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脚の浮腫み改善におススメのツボ&灸

Date
2024/05/28
Writer
佐藤 優子
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「夕方になると脚がむくんでパンパン!」

「生理前に脚がむくんで痛くなるほど…」

仕事で座りっぱなし、立ちっぱなし、冷えて脚がむくむ…などなど…。

脚の浮腫みでお悩みの女性は多くいらっしゃいます。

今回は、そんな浮腫みを解消するおすすめのツボをご紹介します。

脚が浮腫むメカニズム

浮腫みは、身体に過剰な水分が溜まった状態のことをいいます。

人の身体は、約60%の水分でできています。

水分は、血管・リンパ管・細胞の間を行き来しながら身体全体の様々なバランスを保っています。

浮腫みは、体内の水分バランスが何らかの原因によって乱れ、水分が血管の外側に出てしまい、その場に溜まってしまうことで表れる症状です。

このバランスが乱れる原因は様々あります。

・塩分の過剰摂取

塩分を過剰摂取すると、血液中の塩分濃度が上がり、薄めるために体内が水分の体外排出を抑制させます。

・アルコールの過剰摂取

アルコールを摂取すると、トイレが近くなる感じがしませんか?

アルコールには、血管内脱水の作用があるため、飲みすぎると身体の水分が失われ、血液濃度が上がります。そのため、こちらも濃度を下げるために、取り込んだ水分の一部がむくみの原因になります。

・自律神経の乱れ

身体の水分調整をしているのは腎臓です。この腎臓の働きは自律神経が担います。

この自律神経の乱れにより腎臓の機能も低下。その結果、体内の水分濃度を正常に保つ機能が働かなくなり、余分な水分が体外に排出されにくくなることで、むくみに繋がります。

・運動不足/筋力低下/冷え

血液は心臓から送り出され、身体全体を巡り心臓に戻ります。

心臓から一番遠い脚の血流は、重力に逆らって心臓まで戻る必要があるため、血流を押し上げる筋肉によるポンプ機能があります。

長時間同じ姿勢でいたり、運動不足が続いたりすると、ふくらはぎのポンプ機能が働きにくくなり、血行が悪くなります。

血行不良が原因となる冷えも同じです。

・ホルモンの影響

生理前の浮腫みは、黄体ホルモンが原因です。生理前に分泌量が多くなります。

生理前は「分泌期」と言って子宮の内膜が分厚くなります。子宮の内膜は、赤ちゃんが着床するためのベッドの役割を持つため、ふわふわで柔らかい必要があります。その内膜を水っぽく保つ作用が全身にも作用するため、生理前になるとむくみや、体重が増えやすくなります。

これらは、浮腫みの原因となる一過性のものです。

数日間むくみが続くなど、慢性的なものに関しては、病気の可能性もあるので、できるだけ早めの病院受診をおすすめします。

東洋医学で診る浮腫み

東洋医学では、むくみを「浮腫(ふしゅ)」といい、状態は西洋医学と同じく、身体に水が溜まる状態を指します。

東洋医学では、身体が以下のような状態になっている時に、浮腫を引き起こすと考えられています。

■脾虚

東洋医学では、「脾」の役割として、食べ物の消化や身体全体に栄養を運ぶ働きを持つとされています。

脾虚は、消化機能が低下した状態のことを言います。そのため、水分の代謝も悪くなり体内に水が溜まりやすくなるため、浮腫になります。

■腎虚

「腎」は、東洋医学的な考えで、成長・発育・繁殖などの働きの他に、水分の代謝をコントロールする機能も持ちます。

この腎の働きが弱くなることで、様々な衰えの症状が現れると考えられています。水分の代謝も衰えるため、浮腫の症状が現れます。

おすすめのツボ

脚の浮腫み解消には、ツボをゆっくり押すのもおすすめですが、お灸も一緒にされるとより浮腫みの効果を感じていただけるのでおすすめです。


■陰陵泉(いんりょうせん)

場所_足の内くるぶしから骨の内側を真上に辿っていくと指が止まるところ。丁度カーブしている骨のあたり。

脾経のラインにあるツボ。胃腸機能の改善と、血行を良くし、水分をスムーズに体外に排出しむくみの改善が期待できるツボです。



■豊隆(ほうりゅう)

場所_脛(すね)の少し外側で、膝と足首のちょうど中間あたりの高さに位置します。外くるぶしの一番高いところから指11本分上に上がったところ。

胃痛や胃のもたれなどの消化器症状に効果的と言われているツボです。さらに、水分を体外へ排出するように促す作用があり、胃と密接に関係しているツボです



■天枢(てんすう)

場所_おへそから指幅3本分外側のところで、左右どちらにもあります。

消化器系や泌尿器系の機能促進が期待できるツボです。 胃腸の働きを活発にするため、食欲を増進させ、消化不良や飲みすぎにも効果的と考えられています。



■関元(かんげん)

場所_おへそから指幅4本下がった所

胃腸の働きを活性化させます。 生理痛や生理不順などの女性特有の症状の緩和も期待できます。


参照

・東洋医学概論(医道の日本社)、
・東洋医学臨床論(医道の日本社)、
・ツボ単~経血取穴法・経血由来解説・兪穴単語帳
・日本東洋医学雑誌 広汎性子宮全摘出術後および放射線治療後の下肢浮腫に対する鍼灸湯液併用治療の経験
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/47/1/47_1_17/_article/-char/ja
・全日本鍼灸学会雑誌 下肢部のむくみに対する円皮鍼と圧迫施術の比較
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam/71/1/71_13/_article/-char/ja

Writer's Profile
佐藤 優子

鍼灸接骨院に鍼灸師として勤務。整形外科疾患から、不眠、頭痛、高血圧他、未病分野の治療を行う。院では外来の他、訪問や大学病院で鍼灸師として派遣勤務を行う。

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