ホルモンピーク期30代・気をつけたい生理前の体調不良やイライラ

これまでも、生理前になると「頭痛」「乳房のはり・痛み」「むくみ」や「身体の重だるさ」といった症状があり、30代をむかえてから、ぼーっとして集中できなくなったり、イライラとした気分がひどくなったりと、生理前に体調不良になることが増えた。

といったお悩みでお困りではありませんか?

これらお悩みの症状が、生理が始まった途端に改善する。

PMS(月経前緊張症候群)と呼ばれるこの症状ですが、実は30代になってからこの症状が昔よりもひどくなったとお悩みの方が多くいらっしゃいます。

今回はそんな30代以降になってからひどくなってしまった、「PMS(月経前緊張症候群)」の症状を軽減するおすすめのツボを紹介していきます。

目次

身体と心に不調をきたすPMS

PMSと一言でいっても、その症状は様々。

あらわれる症状や重さも人によって様々で個人差があり、さらに、同じ人でも月によって症状が異なることがあります。

症状の種類は200以上と言われていますが、PMSの症状は精神的症状と身体的症状の2種類にわけることができます。

精神的症状

・イライラしたり怒りっぽくなる
・泣きたくなる
・憂鬱な気分になる
・ぼーっとする
・情緒不安定になる
・なんだか落ち着かない
・常に緊張した状態になる
・家族や恋人、身近な人に八つ当たりしてしまう
・物事に集中できない

身体的症状

・むくみ
・のぼせ
・乳房のはりや痛み
・下腹部のはり
・肌荒れしやすく、ニキビが出る
・体重増加
・身体の疲れや重ダルさ
・頭痛、頭が重く感じる
・眠気または不眠
・腰痛

PMSの症状である「精神的症状」ですが、症状が月経周期にともなっている場合でも、「精神的症状」の症状が重く、ご自身での調整・コントロールが困難で日常生活に支障が出ている場合は、PMSではなく「月経前不快気分障害(PMDD)」と呼ばれる疾患となります。

もし、気分障害の症状が重く出てしまいツライという場合は、一度婦人科などに相談されることをおすすめします。

症状が出てしまう原因は?

私たちの日々の生活に大きな影響を与えるPMSですが、実はPMSが起きる原因ははっきりとわかっていません。

しかし、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられており、排卵後に訪れる「黄体期」に分泌される女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の急激な変動が関わっていると考えられています。

PMS症状が発症する時期に分泌が多くなるホルモン「プロゲステロン(黄体ホルモン)」ですが、妊娠を助けるホルモンとも言います。

子宮内膜の厚さを維持して、着床しやすい状態にしてくれるのですが、このような働きをするため、体内の水分を保持したり、基礎体温を上げたりするなどの作用もあります。

これらの働きのため、水分を身体から排出しにくくなってしまうと、むくみの原因になります。

症状が30代で重くなる!?

諸説ありますが、PMSの症状がもっとも重く出やすいのは30代と言われているんだそう。

女性ホルモンは初潮を迎える10代に急増し、20代でピークを迎え、50代前後の閉経まで緩やかに減少していきます。

20代の頃には、身体的な症状が重く出る傾向にありますが、30代になると身体的な症状に加えて精神的な症状も重く出るようになるため、「30代になってPMSがひどくなった」と感じる方が多いようです。

また、出産経験のない女性は身体的な症状に出やすく、出産経験のある女性は精神的な症状が出やすい傾向にあるとも言われています。

さらに、PMSの症状は女性ホルモンの影響だけではなく、性格や生活環境によっても変わるため、個人差が出てきます。

以下の内容に当てはまる項目が多い場合、PMSがひどくなりやすい傾向にあるようです。

・ストレスを感じる環境で生活している
・カフェインを多く摂取している
・自分または身近な人がタバコを吸っている
・生理前にアルコールを摂取することが多い

PMS症状が重く出てしまうという方は、生理前のアルコールや冷たい物摂取を控え、身体、特にお腹周りと足首周りを温めるようにしてみてくださいね。

東洋医学で診るPMS

東洋医学でPMSの症状がでる状態・原因を、『「肝(かん)」の機能失調』と考えます。

東洋医学で『肝』は、全身の「気(き)」や「血(けつ)」などの流れのバランスを調節している場所のことをいいます。

肝の機能が低下すると「気滞(きたい)」と呼ばれる気の流れの滞りがおこります。

気は、全身(臓腑・組織・器官など)の生理活動・代謝を促進し、血脈や経絡の流れを推進しています。

気滞がおこると全身に気が行き渡らなくなるので、むくみや乳房・下腹部のはり・痛み、頭痛、頭の重い感じ等の身体的症状や、落ち込む・イライラするといった精神的症状があらわれると考えます。

以上のことから、治療では『肝』や『気』の作用を改善する治療を行っていきます。

生理前の体調不良におすすめのツボ

三陰交(さんいんこう)

場所_内くるぶしの1番高い位置から指4本分上の骨の際

月経異常、冷え症、精神疲労、体のだるさ、むくみ、嘔吐、胃の痛み、消化不良、食欲不振、お腹が張る、不妊症などなど万能と言われるツボ。PMS関連のお悩み改善に必ず使用するツボの一つです。

関元(かんげん)

場所_おへそから指幅4本下がった所

月経異常、のぼせ、元気が出ない、やる気が起こらない、体力が消耗している月経不順などの治療に使用するツボです。

関元は、お灸などで温めるのがおすすめです。ドラックストアなどで手軽にお灸も売っていますので、ぜひ一度トライしてみてくださいね。

太衝(たいしょう)

場所_親指と人差し指の骨の間を、指で軽くなぞり自然と指が止まる位置。

のぼせやイライラ、頭痛など上半身に滞っている熱を下げる効果が期待されていて、刺激すると頭がすっきりしてきます。

参考文献
・東洋医学概論(医道の日本社)
・東洋医学臨床論(医道の日本社)
・ツボ単~経血取穴法・経血由来解説・兪穴単語帳
・月経 困難症 に対する漢方別_年齢 的解析(https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed1982/50/5/50_5_869/_pdf/-char/ja)
・月経前症候群の精神症状に対する 鍼治療効果の比較試験
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/67/3/67_264/_pdf)


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この記事を書いた人

鍼灸接骨院に鍼灸師として勤務。整形外科疾患から、不眠、頭痛、高血圧他、未病分野の治療を行う。院では外来の他、訪問や大学病院で鍼灸師として派遣勤務を行う。

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