最近ふとしたときに、眼がかすんでものが見えにくくなったり、眼に痛みを感じることありませんか?
季節の変わり目や花粉の時期に起きたり、最近では日頃から眼に違和感を覚える人が増えています。
今回はそんな眼の不調改善が期待できるおすすめのツボをご紹介します。
眼の不調の原因は「乾燥」

眼とは、まぶたや目頭などを含む「目」とは違い、こちらは「眼球」だけを指します。眼の違和感は、眼球の乾きが原因だと考えられます。
眼球は本来、薄い涙の膜に覆われて潤いがキープされています。
この涙の分泌が少なくなると膜がなくなるため、角膜や結膜などが傷つき痛みや充血などの障害に繋がります。
眼の不調をそのままにするべからず!?

眼の乾燥は分泌される涙の量が減ることが原因だとお伝えしました。
では、なぜ涙の分泌量が減るのか…。
眼のかすみや痛みなどは、少し前までは季節や空調設備による空気の乾燥や、加齢による涙の分泌量低下が原因と考えられていました。
しかし昨今、パソコンやスマートフォンの長時間使用によるまばたき回数の減少や、ストレスや睡眠不足、疲労による自律神経の乱れが原因のドライアイが、眼の乾きを加速させると考えられています。
まばたき
涙は、まばたきをすることで眼の表面にいきわたり潤いをキープさせます。
しかし、パソコンやスマートフォンの長時間使用により、無意識にまばたきの回数が減ることで、眼の表面に涙が広がらなくなり乾燥へと繋がります。
ドライアイ
涙の分泌は副交感神経によってコントロールされています。過度なストレスによって自律神経のバランスが乱れると、交感神経が優位になる状態が続きます。その結果、ドライアイを発症しやすくなります。
東洋医学で診る「眼の乾き」
涙の分泌量が低下している場合、東洋医学では肝腎陰虚によるものと考えます。
この肝腎陰虚とは、体内を巡る血と津液(水分)が不足している状態を言います。
身体の潤いをキープするのに大切な陰の物質である血と津液が不足しているため、眼が乾燥し痛みなどを引き起こす原因となっていると考えます。
治療には、目の周りにあるツボを刺激することで涙の分泌を促進。さらに津液と関連が深い腎経のツボを刺激し、津液を促進させます。
おすすめのツボ
志室(ししつ)

場所: ウエストのくびれの高さで、背骨から指4本分ほど離れたところ。
太陽(たいよう)

場所: 眉尻と目尻を結んだ線の中央からやや後ろのくぼんだところ。
晴明(せいめい)

場所: 目頭と鼻の間で、目頭から2㎜くらい鼻に近い場所。目頭の内側のやや上方にあるくぼんだところ。
魚腰(ぎょよう)

場所: 黒目の真上で眉毛の真ん中あたりにあるくぼみのところ。
参照
・東洋医学概論(医道の日本社)、
・東洋医学臨床論(医道の日本社)、
・ツボ単~経血取穴法・経血由来解説・兪穴単語帳
・日東医誌 臨床報告 帰脾湯,電気温鍼が有効であった ドライアイ,眼精疲労の 例
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/68/3/68_212/_pdf
・全日本鍼灸学会雑誌73巻2号
ドライアイが併存した片頭痛に対する鍼治療-ドライアイへの治療により良好な経過が得られた一症例-
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/73/2/73_136/_pdf/-char/ja