
生理(月経)やPMSで心も体もつらいのに、彼氏や夫が心配してくれない…。
そんな悲しさを感じている人は、決して少なくありません。
「生理痛がしんどい」と伝えても軽く流されたり、情緒が不安定な日も「機嫌悪いの?」と片づけられてしまう。
そんな「心配してくれない悲しさ」や「わかってくれないもどかしさ」に、悩んだ経験はありませんか?
月経やPMSの症状は目に見えず、個人差も大きいからこそ、彼氏・夫などパートナーに伝えるにはちょっとした工夫が必要です。
この記事では、男性が生理やPMSを理解しにくい理由、心配してくれない彼氏・夫への伝え方のコツを解説していきます。
心配の前に、そもそもなぜ男性は生理を理解しづらいのか
まずは、男性が生理という生理現象に対し、無知、無理解になりがちな理由を見ていきましょう。
経験したことがない


生理やPMSが理解できない最大の理由は、経験したことがないからです。
タブー視されている
体験したことがないことを理解するためには想像力を使う必要があるのですが、その想像力が社会的に阻まれているのも問題です。
例えば、昔は学校で女子生徒が生理について学ぶ時間には、男子生徒は別の課題に取り組むことが一般的でした。
生理は女性の秘め事であり、男性は知るべきではない、知る必要がない、とされていたため、想像力を働かせる余地も発生しなかったのです。
女性であっても生理をタブー視する価値観は内面化されています。生理用品を購入したら、まるで恥ずかしいものを買ったかのように、パッケージが見えないように紙袋で包まれてしまう世界に生きていると、どうしても「生理=恥ずかしいもの・秘密にするもの」という意識が身についてしまうのです。
また、生理がタブーであるため、生理中の女性は数々の行動を制限されてきた歴史もあります。インドでは今でも地方によっては、生理中の女性は入浴や台所への立ち入り禁じられています。生理が来る女性は汚れているとされているからです。
このように、生理に対するタブー視、マイナスイメージが強固に残っているため、男性は生理から遠ざけられてきたのでしょう。
学校での性教育が不十分


生理やPMSについて学校で学ばないことも、男性の生理リテラシーが低い一因です。
かつては、生理やPMSは女性だけが知っていれば良いことだとされていたため、男性が生理やPMSについて学ぶことはありませんでした。
現在では、意識が変わってきており、生理やPMSについて教える学校もありますが、まだ十分ではありません。
生理に関する間違った知識が流布されている
学校で生理について学ばなかった男性は、間違った知識を真実だと思ってしまいがちです。
例えば、男性の作者によって描かれた漫画『ツキイチ!生理ちゃん』は、生理を擬人化したキャラクター(生理ちゃん)が登場します。この漫画は女性からも、生理のつらさをわかりやすく描いてくれている! と当初、好評を博しました。
作者は、「女性の生理と男性の性欲は、ついになるものではないが、男性にとって煩わしいものという意味で性欲くんというキャラクターを出した」とインタビューで語っています。
このインタビューから垣間見えることは、作者は「女性には性欲がないか極めて少ない」と思い込んでいるということです。
また、性欲が湧いたからといってお腹が痛くなったり、立てなくなるほど苦しんだりするわけではないにもかかわらず、女性の生理と対比させて、男性の性欲を持ち出す時点で、この作者は生理のつらさを全く理解していないと言えるでしょう。
しかしこれは、作者だけの問題ではありません。男性の中には、女性の生理を男性の性欲のようなものだと誤解している人が一定数存在します。言うまでもなく、性欲は性欲であり、生理とは全く関係がないものなのですが、誤解している人は少なくない。どうしてこのような無知が放置され、あまつさえ漫画になって出版されているのでしょうか。
『ツキイチ!生理ちゃん』のヒットは日本の性教育の敗北の証だと言えるでしょう。


彼氏・夫に生理やPMSのつらさを理解してもらうコツ
生理がタブー視され、性教育が施されず、間違った情報が流布されている今、男性が生理の実際を理解することのハードルは低くはありませんが、不可能ではありません。
ここでは、彼氏や夫に生理やPMSのつらさを理解してもらうコツについて確認しておきましょう。
まず、彼氏・夫に現実を教える


生理前の情緒不安定(PMS・PMDD)になってしまう場合や、生理のたびにつらくて動けないなどの場合は、現状について教えましょう。
この際、視覚的な資料を見せるのも一案です。
また、個人差が大きいことも伝えましょう。女性の中でもほとんど生理痛やPMSがない人もいれば、生理の期間は立っていられなくなるほどつらいという人もいます。
「自分の場合、生理が重い方だから」などと伝えると伝わりやすいでしょう。
彼氏・夫にしてほしいことを伝える
PMSや生理のときにしてほしいことを伝えましょう。
例えば、生理前や生理中は遠出をしたくないから、おうちデートにしてほしいとか、生理前は情緒が安定しないから、イライラしていても「PMSだから仕方ない」と捉えてほしいとか、


理解してくれない・心配してくれない彼氏・夫への対処法
理解をしてもらう努力をしているのに、それでも反応が冷たい場合はどうすればいいでしょうか?
理解・心配してくれない相手なら別れる


あなたの体を心配してくれない彼氏と一緒にいることは、百害あって一利なしです。
そんな彼氏と結婚してしまって子どもでも産まれたら、より悲惨な状況になることは目に見えています。つわりや産後の痛みも理解しないでしょう。
自分の体を心配してくれないパートナーと別れたくない場合
あなたを愛しているパートナーならば、あなたのつらさを完全に理解できないまでも、寄り添おうとするはずです。
あなたが頑張って生理やPMSのつらさを伝えているのに、無関心だったり、無知だったりする場合、そこに本当に愛があるのかは疑問です。
それでも別れたくないなら、それはパートナーの問題ではなく、あなたの問題かもしれません。
生理・PMS時の彼氏・夫の神対応エピソード【感動・キュン】
近年、生理やPMSに対するタブー視は少しずつ弱まっています。そのため、「理解されていない」と感じる女性がいる一方、とても優しい気遣い、素敵な対応をしてくれるパートナーも増えているのが現実です。
ここでは、素敵な気持ちに寄り添ってくれたなど、彼氏・夫の胸キュンエピソードをご紹介します。
Googleカレンダーで生理の予定を夫と共有しています。夫はカレンダーを確認して、豆乳(生理痛に効くと言われている。真偽不明)を買ってきてくれたりして、気遣ってくれています。
(32歳・会社員)
付き合い始めた当初は生理に無知だった彼ですが、私がつらそうにしているのを見て、産婦人科医が書いた本を買って、勉強してくれました。今では、何も言わなくても湯たんぽを用意してくれたりします。私のために学んでくれたのが嬉しかったです。
(28歳・デザイナー)
私はPMSがひどいのですが、彼にはPMSについて伝えていませんでした。でも、毎月決まって感情的になる時期があると気づいた彼が『来週はあの時期だから、重要な話は再来週にしよう』と言ってくれたんです。自分でも気づかないうちに配慮してくれていて、私のことしっかり見てくれているんだ、と思って感動しました。
(29歳・医師)
生理を心配してくれない彼に不満に抱いているあなたへ。「我慢するもの」から「伝え合える関係」へ


生理のつらさは、人によってまったく違います。
「他の人は普通に働いてるから…」と自分に無理をさせる必要はありません。
例えば、生理痛が強いなら病院を受診することも選択肢のひとつ。ピルや漢方などで症状が軽くなるケースもあります。
また、制度として存在する生理休暇を利用することも、自分を大切にする行動です。
そしてもうひとつ大切なのが、自分自身が生理やPMSについてきちんと理解し、どう付き合っていくかを考えること。
少しの工夫で、生理期間のQOL(生活の質)は確実に変わります。
もちろん、あなたのつらさを軽く見るような人のために、無理に言葉を尽くす必要はありません。
でも、大切なパートナーだからこそ、互いの理解を深めていく努力は、きっと未来の安心感につながるはずです。
「わかってほしい」と思う気持ちを、ただ押しつけるのではなく、少しずつ伝えていくことで、もっと心地よい方向に変えていきましょう。



