アルバイトや就職を機会に、これまで出会ったことのなかった「ヤバめオジサン」と遭遇した、という女性は少なくないでしょう。なぜ社会に出ると「ヤバめオジサン」に遭遇する確率がぐんと上がるかというと、社会に出たばかりの女性と、社会経験の長い男性との間には、上下関係が発生している場合が多いからです。権力差を利用したり、その権力差に無自覚に距離をつめてきたりする人は少なくありません。
今回は、これから社会に出て行く女性向けに、どういった「ヤバめオジサン」に遭遇する可能性があるか、また、遭遇した際にどのような対処法が有効か、を簡単に解説していきます。
女性によくあるのは、若いときに「ヤバめオジサン」に出会ったけれど人生経験が少ないために、そのヤバさに気が付かず不利益を被った結果、30代、40代になってから思い出し怒りをする、というケースです。
そういった悲劇を避けるために、これからどんな「ヤバめオジサン」に出会う可能性があるのか、本記事で予習して頂ければ幸いです。
「ヤバめオジサン」の種類1 権力無自覚・勘違いオジサン
世の中には二種類のオジサンがいます。ひとつは自分の権力を自覚しているオジサン、もうひとつは無自覚なオジサンです。
無自覚なオジサンは、部下の女性が毎度ランチに付き合ってくれるのは、権力を利用しているからだとは考えません。こんなにランチに一緒にいってくれるということは、自分に気があるのかも……などと考え勝ちです。
たとえばバイト先の店長が権力無自覚オジサンの場合、アルバイトの女性に、長文LINE、いわゆる「オジサン構文」で送り付けてくる可能性があります。女性は、無下にもできず、長文LINEに付き合わされる、という事態も発生しがちなのです。
年齢差や権力差を気にせず、一方的にアプローチをしてくるウザいおじさんに、一度も遭遇したことがないという女性は、一握りでしょう。プライベートの空間で勘違いオジサンに出会った場合は、即ブロックし、二度と会わなければ済む話ですが、アルバイト先、職場などで遭遇してしまった場合には、対処する必要があります。
一番効果的な方法は、そのオジサンよりも立場が上の人や、社内の相談窓口に報告することです。勘違いオジサンの食事の誘いやLINEに付き合うことは、あなたの仕事ではありません。「波風を立てないようにうまくやろう」とすると、相手がますます勘違いし、めんどうなことになります。気然とした態度で、「これは私の仕事ではない」と上層部・人事などに告げましょう。
「ヤバめオジサン」の種類2 セクハラオジサン
飲み会の席で下ネタを発したり、容姿を褒め、なめるように観察したりなど、気持ち悪い「ヤバめオジサン」に遭遇する可能性もあります。
その場合、新卒などの立場で、「それ、セクハラですよ」と指摘するのは難しいかもしれません。指摘できればベストですが、できない場合は、上層部に報告しましょう。その場であなたができる対応策としては、「笑わない」ことです。笑顔になれば、相手は受け入れられていると勘違いし、助長します。
嫌なことを言われたら「真顔」を心がけましょう。
「ヤバめオジサン」の種類3 「セクハラ前置き」オジサン
「こんなこと言っちゃうといまの時代セクハラになっちゃうかなあ」「セクハラになったら悪いんだけど」などと前置きをしたうえで、結果的にセクハラをしてくるオジサンもいます。
前置きをしたところでセクハラはセクハラですから、「セクハラオジサン」と同様の対処をしましょう。
「ヤバめオジサン」の種類4 グルーミングオジサン
グルーミングとは、子どもに対して性的搾取をもくろむ人物が、子どもに近づき、親しくなり、信用させて取り入り、結果的に性行為をする一連の行為を言います。基本的には未成年の子どもに対する性的搾取を指す言葉ですが、同様の手口は、中年が若い女性に対して行うことも可能です。
たとえば、50代の会社社長が、20歳の新卒女子社員をブラックな労働環境で働かせ、心身が疲弊した相手に近づいて労わっていると見せかけて性行為をするとします。この場合、表面上は、成人した大人同士が性行為をした、という風に受け取ることができます。しかし、内実は、権力者が、無知な相手を利用しただけかもしれないのです。
グルーミングオジサンへの対処法はひとつです。それはグルーミングオジサンの典型的な手口を知っておくことです。グルーミングオジサンによく見られる手口は、相手の才能や努力を褒め、対等な大人として語り掛ける手口です。
実際には様々な差があるにも関わらず、「対等」だと思い込ませることでグルーミングは成功します。年齢や権力に差があるのに、「この男性とは、対等に話せる」と思い始めたら、グルーミングのことを思い出しましょう。
「ヤバめオジサン」の種類5 新卒狙いオジサン
仕事ができる人に惹かれる、という女性はいつの時代も一定数存在します。そんな女性をターゲットにするのが、「新卒狙いオジサン」です。新卒にとって、実態はどうあれ、先輩だというだけである程度、仕事ができるように見えます。
仕事ができる上司だと思って付き合い始めてみて、数年後に、「いつも新卒を狙っているオジサン」だと気が付いて愕然とするパターンもあります。こういった事態を避けるために、職場の(とくに年齢差が離れた)上司と親しくなる際には十分注意が必要でしょう。
より質が悪いのが「派遣女子狙いオジサン」です。派遣社員は任期が限られているため、あとくされなく遊べると考えて近づいてくる輩もいるので気を付けましょう。
「ヤバめオジサン」の種類6 不機嫌オジサン
職場で常に不機嫌で、機嫌の悪さを隠さないことで周囲に気を使わせる……という子どものようなオジサンも世の中には存在します。
相手の不機嫌を治してあげることは不可能なので、なるべく近づかないようにしましょう。機嫌を取る必要はありません。
「ヤバめオジサン」の種類7 パワハラオジサン
怒鳴ったり、命令したり、椅子を蹴ったりなど、この時代でも堂々とパワハラしてくるオジサンは存在します。
理想的なのは、ICレコーダーなどを購入し、証拠を押さえ、上層部や労働基準監督署に訴えることです。しかし、そこまでの労力は費やせないとか、穏便にすませたいとか、狭い業界なので声を挙げることはできない、というケースもあるでしょう。
様々なケースがあるので、一概にどういった対処が正解か、はわかりません。ひとつ言えることは、ひとりで抱え込まないことです。ひとりで耐えていると、「怒鳴られるのは私が悪いんだ」「ここを辞めたら自分には行くところがないんだ」と偏った思考に陥りがちです。
視野が狭くなっていると、パワハラ環境から抜け出すことはできません。まずは、周囲の信頼できる人か、弁護士などに相談してみましょう。弁護士に知り合いがいない方は、法テラスを利用する方法もあります。
「ヤバめオジサン」の種類8 女性をモノ扱いするオジサン
男性だらけの飲み会に、「ホステス要因」で女性を呼びつけるなど、女性をモノ扱いするオジサンは絶滅していません。そういった飲み会が開催された場合、上層部に報告しましょう。
社内ではなく、取引先に女性をモノ扱いする「ヤバめオジサン」がいる場合もあります。その場合は、上司に相談するのが一番です。様々なしがらみで上層部への報告や、どこかに訴えることが不可能な場合は、せめて「その環境に慣れない」ことが大切です。自分ひとりでため込まず、信頼できる友だちに話を聞いてもらいましょう。
「ヤバめオジサン」の種類9 「女性ならではの感性」信者オジサン
女性を崇めていると見せかけて、自分と同じ人間だと思っていないオジサンも存在します。たとえば、「女性は気配りができるから素晴らしい」「女性ならではの感性を生かしてほしい」というオジサンです。こういったオジサンは、「女性は母性本能があるから、誰かのお世話をすることが好き」とか「お茶出しなどのサポート業務は女性のほうが向いている」と、心の底から信じています。
こういったナチュラルに女性を下に見ているオジサンとの接点が多くなると、女性は自信を失います。なるべく接点を避けるために、逃げましょう。
さいごに。 「ヤバめオジサン」を助長する「ヤバめオバサン」にも要注意
「ヤバめオジサン」に遭遇したさい、相談相手を間違えると、悪い方向に進んでしまいます。「ヤバめオバサン」に相談してしまったら、「それくらい笑顔で交わすのができる女」「あの人に可愛がられた方が、○○ちゃんが得だよ」など、「ヤバめオジサン」を助長するようなアドバイスをされるかもしれません。
「ヤバめオバサン」の時代は、そうしなければ生きていけなかったのかもしれませんが、いまはそんな時代ではありません。これからはあなたの時代です。あなたが心地よくいられる道を選びましょう。