噂話は好きですか?
職場の人事や不倫の話、芸能人のスキャンダル、噂話は、いつの世も人気です。ゴシップや噂好きな人たちを「下世話だな」と見下しながらも、なんとなく芸能人の不倫記事をクリックしてしまう人も少なくないでしょう。
指先一つでいくらでもゴシップを見られてしまう時代ですから、積極的に噂話に加担しようと思わなくても、いつの間にか大切な時間を噂話のチェックに使ってしまうケースは多々あります。
今回は、なぜ人はゴシップや噂話に惹きつけられてしまうのか、そういった話題に時間を費やすことでどういった結果がもたらされるのか、どうすれば逃れられるのか、について解説していきます。
「ゴシップに関わりたくないのに、なぜか記事をクリックしてしまう」「周囲に噂好きな人がいて困っている」という方は、本記事を参考にしてみてください。
どんな特徴がある?ゴシップ・噂好きな人の心理
まずはゴシップや噂好きな人の心理について確認しましょう。人がゴシップに惹きつけられるのはさまざまな理由があります。
現実逃避

噂話やゴシップは、詰まるところ、他人の話です。他人の失敗や恥ずかしい出来事にフォーカスしている間は、自分の問題を忘れることができます。
下方比較を行い、自分の幸せを噛み締める
インスタグラムなどで華やかな暮らしをしている人の投稿を見て、自分の暮らしと比較し、

いいな。それに比べて私の暮らしは冴えないなあ
と思うことを上方比較と言います。
一方、スキャンダルで落ち目になっている人を見て、「大変だな(笑)」と高みの見物をすることを下方比較と言います。
秘密を共有し、親密さを醸し出す
社内のゴシップを話すことで、親密さが作られる場合もあります。「Aさんにだけ話すんだけどね」など秘密の共有をすることで、親密さが増します。
ただし、ここで作られる親密さは、真の信頼に基づいたものではないため、脆いのも事実です。
意図的に作り出されたSNS依存


有名人のゴシップを見るなんて時間の無駄だと思っているのに、
なぜかスクロールする手が止められない
という人もいます。
IT業界ではスティッキネス(粘着性)とリテンション(サービス解約を防ぐこと)という言葉が開発現場で使われており、その数値を改善する努力が日々行われています。
例えば、Xでは、スクロールすることで新しい投稿を見ることができる無限スクロール機能が実装されています。無限スクロール機能の効果は絶大で、多くのSNS依存者を生み出したため、開発者のアザ・ラスキンは、



開発したことを後悔している
と述べたほどです。
特段、噂話やゴシップが好きではないはずなのに、なぜか見続けてしまう人がいるのは、SNSのアルゴリズムの罠にかかっているからなのかもしれません。
ヘイトウォッチングで優越感や他者との繋がりを感じる
ゴシップに惹きつけられる心理の中でも特に注目すべきは「ヘイトウォッチング」という現象です。
ヘイトウォッチングとは、嫌いな人や蔑んでいる人、反感を持つ対象を、憎しみ(ヘイト)を抱きながらも執拗に観察し続ける行動を指します。
「ウォッチャー」や「アンチ」を自認する人々が特定の人や界隈の投稿を常に監視し、批判の材料を探し続ける様子は、ヘイトウォッチングの典型例だと言えるでしょう。
なぜ嫌いな対象に時間とエネルギーを費やすのでしょうか?
それは、相手の失敗や不幸を目撃することで得られる優越感が、一種の報酬として機能するからです。また、共通の敵を持つことで、同じ感情を持つ他者とのつながりを感じられるというメリットもあります。
しかし、ヘイトウォッチングには危険な側面があります。


ゴシップ・噂好きな人を気持ち悪いと感じる理由3選
「噂話やゴシップが好きな人って素敵」と思う人はあまりいません。なぜゴシップ好きの人は気持ち悪いと思われたり、見下されたりするのでしょうか?
ここでは、ゴシップ好きな人を気持ち悪いと感じがちな理由を解説していきます。
自分の人生から逃げている


ゴシップに熱中する人の言動には一種の「空虚さ」が漂います。
自分自身の人生や成長に向き合うのではなく、他者の裏話に執着する様子は、内面的な充実の欠如を映し出しているように感じられるのです。
この空虚さが、私たちに「気持ち悪さ」として伝わってくるのかもしれません。
自分に害が及ぶ可能性がある
ゴシップ好きな人と接していると、



この人は私のプライベートな話も他の人に話しているのかも
と感じがちです。
自分に害が及ぶことを想像し、嫌な気分になるケースもあります。
共感能力が低い


通常、他者が失敗したり、恥ずかしい状態になっていたりする場合、人は同情するものです。
同情や共感を示さず、噂のネタにしている人々は、しばしば共感能力が低いと思われがちです。
その「人として持つべき共感力がない」様子が気持ち悪いと思われるのです。
ゴシップ・噂好きな人の「末路」とは
ゴシップや噂話が好きな人の末路は、結局どんなものになるのでしょうか?
ゴシップに没頭する生き方は、長期的に見た場合、様々な悪影響をもたらします。
人として信頼されない
最も大きなデメリットは、人として信頼されないということでしょう。
噂を流す人や広める人は次第に周囲から距離を置かれ、「あの人には何も言えない」というレッテルを貼られます。
孤立する
人として信頼されないゆえに、孤立し、孤独になる可能性もあります。
時間を搾取され、可能性を潰される


現在は、注目が金になる時代です。たとえば、SNSに長期間滞在してゴシップを見続ければ、それだけ多くの広告を目にすることになり、プラットフォームは儲かります。
本人は無料で情報にアクセスしているつもりでも、実はその注目が金に変えられているのです。
そういったSNSを見る時間がなければ、キャリアアップのために勉強したり、趣味の創作活動に勤しんだり、親しい友だちと親密な時間を過ごせたかもしれません。


ゴシップ・噂好きを止めるには?


では、どうすればゴシップや噂好きを止めることができるのでしょうか?
人生には、他人のゴシップや噂以上に面白いことがたくさんあります。ゴシップ好きの人は、それに気が付かず、時間を浪費しているのです。
たとえば、編み物を始めてみる、と決めるとします。
最初は小さなニットハンカチを作ってみると、次は帽子を作りたくなるかもしれません。新しい編み方に挑戦してみたり、セーターなどの大物にチャレンジしてみたり、野望は次から次に湧いてくるでしょう。手芸店にも詳しくなり、「今日、目当ての毛糸がバーゲンセールになる」という情報が入ってきた場合、仕事終わりに手芸店に行くのが楽しみで仕方なくなるはずです。
定時を迎え、席を立とうとした時、



ねえ、ねえ、知ってる。経理の遠藤さんがさ、実は課長と不倫…
と声をかけられたとします。あなたは心底どうでもいいと感じ、



私、今日は予定があるんで帰ります!
と席を立つでしょう。
ハマれる趣味を見つけるためにはトライ&エラーが必要です。時間はかかるかもしれませんが、「自分にとって大切なものを見つけよう」と決め、自分の人生を生き始めれば、他人のゴシップに貴重な時間を使うのがバカらしくなるでしょう。
撃退したい!職場にいる噂好きな人の対処法
最後に、職場でゴシップ好きな人がいて困っている、という人のために撃退法を紹介しておきます。
噂話の対象ではなく、相手に焦点を当てる


噂話をされたら「○○さんはそういうこと気にするタイプだったんだ」と、話し手自身に焦点を当てましょう。これをされると、噂好きな人は、居心地悪く感じるでしょう。
なぜなら、自分から逃げるために噂話をしているのに、自分の焦点を当てられてしまっては、逃げ場がなくなるからです。これにより、あなたは噂話をする相手として相応しくないとみなされるでしょう。
ネタを提供しない
個人的な情報を共有せず、ビジネスライクに接しましょう。
一線を引いて接することで、ゴシップのネタを提供せずに済みます。
話題を変える
相手がゴシップを話し出したら、「そういえば、あの案件どうなった?」と仕事の話に変えましょう。これを繰り返すことで、「この人に噂話をしても盛り上がらない」と思わせることができます。
基本的に、ゴシップ好きな人は、ゴシップで盛り上がりたいと思っているので、話にノッてこない人を話し相手に選びません。
噂話に興味はない、と示し続けることで、相手を遠ざけることができるでしょう。
まとめ。ゴシップ・噂好きな人と関わるのは、百害あって一利なし
噂好き、ゴシップ好きな人は尊敬も信頼もされません。人の噂話をしている時間は本来、もっと楽しいこと、やりたかったことに使えた時間です。
充実した人生を生きるために、噂やゴシップとはできるだけ距離を置いた方がいいでしょう。

