意地悪で疲れる…モラハラ彼氏の特徴とあるある例、診断方法、対処法

意地悪な彼氏のいじりがきつくて傷つく

彼氏がモラハラっぽい…

恋人に無視されたり舌打ちされる

そんな彼氏のことを「ちょっと毒舌で意地悪なだけ・亭主関白なだけ」と思っていませんか? 

いや、もしかしたら彼は、ただのモラハラ男なのかもしれません。

モラハラは直接的な暴力であるDVとは違って目に見えづらいものです。
それゆえ、被害に気がつくことが遅れがちです。

今回は、疲れるほど意地悪な彼氏が、モラハラ男か見極める方法と対処法をご紹介していきます。

(モラハラは同性間や配偶者間、女性から男性に対しても行われますが、本記事では、彼氏からのケースに焦点を絞って話を進めます)

目次

そもそもモラハラとは?DVとはどう違うの?

モラハラとは?

モラハラとは、「モラル・ハラスメント(Moral Harassment)」の略で、精神的な暴力のこと。言葉や態度を通じて相手を傷つけたり、心理的に追い詰めたりすることを目的としています。

具体的には、相手を否定したり、小さなミスを執拗に責めたりして、心理的に追い詰める行為が当てはまります。

モラハラは、身体的な暴力とは異なり目に見えないため、周りからは気づかれにくく、被害者自身も「これってモラハラ?」と気づきにくいのが特徴です。

精神的DVとの違い

モラハラと精神的DVは似ていますが、加害者の意識に違いがあります。
精神的DVを行う人は、自分の言動が相手を傷つけていることを理解しながら、意図的に行動するケースが多いです。

一方、モラハラをする人は、自分が正しいと思い込んでいるため、相手を傷つけていることに気づいていない場合がほとんど。

たとえば、「お前のために言っている」と言いながら、実際には相手の自由や自尊心を奪ってしまっていることがあります。

モラハラは、職場や親子間などさまざまな人間関係でも起こりますが、恋人間では特に問題が見えにくく、対処が難しいと言われています。

恋人・パートナーからのDV被害については、以下の記事でも解説しています。

どうしてわかりにくいの?モラハラへの対処が難しい理由

モラハラ加害者は、自分の言動が正しいと思っている、つまり自分が相手を傷つけていると認識していないため、問題を指摘しても理解されにくい傾向があります。

たとえば、「そんなつもりじゃない」「君が悪いから注意しただけ」と言われることで、被害者は「自分が悪いのかも」と自己否定に陥ることがあります。

この認識の違いが、モラハラへの対処を難しくしている大きな要因といえます。

【モラハラ彼氏の特徴】意地悪な発言・行為あるある事例

モラハラ彼氏には、下記のような特徴が見られます。

意地悪な言葉、または態度で嫌がらせをする

モラハラの典型的な例としては、相手を軽んじる発言無視過度な批判コントロールしようとする言動などが挙げられます。
暴言を吐いて、相手を痛めつける行為は明らかにモラハラです。

また、言葉以外にも、無視、ため息、など態度で嫌がらせをする場合もあります。

彼氏のモラハラ発言・行為あるある事例

  • 半笑いしながら、「デブだよね・太ったよね」「もうおばさんだね」と容姿や属性をディスる
  • 「お前、なんもできないんだな」「〇〇ってバカなの?」といった見下した発言が口癖
  • 風邪でデートをキャンセルすることになって連絡したら、「体調管理もできないのか」と怒られる
  • 仕事の愚痴を言ったら、「たいした仕事じゃないんだから、辞めたら?」と言われる
  • 無視や大きなため息、不機嫌さを見せつけ椅子を蹴るなど、間接的にビビらせる など

直接的な暴力行為ではない証拠が残りにくい

モラハラとDVの違いは、直接的な暴力をふるうかどうかです。

DVは体への暴力、モラハラは精神への暴力です。

モラハラによってできる心の傷は、目に見えないため、被害を証明したり訴えたりすることがDVに比べると難しい、という特徴もあります。

ですから、モラハラ被害にあっているという自覚が芽生えたら、モラハラ言動をICレコーダーなどで録音する、日記につけるなどし、証拠を残しておく必要があるのです。

意地悪・ハラスメントはクローズドな場所で行われがち

モラハラは、職場の同僚や上司などによって行われることもありますが、多くは、配偶者や恋人から行われます。

親しいふたりの間の密室での行為になりがちなので、こういった点からも周囲が被害に気づきにくい、という構造があります。
被害が周囲に伝わりにくいため、気がつかないうちに重大な被害に発展してしまっていた、ということにもなる恐れもあります。

外面・人当たりがいい場合も多い

恐ろしいことに、モラハラ被害は、付き合っているうちは気がつかないというケースも多いのです。

なぜなら、モラハラ被害は、結婚した直後や、妊娠が発覚した直後などにはじまることも多いからです。
「もう逃げられない」という状態に追い込んでから、初めて本性を出す人も少なくありません。

モラハラの加害者は、外面が良いことも多く、モラハラ被害にあった人も、「すごいいい彼氏・夫だよね」「優しい人だよね」と周囲から言われることも多いため、

「彼はいい人なんだ。彼をイライラさせる私が悪いんだ」

「ちょっとからかっているだけなんだから、こんなことで傷つく私がおかしいのかな」

と、なかなか自分が被害者になっているという事実に気がつかないのです。

彼氏からの被害の実態に周囲は気がつきにくい

DVであれば、友人・知人が傷などを見て、もしかしてと場合もあるでしょう。

ですが、先ほどもお話したようにモラハラの場合、心はボロボロでも体は健康そうに見えるので、被害にあっていることを周囲はなかなか気が付けません。

また、加害者・被害者ともに自覚がない場合も多々あります。

意地悪で疲れる…モラハラっぽい彼氏の心理。愛情表現?支配欲求?

なぜ、恋愛感情で結ばれているはずの彼女に、モラハラをする男性がいるのでしょうか?

モラハラ彼氏が「彼女が傷ついていると知っているのに、意地悪をやめない」のは、彼女を愛しているのではなく、自分が上の立場に立つことで得られる何かのためです。

彼氏は、本当に愛情をもって意地悪をしているのか

前項で挙げたような言動をしてくる彼氏がいるとします。
そんな彼氏に言動に対して、

「愛情の裏返し」「恋人ならではの軽いじゃれあい」「男性は愛情表現が苦手だからしかたない」

と思っている女性もいるかもしれません。

彼の意地悪が本当に愛情に基づいた軽口なのか、それとも彼は「けなせる相手を近くにおいておきたいだけなのか」を知りたいなら、まずは、

「そういう意地悪を言うのはやめてほしい。自分は傷ついている」

明確に伝える必要があります。
意地悪では愛情を感じない、むしろ傷つく、とはっきり伝える必要があるでしょう。

彼女が傷ついたと主張しているのにそういった意地悪ないじりやディスりをやめないのは、愛ではありません。彼はあなたを愛している男ではなく、単なるモラハラ男だ、ということが言えるでしょう。

意地悪な彼氏がモラハラをする理由・背景

モラハラをする人の背景にはさまざまな要因が考えられますが、その多くは成長環境と関係しています

例えば、以下のような環境で育った人に、その傾向が見られることが多いです。

  • モラハラが日常的に行われている家庭で育った
  • 男尊女卑の価値観が強い家庭環境で育った
  • 幼少期に十分な愛情を受けられなかった
  • 過剰な期待やプレッシャーを幼少期から抱えていた

こうした背景を持つ人は、自己肯定感の低さ他者へのコントロール欲求が顕著になりやすく、その結果、モラハラ的な言動が現れることがあります。

相手を否定したり、小さなミスを過剰に指摘したりする行動は、「自分が優位に立っている」と感じることで不安定な自己を守ろうとする心理の表れです。

これは、自分の弱さを隠すための心理的なバリアとも言えます。

さらに、モラハラ加害者にとって、相手が自分の指示通りに動くことは「自己価値」を確認する手段です。

そのため、彼女が自分の意見を持ったり独立した行動を取ると、不安や怒りを感じ、意地悪な態度に出てしまいます。

相手を見下す行為は、彼にとって一時的な優越感を得る手段であり、また、自分の不安やストレスを相手に投影する方法にもなっています。

モラハラで悪いのは、される側ではなく、「意地悪をする側」

ここで重要なのは、モラハラしてしまうのは、「加害者の心に問題があるから」だということです。

日常的に彼氏からディスられていると、その状態が当たり前になってしまい、「私がドジなことをしているから彼氏がディスるのもしかたない」「私が悪いんだ」と思い込んでしまいがちです。

そうではありません。悪いのは、意地悪をされる側ではなく、意地悪する側なのです。

ここでは、意地悪、という言葉を使っていますが、モラハラは、単なる意地悪にとどまらないケースも多々あります。

日常的に見下された発言をしているうちに、精神を病んでしまい、精神科や心療内科に長期間通わざるを得なくなる、というケースもあります。

「たかがイジリ」「愛情の裏返し」と甘く見ることなく、意地悪をされ続ける状況にはきっぱりとNOを突きつける必要があるのです。

こういった男性と付き合っていくためには、常に彼のプライドを傷つけないよう、下手に出てバカなふりをし続ける必要がありますよね。そこまでしてその相手と付き合い続ける価値があるのか、一度しっかり考えてみる必要があるでしょう。

意地悪な彼氏が、モラハラかどうかを見分ける診断方法

モラハラの被害者は、ハラスメントを受けているにもかかわらず、「これくらい大したことではないか」「少しもやっとすることはあるけれど、ハラスメントってほどじゃないよね」と被害を矮小化しがちです。

なぜならモラハラのひとつに、ガスライティングという形があるからです。

ガスライティングとは、「お前がおかしいのだ」と洗脳してく手法のことです。例えば、モラハラ加害者が「俺がお前を怒鳴るのは、お前の行動が至らないからだ」と言い続けて、被害者に「私が彼を怒らせているのだ」と思わせる等がガスライティングに当たります。

ガスライティングをされ、現実認識が歪んでしまってからでは、なかなかモラハラに気がつけません。

今回は、彼氏はモラハラかも?と気がつける段階にある方向けに、モラハラ彼氏の診断方法をご紹介します。

彼氏の言動にビクビクしてしまう・顔色を伺ってしまう

モラハラ彼氏の最も顕著な特徴のひとつに、相手を怯えさせ、萎縮させる態度が挙げられます。
彼が何を言い出すか、いつ怒り出すのかがわからず、ビクビクしてしまうなら、モラハラの可能性が高いでしょう。

不機嫌をあらわにしてあなたをコントロールしてこようとするのも、モラハラの典型的な手段のひとつです。

一方、彼といるといつも自分らしくいられて、リラックスできる、という場合、その彼はモラハラ彼氏ではありません。

チェックポイント 以下が当てはまる場合はモラハラの可能性が高い

  • 彼の顔色を伺ってしまい、正直な意見が言えない
  • 彼に何かを伝える際に緊張する
  • 彼の機嫌がいいとホッとする

常に自分が悪いと思わされている

モラハラ彼氏は、自分の行動に問題がある場合でも、自分を正当化し、相手に罪悪感を抱かせます。
「私が悪い」と思うことが多い場合、モラハラの可能性が高いでしょう。

チェックポイント 以下が当てはまる場合はモラハラの可能性が高い

  • よく考えたら彼の言動がおかしいのに、自分が悪いと思い込む
  • お前が悪い、と頻繁に言われる
  • 彼にしてあげられないことが多いと感じ、頻繁に罪悪感を感じる

友人関係やファッションなどをコントロールされる

モラハラ彼氏は、パートナーを自分の思い通りにしようとコントロールしようとしてきます。
あなたの行動範囲や交友関係が広がることを望んでおらず、むしろ自分の目に入る範囲にとどめたいと考え、あなたのさまざまな可能性を制限するのがモラハラ彼氏なのです。

チェックポイント 以下が当てはまる場合はモラハラの可能性が高い

  • あなたの友人関係や家族との関わりを全て把握しようしてくる
  • 「短いスカートは着ないで」「メイクは薄めに」などファッションを制限される
  • 「あの友達とは会ってほしくない」など、過度に束縛、交友関係を制限される
  • 何をするにも、彼の許可を求めるようになった

あなたに対して、意地悪ないじりや暴言、批判、見下し発言が多い

モラハラ彼氏は、言葉の暴力ふるいます。
「お前はバカなんだから」「こんなこともできないのか」などの言葉で相手の自尊心を削いでいき、自己評価を低くさせることも多いのです。

チェックポイント 以下が当てはまる場合はモラハラの可能性が高い

  • 「お前はバカ」「簡単な仕事しかしてないんだから」などと侮辱される
  • 学歴や収入、容姿などスペックを比較して見下される
  • 彼といると自信がなくなってくる

彼氏が自己中心的すぎると感じる

モラハラ彼氏は、自分の利益を最優先に考えます。
自分の感情や欲望が最も大切で、それが満たされないと不機嫌になることも多いのです。

チェックポイント 以下が当てはまる場合はモラハラの可能性が高い

  • あなたの話や意見を聞いてくれない
  • 意見を伝えても却下されるか無視される
  • 彼の望みが満たされないと、不機嫌になる

一時的に優しくなるけど、あくまで一時的

モラハラ彼氏は、モラハラする相手に逃げられたくないため、一時的に優しくなることがよくあります。
しかし、その優しさは長くは続かないのです。

チェックポイント 以下が当てはまる場合はモラハラの可能性が高い

  • 彼が急に優しくなったり、泣いたりするので、何度も暴言を許してしまった
  • 暴言を吐いた後に態度が急変し、甘い言葉や態度で接してきた

外面がよく、ふたりきりの時に本性が出る

モラハラ彼氏は、外では優しく振る舞うことが珍しくありません。
それゆえ、被害者が「彼氏がモラハラっぽい」と思って距離を置こうとしても、「あんないい彼氏いないって!」と諭されてしまうケースもあります。

チェックポイント 以下が当てはまる場合はモラハラの可能性が高い

  • 友だちや家族の前では完璧な彼氏を演じるが、二人きりになると急変する
  • 周りの人に彼のことを相談しても、理解されず孤立感を感じる。


意地悪な彼氏に疲れたときの対処法。モラハラっぽいと気がついたら、どうしたらいい?

次に、彼にモラハラされていると気がついた後で、どのような対処をとるべきか、をみていきましょう。

モラハラの証拠を集める

モラハラによって精神的に参ってしまった場合、働けなくなる、病院に通わないといけなくなる、などの被害が生じます。そうなってしまったら、彼に償ってもらう必要があるでしょう。

モラハラによって被害が出ていたと証明することができれば、慰謝料をとることは可能です。
そのために証拠を集めましょう。

彼が暴言を吐いているところをレコーダーで録音する、送信日が分かるわかるように撮ったLINEやり取りのスクショ、日記に書き記す、精神病院への通院記録を保管する、などが主な証拠になります。

彼氏と別れる・距離を取る

モラハラ彼氏と一緒にいたら、自尊心はどんどん削られていきます。
証拠を集めたら、距離をとりましょう。
彼が別れてくれない、という場合には、デートDV110番の相談窓口0120-51-4477)に相談してみましょう。

弁護士に相談する

彼を訴えたいと考えている場合は、弁護士に相談してみましょう。

弁護士の知り合いがいない場合には、法テラスなどを活用してみましょう。
所得制限はありますが、条件に合えば無料で法律家に相談に乗ってもらえる場合もあります。

意地悪なモラハラ彼氏と別れることは、自分を愛することでもある

モラハラ彼氏と一緒にいる時間が長ければ長いほど、自尊心は削られていきます。

彼と一緒にいることで、自分がつまらない存在に思える、自分に価値はないのではないかと思える

そんな風に感じるようになったら、彼はあなたを愛しているのではなく、利用しているだけなのかもしれない、と立ち止まって考えてみましょう。

モラハラされて育った人や、自己愛が強すぎて圧倒的に服従する他者がいないとプライドが保てない人、職場ではぺこぺこしていてストレスがたまっており、はけ口を探している人
そういった人があなたにモラハラしてきたとき、「彼はかわいそうな人。私が彼を治してあげたい」と思うかもしれません。

ですがそれは、おこがましい考えです。他人を変えることはできません

彼は変わらない、という事実を認め、彼との関係を、自分のために断ち切る」勇気をもちましょう

参考資料
政府広報オンライン DV(配偶者や交際相手からの暴力)に悩んでいませんか。一人で悩まず、お近くの相談窓口に相談を!
https://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5667.html

男女共同参画局 デートDVって?
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/date_dv/index.html

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