断捨離という言葉は、いつからか流行語の枠を超えて、日常生活で頻繁に使われる言葉になりました。
例えば、テレビ番組やSNS、ブログなどで、断捨離をして、
「スッキリした」「人生がすごい変わった」
と発言している人を目にすることもあります。
断捨離は、「いらないものを捨てる」という解釈で広まっていますが、実は、本来の意図はもう少し深いところにあります。
物質的なこと以外にも、すごい効果やメリットがあることをご存知ですか?
本記事では、断捨離の成り立ちや効果、取り組み方についてまとめて解説していきます。

断捨離を始めたいけど、どこから手をつけていいかわからない



どんなすごい効果があるの?



運気にも効果があるって本当?
という方は、本記事をぜひ参考にしてみてください。
断捨離の語源とは?提唱者は、やましたひでこさん


断捨離という言葉を作り、世の中に広めたのは、片付けコンサルタントのやましたひでこさんです。
断捨離という言葉は、もともとヨガの教えに由来しています。大学在学中、やましたひでこさんはヨガ道場に入門していました。そこで、不要な執着を手放し、心身の調和を図る考え方、「断行・捨行・離行」に出会います。
その後、片付けを行う際にヨガのメソッドを活用すれば、誰でも簡単に自己探求をできると気がつき、断捨離という言葉を生み出したのです。そもそも、ヨガと片付け、一見無関係なものを、フラットに捉えつなげる発想力がすごいですよね!
断:不要なものを手に入れることを断つ
捨:手元にある不要なものを捨てる
離:ものへの執着から離れる
という意味を含んだものです。
つまり、断捨離とは単なる整理整頓や片付けを指すのではなく、自分の生活や思考の中から「不要なもの」との関係を見直し、心身ともに自由を得るための哲学なのです。
やましたひでこさんの哲学は、「物との関係」を見直すことで人生全体を見直すきっかけを提供するものだとも言えるでしょう。そういった意味でミニマリズムと近いものがあります。
ミニマリズムとの違いは、ミニマリズムはミニマルな生活にフォーカスしている一方、断捨離はより「不要なものを手放す」ことにフォーカスしているという点です。


断捨離をしたらどんなすごい効果・メリットがあるの?



断捨離なんてばかばかしい
という人がいます。そういった人は、断捨離の効果を疑っているのでしょう。実際、断捨離にはどのようなすごい効果やメリットがあるのでしょうか?
ここでは、断捨離をすることで実感できる可能性のある効果についてまとめ、解説していきます。
心が穏やかになる効果


ごちゃごちゃと物が散らかっている部屋で過ごすことで、視覚的な情報が過多になり、疲れてしまうことがあります。
自由な時間が増える効果
物が少なくなれば、探し物をする時間を大幅に減らすことができます。朝、持ち物や洋服を探すことで時間をロスしてしまう人、多いのではないでしょうか?
また、整理整頓や掃除にかかる時間も減らすことができるでしょう。
金銭的に余裕が出てくる効果


断捨離の「断」を実践し、不用品を買わなくなった場合、金銭的な余裕が生まれる可能性もあります。


自分にとって必要なものが見えてくる効果
不要なものを捨てることで、本当に必要なものがはっきりしてくることも期待できます。
ペトリ・ルーッカイネン『365日のシンプルライフ』(2013)というドキュメンタリー映画が、これと近い効果を証明していておすすめです。主人公の行動力もすごいです!
人生が好転する効果


断捨離をすることで、物理的にも精神的にもスペースが空き、新しいもの、こと、人間関係が自然と流れ込んでくることがあります。
それは、仕事のことかもしれないし、家族のこと、恋愛のこと、趣味のことかもしれません。人によって異なるでしょう。
毎日に、なんとなくマンネリを感じている人にとっても、魅力的な効果ですよね。


「断捨離なんてばかばかしい」と感じる理由とは?
断捨離には上記のような効果やメリットが期待できる一方、「断捨離なんてばかばかしい」と感じる人も少なくありません。また、断捨離を単なる流行だと捉え、



結局、ただの片付けと一緒でしょ?
と疑問を抱く声もあります。
なぜ、断捨離はそういったネガティブな反応を受けやすいのでしょうか?
価値観が合わない人もいる
当然ですが、断捨離が全ての人にとって最適な選択肢であるとは限りません。
物を大切にして、思い出を重視する価値観を持つ人にとって、断捨離は時に、冷たく、合理的すぎるように見えることもあります。
断捨離は思い出やコレクションを否定するものではありません。ただ、『捨てる』という行為自体をネガティブに捉える人がいるのも事実です。
「必要のないものでもとっておきたい」「たくさんのものに囲まれている方が落ち着く」という人もいるので、そういった人にとっては、断捨離はばかばかしく感じられるのでしょう。
意味が正しく伝わっていない


中には、「断捨離=片付けの言い換え」だと捉えている人もいます。
そういった断捨離の哲学を理解していない人にとっては、「単なる片付けなのに、断捨離という言葉を作るなんてばかばかしい」「効果がすごいと言われているけど、たかが片付けでしょ」と感じられるのでしょう。
始めるには?「断つ、捨てる、離れる」方法まとめ
断捨離を始めたいなら、提唱者であるやましたひでこさんの著作を読むのがよいでしょう。
しかし、中には、本を読む時間がない、という人もいらっしゃるはずです。ここからは、手軽に断捨離を始めたい人向けに、断捨離の方法をご紹介していきます。
単なる片付けにならないよう、断捨離のポイント・コツを抑え、すごい効果を引き出しましょう。
目標を明確にする
まずは、断捨離をする理由を明確にしましょう。



すっきりした部屋に住みたい



不要なものを手放して、新しいことに挑戦したい
など、
断捨離の「断」を決める


例えば、自分は必要以上に服を買いすぎている、新品を買うのは環境にも良くないから買いたくない、という気持ちがあるとします。
その場合は、「新しい服を買うのはワンシーズン1着のみ」「基本的には古着屋さんで買う」など、自分なりの目標を見つけましょう。
断捨離の「捨」の基準を決める
次に、どういったものを捨てるのか、の基準を設けましょう。
片付けコンサルタントの近藤麻理恵こと『こんまり』さん流に「ときめくかどうか」を基準にするのもありです。
しかし、もう少し明確な基準が欲しいという場合は、「一年以上使っていなかったら捨てる」などの基準を設けるのもいいでしょう。捨ててから後悔しないようにするためにも、基準を設けることは必要です。
一気に捨てようとしなくていい
いきなりすごい数の物を整理しようとすると、圧倒されて、進まなくなってしまいます。
また、「1日、1個だけものを捨てる」と決めて捨て始めるのもいいでしょう。1日1個というと少なく感じるかもしれませんが、毎日続ければ、1ヶ月で30個、1年で365個捨てることができ、1年後にはだいぶスッキリしているはずです。
リサイクルや寄付も検討してみる


冷蔵庫など大きな家具家電は、粗大ごみとして捨てるのにお金がかかるので、こういったサービスを利用することで、逆に少しでも収入になると嬉しいですね。
また、寄付は、多くの人にとって「自分が誰かの役に立てた」という満足感を得られる行為です。ただし、不必要なものを寄付されても、寄付された側は困ってしまいますから、本当に求められているものだけ寄付するよう心がけましょう。
断捨離の「離」。ものへの執着を手放す
最後は断捨離の「離」、つまり、執着を手放す段階です。
不要な物を買わないように心がけ、いらないものを捨てることで、気持ちはスッキリするでしょう。しかし、当分は、買わないと決めていたのに買ってしまったり、物を捨てた側から物を増やしてしまったりするかもしれません。


断捨離の効果は人それぞれ、まずは少しずつ始めてみよう
断捨離は、単なる片付けではなく、
物を通じて自分の人生を見直す行為であり、哲学です。
断捨離は全ての人が効果を実感できるものではありません。しかし、断捨離を通じて人生を好転させられた人が存在しているのも事実です。
運気が変わる!と断言できるものではありませんが、断捨離を体験した人の中には、
「気持ちが軽くなった」「人間関係の整理につながった」「健康面でも良い変化を感じた」
と話す人もいます。
断捨離に興味があるのなら、まずは小さな一歩から少しずつ始めてみましょう。「断捨離なんてばかばかしい」と感じる人も、実際に取り組んでみることで、思わぬすごい効果を実感できるかもしれません。
例えば、クローゼットの中から不要な服を処分するだけでも、気持ちが前向きになるかもしれません。読まずに放置している本や、使わなくなった食器、何十年も前の書類など、わかりやすいものから処分するのもいいでしょう。
少しずつ取り組みながら、自分にとっての最適な断捨離を見つけていきましょう。



