牛タンだけだと思ってた? それ、宮城に失礼かもしれません
宮城のグルメと聞いて、真っ先に思い浮かぶのは「牛タン」。もちろん間違ってはいません。ただしそれだけで終わらせるのは、あまりに表面的。
東北の玄関口として、都市も自然も豊かなこの地は、肉と魚とスイーツが全方向強いというチート級のグルメ県でもあります。実際、2万4千人以上のアンケートから浮かび上がってきたのは、牛タン以外にも「それも宮城だったの!?」という実力派グルメたちの存在でした。
今回は、宮城県出身者と宮城ファンの“偏愛グルメ”をランキング形式で徹底解剖します。
※本記事は、アイコニット・リサーチによる独自アンケートをもとに執筆しています。
(https://www.iconit.jp/iconit-research/)
宮城出身者が選んだおすすめ地元メシ!リアルご当地グルメTOP5

地元をよく知る1,242人による「本当に食べてきた味」には、観光名物とはまた違う深みがあります。王道から通好みの穴場グルメまで、バランスのいいラインナップをご覧ください。
1位:牛タン|分厚さが常識。宮城・仙台式は“焼肉”というより“儀式”(652票)
鉄板すぎて逆に新鮮な牛タンですが、仙台では「分厚く、炭火で、麦飯とセット」がデフォルト。焼肉ではなく、「定食」として確立された牛タン文化は、全国的にも異色の存在です。とろろとの相性まで計算された一皿は、まさに完成されたローカルフード。ランチに食べると贅沢で幸せな気分になります!
2位:ずんだ餅|豆の青さと甘さが共存する、やさしい甘味(332票)
枝豆をすり潰して砂糖と合わせたずんだ餡は、ほのかに青く、そしてやさしく甘い。どこか懐かしさを感じる味は、まるで「実家のおやつ」。地元では、手作りずんだ餡を家庭で仕込む文化も健在です。
2位:気仙沼のフカヒレ|高級食材を日常使いできる街の特権(322票)
中華料理の象徴的な海鮮食材であるフカヒレ。ですが、気仙沼ではなんと「地元グルメ」として定着しています。スープだけでなく、煮物やラーメンにまで登場し、「贅沢なのにどこか素朴」な存在感を放っています。
4位:笹かまぼこ|焼いてよし、チーズ入れてもよし。魚のかたちをしたオールラウンダー(315票)
仙台土産の代表選手でもある笹かまぼこ。おつまみ、軽食、おやつとシーンを問わず使える汎用性が魅力です。最近では、焼き体験やチーズ入りのアレンジも増え、“進化系かまぼこ”として注目度アップ中。
5位:金華サバ|条件つきブランドの実力、サバ界のエリートとはこのこと(295票)
石巻・金華山沖で獲れたサバの中でも、脂のり・鮮度・加工基準をクリアしたものだけが名乗れる「金華サバ」。流通量は限られているものの、その美味しさと希少性で、知る人ぞ知る「サバの最高峰」と称されています。
旅行者・宮城ファンが選ぶ!おすすめ絶品グルメTOP5

非・宮城出身者によるリアルな絶品グルメランキングも見逃せません。「外からの宮城グルメ観」は、地元民とはまたちょっと違ったセレクトになっています。
1位:牛タン|宮城グルメ界のキング。厚切りで語る正義(17,593票)
ダントツの1位は牛タン。全国「仙台に行ったらまずこれ」ランキングを塗り替え続ける鉄板メニューです。とろろ・麦飯・テールスープまで含めてひとつのセットとして愛されている点が、他県の焼肉文化とは一線を画します。
2位:ずんだ餅|SNSでも人気上昇中。素朴な甘さに沼る人、続出(8,293票)
見た目のかわいさ、ほんのりクセになる味わい、そして「和スイーツ」としての独自性。「お取り寄せしてでも食べたい」派も増加中のようです。冷凍やアレンジ商品も充実し、人気の広がりに拍車がかかっています。
3位:笹かまぼこ|ただの宮城お土産で終わらせない、旅先の発見系グルメ(7,495票)
買って食べて、予想を裏切る美味しさに感動。そんな体験をした人が多かった笹かまぼこ。最近は焼きたて体験も人気で行列なのだとか。旅行中にもう一段階楽しめる仕掛けも充実しています。
4位:萩の月|王道グルメだけど、冷やして食べるとレベルが違う(6,272票)
ふわふわスポンジ×とろけるカスタードの組み合わせで、お土産スイーツ界では知らない人がいないレベルで有名です。その一方で「冷蔵庫で冷やすとより美味しい」という県民の裏技があるあたりに、長年の付き合いを感じます。
5位:仙台牛|A5ランクの中でも最優だけが名乗れる、和牛界の名門(4,449票)
「仙台牛」と名乗れるのは、A5またはB5という最上級格付けを受けたものだけ。いわば「全教科オール5の成績優秀者しか卒業できない高校」レベルの厳しさ。その分、肉質・脂・旨味は非の打ちどころなし。特別な日に食べたいご褒美グルメです。
編集部の偏愛グルメ!宮城の実力派をピックアップ
ランキングには惜しくも届かなかったけれど、編集部的には「知ってほしい」食べ物がこちら。
仙台冷麺
盛岡冷麺と混同されがちですが、仙台冷麺はまた違った魅力を持つ存在です。麺はやや細く、コシがありながらも喉ごしは軽やか。特徴的なのは、ピリッと辛みの効いたスープとの相性の良さ。食べ進めるごとにじんわりと汗がにじむような、絶妙な刺激がクセになります。
夏になると「あれ、食べたいかも…」と無意識に恋しくなる人が続出する、まさに季節の風物詩的グルメ。さっぱり感と食べ応えを両立させた一杯は、冷麺のイメージを更新してくれる存在かもしれません。
仙台麩
宮城県登米地方を中心に親しまれている仙台麩。お麩といえば軽くて上品な印象がありますが、この仙台麩はまったく別物。油で揚げてあるため、見た目にも存在感があり、ひとくち含めばその重厚感に驚かされます。
煮物に使えばスープをぐいぐい吸い込み、まるで肉のようなボリューム感を発揮。食卓での主役級の働きぶりは、お麩のイメージを塗り替えてくれるはずです。見た目は地味でも、味は確実に記憶に残る地元の名脇役。料理好きの間で再評価されている理由がよく分かります。
塩竈(しおがま)の塩辛
塩竈といえば魚介の町。そのなかでも、発酵の力を存分に味わえるのが塩竈の塩辛です。イカの身を塩と内臓でじっくり漬け込んだこの一品は、旨味がギュッと凝縮された大人のための珍味。ひと口でクセが強いと感じるかもしれませんが、そこから抜け出せなくなる人も少なくありません。
冷酒や熱燗との相性は言わずもがな。しみじみとした余韻が残る塩辛は、単なる保存食というよりも、塩竈の気候や文化が詰まった土地の味。じっくりと味わいたい、通好みの逸品です。
仙台ホルモン
「仙台=牛タン」だけじゃありません。もうひとつの肉文化、それが仙台ホルモン。豚のホルモンを味噌ダレで豪快に焼き上げるこの料理、実は地元焼肉屋ではかなり定番です。
歯ごたえ、脂、そしてタレの甘辛さ。すべてが絶妙なバランスで、「焼いてるそばからビールが欲しくなる」系グルメの代表格。地元民いわく、「安い・早い・うまい・白米泥棒」の四拍子が揃っているとのこと。ホルモン初心者でもハマる人、続出中です。
宮城グルメの実力に、改めて脱帽
牛タン、ずんだ、サバ、かまぼこ、フカヒレ…素材も調理法も、ジャンルも問わず、宮城はあらゆる方向でグルメ偏差値が高い県。
けれどその魅力は、単なる名物の強さではありません。家庭の中で育まれた味、地元の人のこだわり、旅先での感動。そういった語りたくなる記憶が、グルメの価値を底上げしているのだと、改めて気づかされます。
次回は、山形県。芋煮だけじゃない、山形の隠れた食の宝をご紹介します。

<調査概要>
調査方法:「QR/バーコードリーダー・アイコニット」アプリ内アンケートコーナーにて実施
調査対象者:「QR/バーコードリーダー・アイコニット」アプリユーザー
調査日:2024-06-30 00:00:00~23:59:59
有効回答者数:24,654人
※文中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならなかったり、同じパーセンテージでも見え方が異なったりする場合があります
「アイコニット・リサーチ」を、ご自身の調査にも活用してみませんか?
リサーチのご依頼やデータ利用のご相談は、アイコニット・リサーチ(https://www.iconit.jp/iconit-research/)へ。