「ハラスメント騒ぎすぎ」って本当?過剰になった原因と弊害、心構え

パワハラ、セクハラ、マタハラの職場3大ハラスメントだけでなく、耳なじみのないヌーハラにゼクハラ……。

最近、

なんでもかんでもハラスメントと騒ぎすぎだ

騒ぎすぎるのもおかしいのでは?

と感じませんか?

どうしてこのようなハラスメント過剰社会になってしまったのでしょうか?その原因弊害を探りつつ、あなたが加害者にならない心構えをお教えします。

目次

なんでもかんでもハラスメント化!どうしてこんなに騒ぎすぎる?その原因

パワーハラスメントにセクシュアルハラスメントといったよく耳にするハラスメントはもちろん、エアコンの設定温度が問題になるエアコンハラスメント、歌うことが苦手な人にカラオケを強要するカラオケハラスメントなど、様々なハラスメントが生まれている令和の日本。

これまで弱い立場だった人間がようやく声を上げることができる社会になったということでもありますが、それにしても多すぎるし、騒ぎすぎている気も……。

どうしてこうなったのか、その原因を探っていきましょう。

多様性の時代で発言・主張しやすくなった

多様性の時代において、個人が意見や考えを自由に発言・主張できるようになったのは素晴らしいこと。

弱い立場にあった人も、ハラスメントなど不当な扱いに対して声を挙げやすくなったため、これまで埋もれてた声が浮き彫りとなりハラスメントが増加したように感じられることも一つの要因でしょう。

また、多様性は社会を豊かにする一方で、様々な価値観が共存するため、新たな対立も生み出します。オンライン上でも意見の対立が多く見られるようになりました。

オンラインでは素性を隠して匿名アカウントで発言することもできるので責任感が薄れ、衝動的な発言や行動につながりやすい面があります。

結果として、自分の意見を正当化するために、相手を攻撃したり、侮辱したりする言葉の暴力が増加

価値観の多様化が進む一方で排他的な価値観も共有され、異質な意見を持つ人々に対して攻撃的になる閉鎖的なコミュニティでレイシズムが形成されることもあります。

レイシズム(Racism)とは

特定の人種や民族が他の人種や民族よりも優れている、または劣っているという偏見や差別的な考え方、それに基づく行動や制度を指します。

こういった価値観が合わない人同士の摩擦自体がハラスメントに発展することもあり、ハラスメント増加の要因としては見逃せないでしょう。

WEBメディアの発達によるハラスメントの認知拡大

SNSなどWEBメディアでは、どんな人でも意見を発信できるうえ、膨大な情報をすぐ得られます。こういったWEBメディアの発達も原因の一つでしょう。

ハラスメントへの理解や言葉が浸透し、被害者がこれはハラスメントなんだ、訴えていいんだと申告しやすくなった背景もあるでしょう。

同時に間違った理解の人も増えました。しかし誤解した意見でも世界中に発信できてしまいます。この構造も、問題を大きくしている一因でしょう。

加えて世間がハラスメントに神経質になっていることも手伝って、マスコミがハラスメントと報道すれば注目を集めやすくなっています。

特に深刻性の高いハラスメント事件のニュースは、視聴率やアクセス数向上のため、センセーショナルに報道され、必要以上に騒ぐ傾向があります。

耳目を集め、同情心を煽るため、被害者の証言を過度に強調し、加害者を一方的に悪者として描くことで視聴者の被害者意識を煽り、社会全体に不安や不信感を広げる報道が増えています。

そういった扇状的な報道により、ハラスメント問題に対する社会全体の関心が高まり、様々な問題が明るみに出るようになった側面もあるでしょう。

SNSの発達やコロナ禍によるコミュニケーションの減少

SNSの発達やコロナ禍による対面のコミュニケーションが減ったことも、神経質にハラスメントが騒がれるようになった原因として考えられます。

テキストベースのオンラインコミュニケーションでは、表情や声のトーンなど、非言語情報が欠如するため誤解されやすく、やり取りが難しいためトラブルやハラスメントに発展することがあります。

また、コロナ禍で会社の方針がテレワークがメインになった場合、オンラインで業務的なやりとりをするのみになることで、対面でのコミュニケーションが減少し、職場の人間関係が希薄になりやすいです。

その結果、仲が深まることや相手のパーソナリティを知る機会が減り、わずかな発言や行動が誤解されやすく、なんでもかんでもハラスメントとくくってしまう人も出てくるのでしょう。

公私混同は悪!プライベート偏重型になった社会的雰囲気の影響

現代社会において仕事とプライベートのバランスを取る、ワークライフバランスは大きな課題です。

プライベートな時間を大切にしたい意識の高まりは、一方で職場や学校などで同僚や友人とのコミュニケーションを減らし、お互いを深く理解し合う機会を少なくして適切な人間関係が築きにくくなる場合があります。

また個人主義の人が増えることで共同体意識が薄れます。

こうなると他者への配慮が不足するだけでなく、社会全体の規範意識も低下し、ハラスメントに対する抑止力が弱まる可能性が指摘されています。

どこからがハラスメント?境界線が曖昧な問題である

ハラスメントの定義は、時代や社会状況によって変化し、また個人によって解釈が異なります

ハラスメントと冗談の境界線、指導とハラスメントの境界線など、その線引きは非常に曖昧です。明確な基準がないため、何がハラスメントに当たるのか、判断が難しいケースが多く、加害者側は悪意なく行った行為が、被害者にとってはハラスメントに感じられることがあります。

さらにハラスメントかどうかは、状況や関係性によって大きく左右されます。

同じ言葉や行為であっても、状況が変われば、ハラスメントと捉えられる場合もあれば、そうでない場合もあります。

国や地域、世代、組織によっても何がハラスメントとみなされるのか、その基準は異なります。文化や価値観の違いもハラスメント問題を複雑化させています。

曖昧さがもたらす影響として、加害者自身が自分の行為がハラスメントに当たると認識していない場合が多く、行為を繰り返してしまうことがあります。

さらに組織は適切な対応や対策を講じることが難しく、問題が長期化してしまうことがあります。

なんでもかんでもハラスメントと騒ぎすぎ!濫用よる弊害とは?

なんでもかんでもハラスメント認定される社会

は、息苦しく、誰もが望まない状況です。

自分もハラスメントの加害者になるのではないかと、常にビクビクしてしまいますよね。

この過剰に騒ぎすぎる「なんでもかんでもハラスメント」な状況が進んでいくと、どんな不都合が起こるのでしょうか。

ここからは、ハラスメントの濫用による弊害について解説していきます。

騒ぎすぎの影響でコミュニケーションのさらなる減少

ハラスメントの種類が増え、その定義が曖昧になるほど、人々は自分の発言や行動が相手に不快感を与えないか、ハラスメントとみなされないかと不安を抱きやすくなります。

その結果、ハラスメントに発展することを恐れ、積極的にコミュニケーションを取らない人が増えるでしょう。特に意見が受け入れられづらい立場が異なる人や、異質な価値観を持つ人とのコミュニケーションを避ける傾向が強まる可能性があります。

意見交換や議論を避ける風潮が強まると、組織の活性化を阻害します。こうなると新しいアイデアの創出が難しくなるでしょう。

組織のコミュニケーションが減少すると、閉鎖的な雰囲気にもなりかねません。

騒ぎすぎることが組織の健全な発展を阻む

ハラスメントを恐れ、意見を自由に発言できなくなると、本音が言えず、活発な議論や意見交換が難しくなりチームワークが低下し、共同作業がスムーズに進みません。

仕事が停滞するとモチベーションも低下するでしょう。そうなると業務の質や量に直接影響し、組織全体の生産性を下げますし、働きやすい環境が失われると優秀な人材が離職しやすくなります。

ハラスメントが組織に蔓延すると組織文化全体が歪み、健全な成長を妨げる原因につながります。

身体にも精神へもストレスを感じる

何がハラスメントに当たるのか、判断が難しくなると常に不安を感じ、安心してコミュニケーションを取ることが難しくなってストレスが溜まるでしょう。

ストレスによって集中力の低下や不眠、頭痛、肩こりなどを引き起こす人もいるかもしれません。

騒ぎすぎ・言いがかりで人生が変わってしまうケースも

ハラスメントの種類が増えるほど、その定義はますます曖昧になり、同じ行為でも人によって受け止め方が異なり、解釈も多様化していきます。

特に言葉によるハラスメントは物的証拠が残りにくく、被害者の証言だけで判断される事例も少なくありません。例えば上司は指導のつもりでもハラスメントとみなされる場合などが考えられます。

また私的な感情や対立で意図的にハラスメントの濡れ衣を着せられるケースもあり、ますます疑心暗鬼に拍車がかかるかもしれません。

ハラスメント化を防ぐ!こんな行為が○○ハラと受け取られます

ハラスメントと判断するのは、行為をした側ではなく、された側です。

相手がどのように感じているのかを尊重し、第三者の視点から状況を客観的に見ることがハラスメント加害者にならない第一歩です。

普段の口調が厳しい・強いタイプは誤解されやすい!

あなたにそんなつもりはなくても、口調が厳しい・強いと受け取られがちではないですか?

相手にその口調がハラスメントと判断されると関係は悪化していく一方です。

強い口調は相手との間に壁を作り、時に相手を威圧して恐怖心や不安感を与えるかもしれず、良好な人間関係を築くことを難しくします。

日常的に強い口調が飛び交う職場環境では、意見を自由に発言できなくなり、コミュニケーションが阻害されるでしょう。

言葉の選び方によっては相手の能力や人格を否定しているように受け取られ、大きなストレスを与え、精神的な負担を増大させてモチベーションを低下させる恐れがあります。

ハラスメントにならないよう、

感情的になって言葉が乱暴にならないように注意し、相手を尊重し、言葉遣いだけでなく表情や態度にも気を配りましょう。改善点を伝える際には、具体的に建設的に伝えるのがおすすめです。

「部下のため」が建前になっていない?それ、ただの押し付けかも

善意で行動しているつもりでも、相手がどう受け取るかは分かりません。「部下のため」と思ってしていることがあるなら、一度立ち止まって客観的に振り返ってみることが大切です。

上司は部下に対して「部下のため」という言葉を利用して自分の意見を押しつけたり、一方的に指示を出せたりできますが、部下は意見を言いづらい状況にあるため不当な扱いでも我慢してしまうことがあります。

こうなると部下としては、上司が「部下のため」という言葉を盾に、部下の尊厳を傷つけたり、精神的な苦痛を与えたりする行為を正当化しようとしていると受け止められかねない可能性もあります。

また「部下のため」という判断は主観的であり、上司の価値観のみが正しいと決めつけ、部下の多様な価値観を無視していることにもなりかねません。

結果、部下の成長やモチベーションを損なっては本末転倒です。

いまの時代、それはまずい!「無意識の偏見」は至急アップデートを

本人が自覚していないため、相手を傷つけたり、不快にさせたりしていることに気づきにくい「無意識の偏見」

性別や年齢、出身地などに対する固定観念に基づいた発言や、同じ仕事でも性別や年齢などによって評価が異なれば相手を差別しているように受け取られ、傷つけます。

無意識のうちに、特定のグループの人に対して否定的なメッセージを送るような言動を繰り返すことは「マイクロアグレッション」と呼ばれます。一つひとつは小さくても積み重なることで相手は大きなストレスを感じ、相手は精神的なダメージを受けるかもしれません。

偏見をなくすには自分がどのような偏見を持っているのかを自覚し、異なる意見や価値観を持つ人々と積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。

相手のパーソナルスペースにずかずか踏み込んでませんか?

相手のパーソナルスペースに侵入するような物理的な距離が保てない人も、プライベートな質問や個人的な意見を押し付ける心理的距離感が狂っている人も相手からすれば不快です。

相手の気持ちや状況を考慮できずに、自分の都合や価値観を優先して行動してしまうことは人間だったらあるでしょう。

そういった時は相手が不快に思っているサインを出しているはずです。

それを見逃したり、相手の反応を誤解して受け取らないようにしたりすることが、ハラスメントに発展させない重要な対策です。

騒ぎすぎやハラスメントに常におびえる窮屈な社会にしないために

気に入らないことをなんでもかんでもハラスメントで片付けてしまうと、窮屈でストレスの多い環境になってしまいます。

そんな社会にしないためには、相互理解が必要です。

相手の言葉に耳を傾け、自分の気持ちを正直に伝えるコミュニケーションを大切にし、また不快なことがあればNOと言える勇気を持つことも重要です。

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この記事を書いた人

わたしらしい幸せのヒントが見つかるメディアwellfyのアカウントです。

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