婚活市場では、「高望みしすぎると結婚できない」「アラサーだから理想を下げないと相手が見つからないよ」「アラフォーなんだから選り好みしている場合では…」といった声を耳にすることがあります。
特に、ハイスペックな男性を求める女性に対しては、

身の程知らずで現実が見えていない



自分のスペックを棚にあげて、ハイスペ男子を狙うのはイタイ
といった厳しい意見が投げかけられることも少なくありません。
ですが、私はあえて言いたいと思います。
「理想が高くて何が悪い」と。
ただし、「幸せになれる高望みもあれば、不幸になる高望みもある」とも思います。
非現実的な理想を追い求めるだけでは、婚活が長引き、疲れ果ててしまうことも。
では、どのような高望みなら、婚活を成功へと導くのか?本記事では、婚活における高望みについて解説していきます。
結婚は「しなければならないもの」ではなく、「選択するもの」


2024年初頭、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』で、結婚相談所を舞台にした婚活のリアルが放送され、大きな話題となりました。SNSでも話題になっていたので、コメントを見かけた方もいるでしょう。
番組では、結婚を真剣に考える男女が、理想の相手に出会うために家事スキルを磨いたり、自分をより魅力的に見せるために整形をしたりと、たゆまぬ努力を続ける姿が描かれていました。
しかし、時間やお金を惜しまず婚活に打ち込んでも、必ずしも思い通りの結果が得られるわけではありませんでした。
かつては「皆婚時代」と呼ばれ、結婚するのが当たり前の社会でした。25歳を過ぎて独身、または婚約していない女性は”売れ残りおばさん”なんて、ひどい言葉を投げかけられるような時代でした。
2017年に結婚情報誌『ゼクシィ』のキャッチコピー「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです。」が話題になりました。まさに今、結婚は「しなければならないもの」ではなく、「選択するもの」になっています。
ライフスタイルが多様化するなかで、「結婚しなくても幸せになれる」という考え方が浸透しつつあるのです。
婚活における女性の高望みは、本当に悪いことなのか?


婚活における「高望み」は本当に「悪」なのでしょうか?
確かに、現実を無視した夢物語のような婚活では、いつまでも成婚には届かないでしょう。しかし、だからといって妥協ばかりしていては、結婚後に「やっぱり合わなかった」と後悔することにもなりかねません。
「結婚はガチャ」という言葉があります。結婚後に、



実はモラハラ男だった



妥協して結婚したけれど、価値観の違いがどうしても受け入れられなかった
など、思い描いていた結婚生活とは程遠い現実に直面し、後悔する人も少なくありません。
こうした“ハズレ”を引かないために、婚活で慎重になり、理想の条件を厳しくするのは自然な流れといえるでしょう。
結婚は人生の大きな決断だからこそ、「妥協しすぎて後悔するくらいなら、多少高望みしても自分に合った相手を選びたい」と考えるのは、決して悪いことではないのです。
問題は、どこまでの「高望み」が許容されるのか。つまり、「幸せになれる高望み」と「不幸を招く高望み」の違いを正しく見極めることが大事です。
婚活は、高望みすべきだと思う理由
ここからは、私が「婚活は高望みすべき」と思う理由を解説します。
婚活で妥協するのは相手に失礼
高望みすべき理由、それは、「妥協して結婚相手を選ぶのは相手に失礼」だからです。
自分に理想の条件があるのに、「理想には手がとどかなそうだから、レベルは落ちるけど彼で我慢しよう」なんて、相手の男性をなんだと思っているのでしょうか。
本当に「無理め」なら、いずれ気がつく
そもそも、理想を追いかけてみなければ、それが自分にとって本当に高望みなのかどうかは、知ることができません。
イケメンで優しくて高収入かつ高学歴で背が高くて、という相手を狙って、ことごとく玉砕したら、そこで初めて「高望みしていた」と気がつくことができるでしょう。
本当に無理な相手を狙っていたら、遅かれ早かれ本人は気がつきます。気がつくためにも、まずはマックスの理想を抱くべきなのです。
理想通りの結婚でなければ独身、という選択もある



高望みをし続けても、理想通りの人は現れない。そうなると一生独身ということになる
と脅してくる人もいます。この脅しにびびって理想を下げて妥協して結婚した先には、妥協した相手との妥協した生活が待っています。
そうなるよりは、ひとりで気ままに暮らす方がいくらか幸せというものでしょう。
なぜ?一部の女性が現実味のない高望みをしてしまう理由


高望みとは、パートナーに対して非常に高い条件を設定し、それが現実的でない場合を指します。ここでは、なぜ人々が婚活で高望みをしてしまうのか、その理由について探ります。
周囲からのプレッシャーや見栄
家族や友人からの影響が原因で高望みになってしまう場合もあります。
両親が、娘や息子をかわいがるあまり、「あなたにはもっと良い人がいるはず」と焚きつけるケースもあるのです。
また、友人からうらやましいと思われたいという気持ちから、自慢できるような容姿、年収、社会的地位の相手を狙っているうちに、非現実的な相手を追いかけるケースもあるようです。
メディアやSNSが婚活高望みを助長する
映画やドラマ、アニメなどのメディアは、理想的なパートナー像を繰り返し描き、視聴者に見せつけます。
容姿端麗な若者、高収入のエリート、ハイスペックなイケメンでカッコいい見た目、やさしくて献身的で笑顔を絶やさない家庭的なパートナー……そういった相手と恋に落ちて暖かい結婚生活を送ることが幸せというものである、と繰り返し訴えてきました。
好きな相手と恋愛し、結婚し、子どもを育てることが望ましい、といった考え方は、ロマンチック・ラブ・イデオロギーと言われるものであり、明治以降に普及したイデオロギーです。
それ以前は恋愛と結婚は別物だと考えられていました。メディアはこのロマンチック・ラブ・イデオロギーの普及を熱心に行ったため、「素敵な人と恋愛結婚しなければ」というプレッシャーを人々は感じるようになっていったのです。
SNSの普及も婚活疲れを加速させています。SNSは、自分で切り取った日常をインターネット上にアップすることができます。
当然、汚いところやみじめなところを切り取って投稿することは稀であり、SNS上にはキラキラした日常が溢れることになります。そういったキラキラした日常を日々目にすることで、



友人はあんな素敵な人と結婚して幸せになっているんだから、私も同じくらいの幸せが手に入るはず
と思ってしまいがちなのです。
婚活市場に対し、誤った認識を持っている
婚活市場に対し、誤った認識を持っているために、高望みしてしまうケースもあります。
たとえば、近年、芸能界では10歳、20歳といった歳の差結婚は珍しくありません。男性が年上のケースが多いのですが、女性が年上のケースも。そのため、年齢が離れた相手も結婚相手になりうるだろう、と考える人がいます。
しかし実際は、統計上、1~3歳差、または同い年のカップルが多数派であり、年の差結婚はレアケースです。
こういった現実の婚活市場を認識していないと、自分より10歳、20歳年下の相手にアプローチし続けて、玉砕し続けることになりかねないのです。
過去の成功体験を引きずる
過去の恋愛体験や成功体験があると、それが最低基準になってしまうことがあります。
「前のパートナーが、高収入で、優しく、家事も完ぺきな人だったから、次も同じか、それ以上を見つけなければならない」というわけです。
過去の栄光は過去の栄光であり、奇跡だったかもしれません。また、恋愛や不倫だからその人のパートナーになれたのであって、結婚となれば話は違ったのかもしません。
それにも関わらず、過去の恋愛相手を基準に結婚相手を見極めようとすると、高望みになってしまうでしょう。
婚活を通して将来に対する不安が高望みにつながる


婚活で高望みしてしまう人は、結婚という制度自体に非現実的な望みを抱いている場合がほとんどです。
結婚したら、いまの不安定な生活から抜け出せるとか、結婚相手が現れたら孤独は消えるとか、一生安泰だとか、過度な期待を抱いているために、一発逆転できるような相手を狙ってしまうのです。
”非現実的”な婚活高望み女性に多い特徴・よくある勘違い発言
婚活は高望みすべき、とこれまで述べてきましたが、「現実逃避して夢を追え」と言いたいわけではありません。
しっかりと目を開いて、現実を見つつも自分にとっての最高を目指すべき、と言いたいのです。
ここでは、婚活で高望みしていると言われる女性が、勘違いしていることをご紹介します。
結婚相談所に登録したりお見合いをしたり婚活を頑張っても、勘違いしたまま高望みをしていると、苦戦続きの婚活になる可能性は高いでしょう。
男性は女性の収入や学歴は気にしないでしょ?


高学歴・高収入男性を狙う女性の中には、「男性は女性の収入や学歴は気にしていないでしょ」という人がいます。医師や弁護士、経営者、商社マン、パイロットなど、高給なイメージのある職業の男性は婚活市場においてもかなり人気です。
ですが、現代ではその限りではありません。
これまでの上昇婚(男性の方が学歴も収入も上という結婚)ではなく、同類婚(学歴・収入などが同程度の相手との結婚)を望む男性も増加しています。
高学歴・高収入の男性と出会い、結婚したいなら、もっとも簡単な方法は自分も同レベルの学歴・収入を手に入れることなのです。
自慢できるようなハイスペ男と結婚したら幸せになれるはず
こじらせた婚活女性の中には、自分の幸せより、「他人にどう思われるか」を重視している人もいます。



ハイスペックな男性と結婚したら、友人からうらやましがられるはず
という動機で結婚したら、その先数十年間、もやもやした気持ちで暮らすことになりかねません。
私は自分に自信があるからハイスペ男を狙ってるだけ
「私は自分に自信があるから、レベルの高い男性を狙っているだけ」という女性がいます。
実際に自分に自信があるために同レベルの男性を狙っている女性もいますが、「実は自分に自信がないから」ハイスペ男性を狙っているだけの場合もあります。
たとえば、「年収1千万以上の男性と結婚したい」という女性がいたとします。その女性が年収1千万なら、「自分と同じ収入の人がいい」というのは理解できることです。彼女が年収300万円の場合、なぜその女性は自分で年収1千万円稼ごうとせずに、1千万円稼ぐ男性を手に入れようとしているのでしょうか?
それは、「自分では年収1千万円稼ぐのは不可能」と思い込んでいるからかもしれません。その場合、自己評価が低い(自信がない)から高収入の男性を狙っている、ということになります。
婚活に“白馬の王子様”を求めすぎている


婚活では、多くの独身男女が結婚を目的に出会いを求めます。そのため、「選ぶ・選ばれる」という意識が強くなりがち。
婚活女性の中には、まるで白馬の王子様が迎えに来るような、運命的な恋愛を期待してしまう人もいます。



好きになった人が、たまたまハイスペだったらいいな



婚活って、好きな人と自然に結ばれるものじゃないの?
このように、婚活をあくまで“恋愛”の延長として捉えている人も。
現実逃避して夢ばかりを追っていては、せっかくの出会いのチャンスをものにできません。
「好きになれる人がいない」と嘆く前に、自分が求めているのは“恋愛のドキドキ”なのか、それとも“結婚に向いたパートナー”なのかを整理してみましょう。
夢見るだけでなく、現実的な一歩を踏み出してこそ、本当の“運命の人”に巡り会えるのかもしれません。
「普通の男性でいい」の“普通”が、実は普通じゃない?


高望み女性の中には、「自分が高望みをしていると気がついてない人」もいます。
「特別なハイスペ男子じゃなくて、普通の男性でいい」と言う女性は多いですが、その「普通」が実は“普通”ではないことに気づいていないケースも少なくありません。
以前、アーティストの星野源さんがネット上で「普通の男性」の例として挙げられ、大きな話題になりました。「特別なイケメンではないけれど、優しくて親しみやすく、女性にも好かれるタイプ」という意味合いで使われたようですが、実際には星野源さんは人気アーティストであり、高収入で才能にあふれた人物。
たとえば、「フツメンで優しくて、年収700万円くらいで、話が合う人」といった条件を“普通”と考える女性もいます。しかし、30代前半の独身男性で年収700万円以上の割合はごくわずか。さらに性格や価値観まで求めれば、その確率はさらに低くなります。
理想を持つことは大切ですが、「普通と思っていた基準が、実はハイスペックでは?」と一度考えてみることで、婚活の視点が変わるかもしれません。
【診断基準】どこから高望み?「幸せになれるパターン」と「幸せになれないパターン」
これまで、高望みはOK、でも幸せになれない高望みもある、と述べてきました。ここで、幸せな結婚ができる高望みとできない高望みの違いについてみていきましょう。
婚活における高望み。これはNG!
- 見栄のため、友達に自慢したいため
- 自分のコンプレックスを補うため
- 人生の一発逆転を狙う
などの理由からの高望みはNGです。
なぜなら、相手のことを利用しようとしているからです。
相手のことを大切に思えないような高望みしながらの婚活では、幸せな結婚には結びつきませんし、悲しい末路を迎える可能性もあるでしょう。
こんな高望みならOK!
- 自分もハイスペ(世間的にハイスペと呼ばれる男性と結婚したい。なぜなら自分も同じくらいのスペックだから)
- 理想の相手と巡り会えないなら一生独身でもOK
- 自分にも提供できるバリューがある
- 「幸せにしてあげたい」と思えるぴったりくる相手と出会いたい
こういった高望みであれば、相手を見つけるのに時間がかかったとしても、幸せな結婚ができる可能性は少なくありません。
相手を自己実現のために利用するのではなく、「理想の相手と、お互いが幸せになれる関係を作りたい」という高望みなら、下手に妥協した相手と急いで結婚するよりも、その後の人生を後悔なく過ごせる可能性が高いと言えるでしょう。
「幸せにしてあげたい」と感じる人との結婚を目指す
結婚は、誰のためにするものでしょうか?
それは自分が幸せになるためです。では、どうすれば幸せを感じられる結婚ができるでしょうか。
妥協して愛せない相手と結婚するより、高望みして愛せる相手を追い求めることの方が、幸せになれる確率は上がります。
「あなたがいい」と思える相手と出会えるように、理想を高く掲げましょう。