近年、「結婚は考えていない」「一生独身で生きていきたい」と考えている人は男女ともに増加傾向にあります。現代は、結婚を表立って強いられることのない時代です。
ですが同時に、独身者に対する差別(シングリズム)がまったくない時代というわけでもありません。現代でも、田舎にいけば、「結婚や子育てこそが女性の役割であり幸せ」という価値観を持った人はいますし、「結婚してこそ一人前。独身は気楽で、責任感がなく子どもっぽい」という偏見を抱いている人もゼロではありません。結婚しない人が珍しくない時代になっても、まだ「結婚=幸せ」「独身=子どもっぽく未熟」と考える人はいます。
また、日本は男女の賃金格差が激しく、女性がひとりで豊かに生きていくだけの収入を得ることは容易とはいえません。
こういった社会的背景を鑑みると、女性が一生独身で生きるためには、相応の覚悟と準備が必要だと言えるでしょう。今回は、結婚はするつもりがない、と考えている女性向けに、いまからしておくとよいことを解説していきます。
一生独身で生きる女性がするべき5つのこととは?
性別を問わず、どんな生き方をするかは個々人の選択です。刹那的に今を楽しんで、未来のことを考えずに突っ走りたい、という人もいるでしょう。
すべての女性が「するべきこと」など本当はありませんが、ここでは、「ある程度安定した生活を送って、老後の不安を軽減したい」「精神的にも経済的にも、豊かな生活を送りたい」と考える方がしておくと安心なことを紹介していきます。
一生独身で生きる女性がするべきこと1 経済的自立と安定を目指す
一生独身を貫くために、もっとも必要なものは安定した職とお金です。非正規雇用や低収入では、老後、経済的な不安が待ち受けています。若いうちに稼げる業種に転職したり、安定感のある資格をとったり、貯蓄や投資をしたりするのがよいでしょう。
一生独身で生きる女性がするべきこと2 健康管理・体力維持
お金と同じくらい大切なことに、健康があります。病気になって働けなくなってしまったら、経済的にも苦境に陥る可能性がありますし、精神的にもダメージを受けるでしょう。
身体が資本ですから、セルフケアを大切にしましょう。定期的な健康診断や予防接種は必須です。また、健康的な食生活と、定期的な運動を心がけましょう。独身で生きていく場合、病気や怪我をした際に、頼れる人がそばにいない可能性もあります。いざとなればお金を払ってプロにケアをしてもらうことはできますが、できるだけひとりで健康的に生きられるようにしたほうが経済的にもよいでしょう。
一生独身で生きていくと決めたら、若いうちから、運動の習慣をつけておくと安心です。運動は苦手だという方は、仕事中の椅子をバランスボールに変更したり、スタンディング・デスクに代えたりするだけでもよいでしょう。
一生独身で生きる女性がするべきこと3 社会的つながりやコミュニティを見つける
心の健康を維持するためには、社会的に孤立しすぎないことも大切です。会社でしか人とのつながりがない場合、リタイアした際に孤独を感じてしまうかもしれません。若いうちから、趣味のコミュニティに参加したり、ボランティア活動をしたりして、社会的なつながりを作っておきましょう。
友だちとの関係を維持するための手間を惜しまないことも大切です。今は子育てなどで疎遠になっている友だちでも、子育てがひと段落したら交流が復活する可能性があります。若いうちから様々な人との交流を楽しみ、コミュニティを築いておけば、独身生活だからといって寂しい思いをすることはなくなるでしょう。
一生独身で生きる女性がするべきこと4 スキルアップと自己投資をし続ける
常に学び続けることを忘れないでおきましょう。新しい資格やスキルを取得することで、仕事や関わる人の幅を広げることができます。また、趣味を通じて自分自身を成長させることも大切でしょう。
独身生活が長引いてくると、人生に「飽き」を感じる人もいます。常に新しいことを学び続けることで、人生に飽きて虚しさを感じることはなくなるでしょう。
一生独身で生きる女性がするべきこと5 ライフプランをなんとなく考えておく
自分のライフプランを明確にし、それに基づいて行動すると安心です。どのような生活を送りたいか、老後はどのように時間を使いたいか、を明確にし、それに向けて計画を立てておくと安心です。
ただし、「先のことなんてわからない」という人もいらっしゃるでしょう。その場合は、「理想の生活」を思い描くだけでもよいのです。理想の生活を具体的に思い描くことで、その理想に近づくために、いまとるべき行動が見えてくるはずです。
一生独身の女性は老後にいくら必要?
安定した収入や仕事を持つことが大切だ、と述べてきましたが、「実際、どれくらいの収入があれば老後も安心なのか」と不安に思っていらっしゃる方は少なくないでしょう。
老後に必要な資金は、生活スタイルや健康状態によって大きく異なりますが、一般的には以下のように考えられます。
老後に必要な生活費を月額20万円程度と仮定すると、30年間で約7200万円が必要だと考えられています。会社員の場合、月額15万円程度の年金が見込まれる場合、残りの5万円を補填するためには、老後資金として1800万円の貯金が必要です。
さらに、医療費や介護費などを考えると、2000万~3000万以上の貯金は必要だと考えられています。いまから老後までにこれだけの資金を貯めるためには、毎月いくら貯金をするべきなのか、を計算してみましょう。
「それだけ貯金をしていたら、節約生活になってしまう。若いときに楽しめないなんて、なんのための人生か!」と思われる方もいるでしょう。貯金はマストではありません。老後の不安を解消したいのか、若いいまのうちに欲しいものを買いたいのか、どちらがいいのか、正解はありません。老後の不安を解消したいという方は、収入を上げる、または貯金を頑張る方向性で行動しましょう。
一生独身の女性はいつ終活するべき?
一生独身の女性にとって、ひとつ気がかりなのは、自分が死ぬ際に、様々な手続きをしてくれる人がいるのか、という点でしょう。死に際に周囲の人に迷惑をかけたくないのなら、終活(墓を探すなど、人生の終わりに向けて準備する活動)をしておく必要があります。
終活を始めるのは、一般的には50代から60代が多いようです。40代は、将来を見透けて貯蓄や投資を行い、50代は遺言書の作成や遺品整理、エンディングノートを記入し、60代以降は介護施設の検討や葬儀の準備を行っておけば、準備万端です。
いまは60代でも十分元気で現役感がありますから、「終活なんてまだ早い」と思っている方も多いでしょう。ですが、終活は、安心して老後を迎えるための重要なステップです。早めに準備を始めることで、余裕を持って人生を楽しむことができるでしょう。
さいごに。「心身の健康・経済的自立と安定・社会的つながりの確保」を目指そう!
一生独身で生きていくと決めたなら、心と体の健康、および、経済的自立と安定を目指しましょう。また、社会的なつながりを確保し、社会から孤立しすぎないよう気を配ることも大切です。それさえできていれば、安心して独身生活が楽しめるでしょう。