近年、患者数が急増しているといわれる｢ストレートネック｣。

一番の原因はスマートフォンやパソコン、タブレット等の見過ぎといわれていますので、気になっている人も多いのではないでしょうか。

｢最近なんか後ろ首、肩周りが丸くなった?　もしかして猫背?｣｢太ったとかではないけど…なんか肩回りが…｣もしかしてそれ、｢ストレートネック｣かもしれません!

このストレートネック、だるさや痛みによる生活への影響はもちろんですが、見た目を老けさせている原因の一つにもなることをご存じでしょうか。

そこで今回は、ストレートネックの予防・改善エクササイズをご紹介します。
ストレートネックを解消して、スッキリ上半身を目指していきましょう♪

アドバイザー：桑山純一

健康運動指導士、パーソナルトレーナー。

●略歴
「日本を元気にしたい!」…その思い一つで、新宿にそびえる某お役所を飛び出してきた、フィットネス界の異端児。
やせたい、体を鍛えたい、健康に暮らしたい、あなたのそんな「変わりたい」を一生懸命お手伝いします。

●所持資格等
・東京大学教育学部

ストレートネックの簡単チェック

ストレートネックとは、その名のとおり、首が真っ直ぐになってしまった状態のことです。

｢首は真っ直ぐが普通じゃないの?｣と思うかもしれませんが、首の骨を横から見たとき、本来は緩やかなカーブを描いているはずなのです。

首の骨は、大きく見ると骨盤から頭までをつなぐ背骨の一部です。背骨は全部で24個の骨が積み重なった構造をしていますが、それらがS字カーブを描くことで、体の重さを上手に支えたり衝撃を和らげるクッションのような働きをしています。そのうちの上から7個が首の骨で、体の前側に凸となるカーブを描いて頭を支えています。

頭の重さは5kgほどあります。ちょうどボーリングの球と同じくらい重いのですが、首の骨が緩やかなカーブを描き、その上に頭が乗っているという本来の配列になっていれば、問題なく支えることができます。

ところが、ストレートネックの人は、頭の位置が前方に移動し、そこに向かって首の骨が真っ直ぐ並んだ状態になっているため、重い頭を常に引っ張っておかなくてはなりません。そのため、首すじから背中にかけての筋肉が一日中緊張しっぱなしとなり、肩こりや頭痛、眼精疲労といったツラい症状につながってしまいます。さらに悪化すると、手先のシビれやめまい、吐き気、不眠などを引き起こすこともありますから、とても心配ですよね…。

ここで、自分がストレートネックになっていないかを確認できるセルフチェックの方法をご紹介します。
やり方は至って簡単で、壁を背にして自然に立つだけ。このとき、

①かかと
②お尻
③肩
④頭

この4点が壁についていれば問題ないのですが、肩や頭が壁につかなったり、肩や頭をつけると顔がやや上を向いてしまう人は要注意!　ストレートネックになっているおそれがありますので、特に先ほど挙げたような症状が思い当たる人は、整形外科の受診を検討してみてください。

ストレートネックの予防・改善エクサ

前述のとおり、ストレートネックは頭の位置が前方に移動することに問題があります。

ストレートネックの一番の原因はスマートフォンやパソコン、タブレット等の見過ぎ、といわれるのはこのためです。これらの画面をずっと見ていると、頭が前に出た姿勢が長時間続くので、ストレートネックになってしまうのです。

ですから、普段からこれらを使用するときの姿勢を気をつけるだけでも、ストレートネックの予防・改善につながります。画面の位置をできるだけ顔の高さに近づけ、胸をおへそから引き離して軽くあごを引いた姿勢で見られるようにしましょう。

では最後に、タオルを使ったストレートネックの予防・改善エクササイズをご紹介します。
首まわりはとてもデリケートな部位ですので、決して無理をせず、少しずつ様子を見ながら行うようにしてください。

＜タオルエクサ1＞

(1)イスに座って姿勢を正し、タオルを首にかけて、両端を左右の手でそれぞれ持ちます
(2)タオルを斜め下方に軽く引きながら、顔を上げて天井に向けます

(3)ゆったりとした呼吸を続けながら、30秒ほどキープします
※首の後ろの少し飛び出した骨の上あたりにタオルがかかるようにします
※腕の重さでタオルを引き、頭の重さで頭を後ろに倒しておくようにしましょう
※背中が丸まったり、体が後ろに倒れないように気をつけましょう

＜タオルエクサ2＞

(1)エクサ1と同じ姿勢をとります
(2)顔を斜め上方に向けてタオルをその方向へ軽く引きながら、首を後方に軽く引きます

 (3)ゆったりとした呼吸を続けながら、30秒ほどキープします
※エクサ1と同じ点に注意しながら行いましょう

いかがでしたか?　
ストレートネックから来る肩こり・首こりは顔のむくみやたるみにつながりますし、頭と肩が前に出た猫背の姿勢はせっかくのあなたを老け見えさせてしまいます。

見た目にもいいことなしのストレートネック!　
しっかり改善＆予防して、スッキリ若見え上半身を目指しましょう。