なぜ昆虫食?食糧危機の未来を救う?昆虫食のメリット・デメリットとアンケート結果

近年、昆虫食が話題になっています。

昆虫食は、環境負荷が少なく、栄養価も高いということで、注目される反面、「見た目がムリ」「虫を食べるなんてありえない」と拒否反応を抱く人も少なくありません。

今回は、なぜ昆虫食が昨今注目されているのか、
昆虫食のメリット・デメリットをご紹介するとともに、昆虫食にまつわるアンケート結果もご紹介します。

目次

昆虫食ってなに?

昆虫食とは、その名の通り昆虫を食べることです。

昆虫食は近年取りざたされることが増えていますが、新しい現象ではありません。
現在も、アジアやアフリカを中心に、2000種類近くの昆虫が食用として食べられています。昆虫食は、貴重なタンパク源だと考えている人も少なくないのです。

昆虫食が注目されている原因とは?

昨今、昆虫食は、日本だけではなく世界的に注目されています。
なぜなら、2050年には世界の人口は100億を超えるとも言われており、食料の供給が追い付かなくなる可能性が懸念されているからです。

日本だけで見ると、少子化が加速しているわけですが、世界的に見ると、人口は増え続けており、将来的には充分な食料が確保できないことが懸念されているのです。

急増する人たちの食料を生産するために牛や豚などを育てようと考えても、また別の問題が発生します。

家畜は生産過程で温室効果ガスが大量に発生するため、地球環境にとって望ましくないのです。

そこで、注目されたのが昆虫食です。
昆虫を食べることで、余計な温室効果ガスの排出を抑え、タンパク質を確保できる、というアイデアから、昆虫食が推奨されるようになったのです。

昆虫食のメリットとは?

昆虫食を推奨するメリットは大きくわけて6つあります。

昆虫食のメリット1 健康に良い

昆虫は、良質なタンパク質を多く含んでいるだけではなく、鉄、マグネシウム、亜鉛、ミネラルなども含んでおり、栄養価がとても高いことで知られています。

また、赤身肉や加工肉を食べると大腸がんや心臓病、二型糖尿病のリスクが高まりますが、昆虫の場合、そういったリスクは低いため、よりヘルシーな食材だと考えられているのです。

昆虫食のメリット2 生産が比較的容易

昆虫は、少ない飼料で生産できるため、比較的生産が容易です。

また、牛を育てた場合、食べられる部位は4割程度なのに比べて、昆虫の場合はほぼ丸ごと食べられるので、ロスも少ないのです。

昆虫食のメリット3 食品ロスを削減

牛や豚などの家畜を育てる際、飼料として穀物は不可欠です。

しかし、昆虫の場合は、たい肥や動物廃棄物などの廃棄物を活用することができます。これにより、食品ロスの削減にもつながります。

昆虫食のメリット4 温室効果ガスが削減できる

前述したように、昆虫を飼育する際に排出される温室効果ガスは、家畜の生産と比べて圧倒的に少量で済みます。

温室効果ガスを削減できるということは、地球温暖化を阻止するということです。つまり、昆虫食を導入することは、環境負荷を減らすことにつながるのです。

昆虫食のメリット5 飼料としても利用できる

昆虫は、人間だけが食べられるわけではありません。

たとえば、家畜や養殖の魚を育てるための飼料にもなりえます。さらには、ペットの餌として活用することも可能です。

「昆虫なんて食べなくない、昆虫食NG」という人は、家畜や魚のご飯としての可能性もあることを認識しておきましょう。

昆虫食のメリット6 収入源を増やせる・貧困を脱する

昆虫は生産が比較的簡単なため、参入障壁も低くなっています。

これにより、特別な知識がない人でも、収入源を増やせる可能性が出てくるのです。

たとえば発展途上国の人々が、昆虫を育てることで収入源ができ、貧困から脱する足掛かりとなるケースも期待できます。ひいては、貧困に起因する犯罪を防ぐことにもつながるのです。

昆虫食のデメリットとは?

つぎに、昆虫食を導入するデメリットについても確認しておきましょう。

昆虫食のデメリット1 消費者の拒否反応

昆虫食には様々なメリットがあるにもかかわらず、なかなか人々の間で普及しません。
一因は、虫を食べることに対して拒否感がある人が少なくないからでしょう。

昆虫食に対して嫌悪する人が多数派であり続ける限り、いくら昆虫食を作っても浸透することはないのです。浸透させることが難しいと考え、企業も昆虫食の開発を積極的に行えていないという現状もあります。

昆虫食のデメリット2 甲殻類アレルギーの人は食べられない

昆虫は、カニやエビと同様、甲殻類アレルギーの人が食べた場合、アレルギー反応を引き起こす可能性があります。

昆虫食は誰もが安全に食べられるものではありませんから、昆虫食を販売する際は、アレルギーが出る可能性についてしっかり周知しておく必要があるでしょう。

1万人にアンケート。昆虫食についてみんなはどう思ってる?

最後に、2024年1月に実施したアンケート結果をご紹介します。

果たして、一般の人々は、昆虫食についてどういったイメージをもっているのでしょうか?

昆虫食。何が何でも絶対無理!は、45%


昆虫食については、4割の人が、「形がわからなければ受け入れられる」「原料に少し使われているくらいであれば気にならない」と、受け入れ態勢である一方、「何が何でも絶対無理」だという人も4割強存在しました。

このアンケート結果から、受け入れ態勢の人と、拒否態勢の人は、半々だということがわかります。

昆虫食で一番気になるのは……やっぱり見た目


昆虫食について思うところがあれば教えてくださいというアンケート結果でもっとも多かったのは、「見た目が気になる」という回答です。

いくら栄養価が高く、環境に優しい食べ物だとしても、見た目が「虫」そのものである場合、受け入れがたいと感じる人は少なくないようです。

実際に昆虫を食べたことがある人は2割。感想は? 美味しい?


実際に昆虫を食べたことがあると認識している人は、2割強で、もっとも多かった回答は、「イナゴの佃煮」、次が、「蜂の子」「バッタ」でした。

具体的な感想としては、「昔ながらの製法の蜂の子とイナゴを食べた事がありますが、特に問題無く食しました」「イナゴの佃煮が好きです」「カリカリしていておいしい」「イナゴの佃煮、美味しいよ!」と比較的好印象な回答が目立ちましたが、なかには「好みではない」「美味しいとは思えない」という回答もありました。

また、昔ながらのイナゴの佃煮は評価する一方、「今のコオロギとかは飼育方法など安全性がいささか心配」といった、新しい食べ方に対して安全面で不安を抱いている声を見られました。
さらには、「メインディッシュにはならない」と昆虫食の限界を指摘する人もいらっしゃいました。

意外と身近な昆虫食。気になった人はトライしてみて!

1万人のアンケートの結果、2割程度の方が既に昆虫食を体験していることがわかりました。昆虫食には様々なメリットがありますから、食べたことがないという方はトライしてみるのもいいでしょう。

身近なところでは、無印良品が昆虫食のおやつを販売しています。
2024年3月現在、確認できる商品は「コオロギチョコ」と「コオロギせんべい」のふたつです。コオロギをパウダー状にして配合したおやつですので、見た目も気にならず、価格も220円とリーズナブル。食べてみたら、昆虫食のイメージが変わるかもしれません。

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