプがあります。
ここではよく見られるパターンのクソリプ事例やクソリプの特徴をまとめて一覧形式でご紹介します。
自分語りのクソリプ
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という投稿に対し、
自分は2年前にちょっとかじったけど、パーソナルはもういいかな。今は断然トライアスロン。昨日もやったから全身筋肉痛🤣(泣き笑いの絵文字)
など投稿者を無視して自分語りを始めるリプライがクソリプに当たります。
上から目線のクソリプ
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という投稿に対し、
今から始めても遅いかなー。パーソナルってどこに通ってる?中途半端なとこだと逆に体に良くないし、俺が通ってるとこ紹介するわ
など、上から目線のリプライがクソリプに当たります。
距離感を間違えているクソリプ
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という知人女性の投稿に対し、
俺も同じところに通いたいから教えて!
と絡むリプライはクソリプだと言えるでしょう。
攻撃的なクソリプ
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という投稿に対し、
デブだから週8で通った方がいいよ
というのは誹謗中傷クソリプだと言えるでしょう。
冗談やいじりのつもりで滑っている
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という友達の投稿に対し、
確かに、〇〇ちゃんってライザップのビフォーみたいな体型だもんね(笑)
などのリプライがクソリプに当たります。このようなクソリプを送った人は、
もう!失礼だよ!(笑)
などのコミュニケーションを期待しているのかもしれませんが、言われた側はただ不快なだけ、というケースも多いのです。
求められていないアドバイスを繰り広げる
求められていないアドバイスをするクソリプもあります。
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という投稿に対し、
女の子なんだから、ムキムキになるとモテないぞー!パーソナルより、マシンピラティスの方がいいんじゃない?
などが典型的なクソリプになります。
個人的感情を押し付けてくる
個人的な感情を押し付けてくるパターンのクソリプもあります。
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という投稿に対し、
〇〇ちゃんはちょっとぽっちゃりしてるのが魅力!痩せるの反対!
など、
ネガティブなクソリプ
投稿者のポジティブなテンションをへし折るような、ネガティブなリプライもクソリプの一種です。
例えば、
今日からパーソナルトレーニングを始めました!
という投稿に対し、
パーソナルって高すぎるし、金をドブに捨てるようなもの
などがクソリプに該当します。
クソリプをしてしまう人の心理とは?
ところで、
なぜ人はクソリプをしてしまうのでしょうか?
ここでは、クソリプの心理的背景を考えてみましょう。
話を聞いてほしい・かまってほしい「かまってちゃん」
クソリプをする人は、「自分の意見を聞いてほしい」「注目されたい」という無意識の欲求が強い場合が多々あります。
おじさんが、若い女性、可愛い女性からの注目を集めたいと思い、無料で相手をしてもらえる手段としてクソリプを飛ばす悪質なケースもあります。
感情的になってしまった
冷静に考えればクソリプだとわかるのに、その場の感情で動いてしまった結果、クソリプを飛ばしてしまう場合もあります。
この場合、のちに冷静になって自分のしでかしたことに気がつき、削除することになります。
時代の流れについていけず、ユーモアのつもりで相手を傷つける
送り手としては「冗談」や「軽いノリ」のつもりでも、現代社会では「ハラスメント」「人権侵害」だと思われるケースもあります。
現代の人権意識にアップデートできていない、時代の流れに取り残されている人は、クソリプを飛ばしがちです。
共感力が欠けている
クソリプをしてしまう人の中には、相手の気持ちを想像したり場の空気を読んだりするスキルが不足している人もいます。
自覚がないまま相手を傷つけたり、不快にさせたりしている、クソリプをしているという意識が皆無の場合、いつまでもクソリプを繰り返し続けることになります。
クソリプはおじさんが多い?誹謗中傷の最多は50代の男性
ところで、クソリプはおじさん、つまり中年男性が多いというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
SNS上のコミュニケーションは匿名だったり、性別が不明だったりするため、クソリプの正確な男女比は分かりません。
しかし、2022年1月に弁護士ドットコムの一般会員1355人(男性792人、女性551人、その他12人)に調査を行ったところ、おじさんと言われる中年以上の男性が、ネット上で加害行為をすることが多いことが明らかになりました。(※1)
はじめに「ネット上で誹謗中傷をしたことがありますか」と聞いたところ、「ある」と回答した人は13%で約1割の人が誹謗中傷をした自覚がありました。
性別・年代別にみると、「50代男性」(24.4%)が最も高く、次いで「40代男性」(22.7%)、「30代男性」(14.2%)、「40代女性」(9.7%)、「30代女性」(8.0%)と続き、中高年男性の加害経験が高いことが明らかになったのです。
次に「投稿した誹謗中傷の内容」について聞いたところ、最も多かったのは、「容姿や性格、人格に対する悪口」(83.0%)、次いで「虚偽または真偽不明情報を流す」(17.6%)、「プライバシー情報の暴露」(16.5%)、「脅迫」(6.8%)が続きました。
※1 神戸新聞 「誹謗中傷の加害者は50代男性が最多 「正当な批判・論評だと思った」「イライラする感情の発散」」
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/omoshiro/202203/0015132768.shtml
クソリプをしてしまわないための対策
クソリプをしてしまったら、相手を不快にするだけではなく、周囲からの評判や信頼を落とすことになり、最悪の場合、解雇などにつながるケースもあります。
ここでは、クソリプをしてしまわないためにできることを確認しておきましょう。
教えようとしない
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など、
明確に教えてほしい意図がわかる投稿でなければ、「教える」リプライは避けましょう。
また、相手が自分よりも遥かにたくさんの知識を持っている可能性もあることを想像しましょう。
SNSをやめる・裏垢を削除する
クソリプをしないための最も完璧な対処法は、SNSをやめることです。複数のSNSを使っている場合は、不要なSNSアカウントを削除することを検討してみましょう。
また、サブ垢を複数持っている場合、匿名性が高いという安心感から、クソリプを飛ばしてしまいがちです。サブ垢、裏垢を削除する、というのも一案でしょう。
感情的なリプライはNG
感情的になっている自覚があるなら、しばらくリプライをせずに、三日間寝かせましょう。
冷静になってもまだ投稿するべきだと思える投稿だけをすることで、事故を防ぐことができます。
相手をおとしめるまたはイジるリプライはやめる
相手の容姿や能力、性格をイジるノリは古く、今の時代は笑えないと割り切り、そういったリプライはやめましょう。
クソリプを飛ばしてしまわないためには、SNSは公の場であることを意識して、相手を不快にさせないコミュニケーションを心がける必要があります。また、匿名であっても本名がバレても問題ない投稿を心がけましょう。
不快なクソリプを受けた場合の対処法
次に、自分がクソリプの被害者になった場合、どのような対応が良いか、を見ていきましょう。
感情的に反応せず、冷静になる
攻撃的な返信が来ても、すぐに感情的に反応せず、冷静に対応しましょう。無視することも一つの選択肢です。
ただし、クソリプが来て感情的になってしまうのは自然な反応ですから、イライラしたり、感情的になったり、無視できなかったりする自分を責めるのはやめましょう。
ミュート機能・ブロック機能を活用する
不快なリプライを繰り返す相手には、SNSのミュートやブロックの機能を活用して距離を取ることが望ましいでしょう。
第三者に相談する
悪質なリプライやハラスメント、人権侵害、誹謗中傷が行われた場合は、友人やSNS運営会社、弁護士、警察などに相談して適切な対応を求めましょう。
気持ちよいコミュニケーションのために、ネットリテラシーを身につけよう
SNSは便利なツールですが、適切に使わなければ誹謗中傷などのトラブルの原因にもなり得ます。
被害者にも加害者にもならないために、お互いを思いやる心地よいコミュニケーションを心がけましょう。