推し活にハマる心理とは?女性が多い理由とメリット・デメリット

近年、「推し活」を楽しむ人が増えています。特に女性の間で推し活は広がりを見せており、単なる趣味を超えて、ライフスタイルの一部になっている人も少なくありません。

今回は、推し活にハマる心理や、女性が多い理由について解説。その心理的な魅力に加え、推しがいる人の特徴メリット・デメリットについても説明していきます。

目次

そもそも「推し活」とは?

「推し活」とは…

「推し活」とは、アイドルや俳優、作品のキャラクター、スポーツ選手など、自分の“推し”を応援し、その存在を楽しむ活動のこと。

推し活という言葉は、もとは熱狂的なアイドルのファンが、自分たちの応援する対象人物を「推し」と呼んだことから始まりました。現在では推しの対象が大きく広がり、漫画やアニメなどのキャラクターを推しと表現する人も多く見られます。

ライブや舞台に行ったり、SNSで対象の情報を収集したり、グッズを集めたり、ファンアートを作成したりなど、さまざまな形で応援や支援を行うことが特徴です。

受け身のファンではなく、積極的に応援する姿勢から「推し」という言葉が使われるようになったのです。

推し活が広まった理由とは?「推し」とファンの距離が近くなった

近年、SNSの普及やオンラインコミュニティの発展により、一般人であるファンが簡単に情報を共有し、「推し」や「推し活仲間」と交流することが可能になりました。

これまで、一方的に「推し」が提供するコンテンツを楽しむだけだったファンたちが、「自分たちが応援していることを伝えられる」環境を手に入れられたのです。「ファンの人気度」で「推し」の立ち位置が変わったり、握手券などの収益のバックが「推し」に直接入ったりなど、「推し」に直接影響を与えられる状況がそろったため、推し活は活発化しているのです。

また、推し活をしている人同士がつながりやすくなったために、推し活でできたコミュニティが盛り上がり、さらに推し活が盛り上がる、という循環もできあがっているようです。

推し活にハマる人の心理とは?

推し活にハマる人々の心理は多岐にわたりますが、一因として以下のような要素が挙げられます。

感情の共有と絆の形成。フラットな関係が築ける

推し活は、共通の「推し」について情熱を共有できるコミュニティに所属することで、人との絆を深めることができるという点で魅力的です。

「推し」について熱く語り合える推し活仲間に出会ったら、ときめき感動などの感情を言語化し、共有することができます。大切な感情を共有することで、得難い絆が形成されることもあります。

学校や部活、職場などでは、学年や社会的地位によって上下関係が発生しがちですが、推し活の現場では、普段の社会的ステイタスは関係なく、フラットな関係を築ける点も魅力でしょう。

自己アイデンティティの構築。私らしい個性の確立

推し活を通じて、自分の趣味や好みを表現し、アイデンティティを構築することができる点も魅力です。

たとえば、いままでとくに好きなものがなく、なんとなく生きていたAさんがいたとします。Aさんはある日突然、ビジュアル系バンドにハマり、推し活を始めます。そうすると、ビジュアル系っぽいファッションを始めたり、ビジュアル系のバンドに詳しくなってライブに通ったりするようになり、それが「自分らしさ」になっていきます。

いままでは何の特徴もなかった自分が、ビジュアル系が好きな自分、として個性が確立されるのです。

さらに推し活が活発になれば、推しの応援グッズを作って推し活仲間と共有する、といったこともあるかもしれません。推し活は、アイデンティティの確立や個性の表現手段として機能することもあるのです。

推し活がストレス解消と癒しに!明日への活力を得る

推し活は、日常のストレスや孤独感から解放されるためにも役立ちます。

たとえば、2.5次元俳優の推し活をしているBさんという人がいたとします。2.5次元の舞台は、現実ではありえない美しい男性たちが、現実ではありえないキラキラした世界を演じてくれます。Bさんは舞台を観ているときだけは、仕事のストレスを感じずに済むでしょう。

舞台を観ることで現実逃避をして癒され、明日を生きる活力を得て、また現実に戻るのです。

推し活にハマる心理は?女性が多い理由

推し活に女性が多い理由はさまざま考えられますが、ここでは代表的な理由をご紹介します。

推し活は老若男女問わず行うものですが、マーケティング支援を行なうネオマーケティング社が実施した調査結果によると、推し活をしている割合も、推し活に使うお金も、男性より女性が上回っているそうです。(※1)

なぜ、女性は男性よりも推し活に夢中になるのでしょうか?

女性は一緒に楽しむカルチャーがある

「女子旅」「女子会」に代表されるように、女性は女同士で集まって様々なことをするのが好きな傾向にあります。

推し活には様々な楽しみ方がありますが、

友だちと推しのよさについて語るのが好き

推し活仲間といる時が一番楽しい

といったように、好きなものを共有し、言語化することに楽しみを見出す女性も少なくありません。

女性同士のファンは結束を強めやすいので、コミュニティの形成につながり、推し活をすることで自分の居場所が築きやすいと言えるでしょう。

感情を共有することに迷いがない

「男の子なのに泣くんじゃありません」「男のくせにめそめそするな」という言葉があるように、男性のなかには、幼い頃から感情をあらわにすることを抑圧されて育った人が少なくありません。

男性がメディアで泣いているとき、女性と同じように泣いているだけなのに、「男泣き」と表現されてきたのは、「男はやたらに泣くものではない」という社会通念があったからでしょう。それほど、男性は女性よりも感情を抑圧するように社会的なプレッシャーをかけられがちです。

とくに、男性同士のコミュニティでは、感情をさらけ出すことがタブー視される傾向にあります。

それゆえ、男性が弱みを見せたいとき、愚痴を言いたいときは、キャバクラにいったり、女ともだちに話を聞いてもらったりしがちで、男性同士で弱みを見せあうことは望まなかったりするのです。

男性のなかには、感情面のケアを女性に求める人も多いため、男性同士で様々な感情を共有しあいながら推し活を楽しむ、という文化が醸成されにくいのです。

それゆえ、男性がする推し活はひとりで行うことが多くなります。すると必然的に、感情を共有し、強固なコミュニティを築く女性の推し活と比べると、持続性が乏しくなります。

推し活業界では女性をターゲットにしたマーケティングが行われている

小劇場の芝居や、ミュージカル、スケートなどは、女性の方が鑑賞者の割合が多いことで有名です。

ここに目をつけたコンテンツの提供者は、女性客にお金を使わせるようにマーケティングを行い、2.5次元の舞台などを作りました。

2.5次元の舞台は、次にくるイケメン俳優たちを積極的に採用し、女性たちに推してもらうことで成立しています。もとから女性客が多かった分野のコンテンツ提供者が、女性により多くのお金を落としてもらうように工夫した結果が、2.5次元ブームの到来なのです。

上記の1と2で説明した理由により、もともと女性のほうが推し活に力を入れやすいことが判明しているため、女性に「推しになってもらいたい」と考えた企業やクリエイターがたくさんでてきているのもまた事実なのです。

女性が推し活をすると女性ホルモンが出る!?

推し活をすることは女性にとって様々な利点があります。

推しが活躍している場面をみたり、推しからレスをもらえたりしたら、ときめきが加速し、女性ホルモンが出る……なんて言われることもあります。実際、推し活をしているからといって、女性ホルモンが分泌されることは医学的にはありません。

ですが、幸せを感じることでセロトニンが分泌されることは十分ありえるので、推し活は、女性に幸せな瞬間を与えてくれる活動だと言えるでしょう。

ただし、推し活に夢中になってしまうことで、デメリットが発生する可能性もあります。

推しのためにお金を使いすぎてしまって、ほんらい必要だった進学や留学、資格取得などに使うお金がなくなってしまったら……将来的な幸福度は大きく下がってしまうかもしれないのです。

推し活は楽しいものですが、長期的な幸せを望むなら、一番の推しはアイドルや二次元のキャラクターではなく、自分自身であるべきでしょう。

推しがいる人の特徴とは?

次に、推し活をしている人によくみられる特徴について見ていきましょう。

情熱的なサポーター!サポートするのが好き

推し活に熱中する人々は、その対象に強い愛情を示します。

彼女たちは、SNSで「推し」の情報を発信するなど、熱心に「推し」をサポートします。自分が「推し」のコンテンツを楽しんで満足するだけではなく、なんとかして「推し」の魅力を広めたいと望みがちです。

推し活をしている人は、「応援したい」という気持ちが強い、サポーター能力の高い人なのです。

共感性とコミュニケーション能力が高い

推し活をしている人のなかには、ひとりで推している人もいますが、多くは、共通の興味や価値観を持つ仲間との交流を楽しんでいます。

彼女らは、コミュニティ内でのコミュニケーションや情報共有を通じて、絆を深めるのです。

「推しのここがよかったよね」と共感しあうことで、幸せを感じる彼女たちは、共感力とコミュニケーション能力が非常に高いと言えるでしょう。

創造力と表現力が優れている

推し活をしている人たちは、自分の感情や思いを表現するために、ファンアートファンフィクションなどの創作活動に熱心に取り組みがちです。

彼らは、自己表現創造性を発揮する場として、推し活を楽しんでいるのです。

推し活をしている人のクリエイティブ能力は、「推しグッズを作る」以外のところでも発揮されます。

たとえば、ドキュメンタリー映画『成功したオタク』は、監督(当時学生だった韓国人女性)が推していたアイドルが性犯罪に加担したことをきっかけに作成された作品です。本作品では、推し活をしていた時期の幸せな時期が描かれると同時に、「推し」が犯罪に加担した場合、ファンはどうあるべきなのかをファン同士で語り合う様子が収められています。

推し活というと、「推し」のことを無条件に全部受け入れて肯定する活動だとイメージされがちですが、実際の推し活はそうではありません。推しているからこそ、ダメなところはダメだと表明すべきだ、と考える人も存在しているのです。

推し活のメリットはたくさんある!

推し活には、心を豊かにし、日常を充実させるさまざまなメリットがあります。

推しを応援することで得られる心理的な満足感や、自分自身の成長につながる要素も多く、ライフスタイルの一部として楽しんでいる人も少なくありません。

ストレス解消。癒しを得ることができる

推し活は、日々のストレスや孤独感を和らげ、心に安らぎをもたらします。

推しの存在そのものが癒しになり、疲れたときや気分が落ち込んだときに前向きな気持ちを取り戻せるのです。

共感できるコミュニティに所属できる

同じ推しを応援する仲間と出会い、共通の情熱を持つ人々とつながることができます。

推し活を通じて築かれるコミュニティでは、推しに関する話題で盛り上がり、日常では得られない特別な共感安心感を味わえるのも魅力です。

創造性を発揮できる

推し活は、感情を表現し、創造的な活動につなげる機会にもなります。

たとえば、推しのイラストを描いたり、推しについてのエッセイやライブレポートをSNSや掲示板に投稿したりすることで、自分のアイデアを形にし、周囲から共感や賞賛を得ることもできるでしょう。

自分磨きもできる。外見も内面も美しさUP

「推し」との接触イベントが発生したら、「推し」に見られても恥ずかしくない自分でいたいと思うようになります。そのため、おしゃれや美容をがんばり、美しくなることができるのです。

また、「推し」は内面にも影響を及ぼします。

たとえば、これまではポイ捨てなどをしていた人でも、この姿を「推し」に見られたら恥ずかしい、と感じ考えを改める可能性があります。

「推し」にふさわしい自分になりたいという気持ちは、自分磨きのモチベーションを飛躍的に高めてくれるのです。

推し活のデメリットは「推し疲れ」?

推し活には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。

推しに夢中になるあまり、精神的・金銭的な負担が大きくなり、いわゆる「推し疲れ」を感じてしまうこともあるのです。

過剰に依存をしてしまい、精神的・金銭的にダメージを負う

推し活に熱中しすぎることで、社会生活に支障を生じる可能性があります。仕事や勉強を後回しにして推し活にお金を使いすぎると、留年したり借金したり、といった現実的な悪影響が発生するケースもあるのです。

近年問題になっているのは、ホストやコンセプト・カフェで「推し」ができた結果、高額なボトルを入れるように促され、仕事を辞めてまで体を売るように誘導される、というケースです。

また、「推し」にガチ恋をしていた場合、熱愛報道が出た際などに、精神的なダメージを負うことになります。過剰な依存をしてしまうと、現実の社会生活に悪影響が出る可能性があるので注意しましょう。

情報過多により、ストレスやプレッシャーを感じる

推し活は情報収集やファン同士の交流が活発なため、情報過多によるストレスを感じることもあります。

「推しに関するすべての情報を追わなければ」「推しの出演するイベントに全部行かなければ」と考えるようになると、推し活が義務のようになり、心の余裕を失ってしまうことに。

SNSの普及により、推し活はますます情報のスピードが速くなっています。

情報を追い続けることに疲れたり、ファン同士の意見の違いでトラブルが発生することもあり、推し活がストレスの原因になるケースも少なくありません。

さいごに。推し活は楽しい。でも、依存しすぎはハイリスク!

推し活にはストレス解消や癒し、絆の形成など、様々なメリットがあります。「推し」が生きがいになっているという人もいらっしゃるでしょう。推し活をすることで、生きる気力がチャージされて前向きになれたり、創造性を発揮できたりすることは、とてもいいことです。

しかし、依存してしまったら、経済的負担情報過多によるストレスなどのデメリットも発生します。

推しのサイン入りチェキやグッズを買うために散財してしまって、本来行きたかった海外留学の資金がなくなってしまった……と気づいても、後の祭りですから、推し活を楽しむ際は、依存しすぎないように意識しておくことが大切でしょう。

※1
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000343.000003149.html

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この記事を書いた人

編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、執筆・連載中。視界が開けるような記事を発信していきたいです。

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