ミニマリストとは、自分にとって本当に必要なものだけを選び、ミニマルな生活を追求する人たちのことを指します。
有名なのは、同じジーンズとタートルネックばかりを身につけていたスティーブ・ジョブスの生き方でしょう。スティーブ・ジョブスは服を選ぶ時間短縮することで、生活をシンプルにし、本当にしたいことに時間を使ったと言われています。
また、物があふれる現代で物欲に流されず、精神的な豊かさを重視するために、ミニマルに暮らしている人もいます。
メリットが多そう、且つすぐに始められそうで、「ミニマリストになりたい!」と、心惹かれるものがありますよね。
ですが、ミニマリストになりたいからと言って、いざ実践してみると、
ミニマリストになりたいけど目的が分からなくなった
ということも。
今回は、ミニマリストとは何か、なぜ心惹かれるのか、なぜミニマリストになりたいのに挫折してしまうのか、などについて簡単に解説していきます。
ミニマリストになりたい!ミニマリストの基本的な考え方とメリットとは?

ミニマリストになりたい!という前に、まずはミニマリストの基本的な考え方を見ていきましょう。
無駄を減らせる
ミニマリストは、必要最低限の物で暮らすことで、さまざまな無駄が減らせます。
具体例としては、
- 服やアクセサリーを選ぶ時間が減る
- 掃除や整理整頓、収納といった雑務が減る
- 物を探す時間が減る
- 必要ないものを買ってしまった後の後悔が減る
- 物を買わないことで、労働時間が減る可能性がある
- お金に余裕があるので、ストレスが減る
などの実益が見込めるのです。
自由が手に入る

ミニマリストは、ミニマルな生活をすることで自由が手に入ると考えます。
例えば、
- 物を買うために働かないでいいので、自由時間が増える
- 物が少ないので思い立った時に、身軽に引っ越しができる
- 物を買わないのでお金に余裕ができ、金銭的に自由になる
- 競争社会から離脱し、自由になれる
などのメリットが考えられます。
本当に大切なもの・いるものがわかる
ミニマリストは、「少なすぎる物で暮らしている変人」と思われることがよくあります。
メディアで取り上げられるミニマリストは真っ白な部屋で、白いティーシャツとデニムだけを着た、徹底的に無欲な仙人風のルックスの人が多いので、そう思われることも致し方ないことでしょう。
例えば、服が大好きなミニマリストの場合、部屋中に服が溢れている、というケースもあるのです。服にはお金をかけるけれど、そのほかの点には全くお金をかけず、ミニマルに生活している場合、ミニマリストの定義に当てはまります。
ミニマリストになるには、「自分にとっての必要最低限の物とは何か」を見極める必要があります。それゆえ、ミニマリストになる過程で、不要な物を捨て去ることになります。
この考え方は物質的な所有物に限らず、人間関係や時間の使い方にも応用できます。
例えば、不要な付き合いや過剰なスケジュールを見直すことで、自分にとってより必要な時間を捻出することもできるのです。
ミニマリストになりたいと思う心理・理由とは?

多くの人がミニマリストになりたいと考える心理・理由の一つに、現代社会特有のストレスがあります。
物質的にも精神的にも軽やかでいたい
現代社会では、あらゆるところに広告が貼られています。ネットを開ければ広告の嵐であり、SNSを見ていると流行りの服やアクセサリーを購入したくなるでしょう。
そういった人にとって、

それらは全部いらない。私はいるものはすでに持っている
という超然とした態度を取れるミニマリストは、カッコよく見えるのでしょう。
物理的にも精神的にも軽やかになりたい、余裕を持ちたい、広告や他者のSNSに踊らされないでいたい、と考え、ミニマリストに憧れを持つ人もいます。
本当に大切なことに時間を使いたい


家族を持つ人々にとっては、ミニマリストへの転向は家族との時間を増やすきっかけにもなりえます。
例えば、おもちゃや衣服を減らすことで子供の集中力を高めたり、家族全員で片付けや断捨離を行ったりすることで絆を深める、といった効果が期待できるかもしれません。
また、家庭内で共有スペースをすっきりさせることで、家族全員が快適に過ごせる環境を作ることも可能です。
このように、家族など自分にとって本当に大切なことに時間を使いたいから、そのほかはミニマルにしたい、という目的でミニマリストを目指す人もいます。


本当に必要なものを見極めたい=自分らしく生きたい
ミニマリストの生き方は自己実現にもつながります。物を減らすプロセスで自分が本当に大切にしているものに気づき、それを基に目標を設定することで、充実感を得ることもできるのです。
不要なものに囲まれて暮らしながら、「こんな生き方は望ましくない」と考えている人の中には、不要なものと必要な物を見極めて、より自分らしい生き方がしたい、という目的でミニマリストを目指す人もいるのです。


ミニマリストになりたいのに失敗してしまう理由とは?
ミニマリストの生き方には失敗や挫折、障害にぶつかることもつきものです。
ミニマリストになりたいあまり、物を減らしすぎた


断捨離などで、所有物を減らしすぎて不便に感じたり、必要最低限の服しか持っていないために、TPOに応じたファッションができずに困ったりしたことがきっかけで、ミニマリストになることを諦めてしまう人もいます。
そういった挫折を避けるために、生活の必需品は捨ててしまわないよう注意しましょう。
個性がないと言われる
シンプルなファッションを選んだ場合、個性がない、と批判される可能性もあります。
本当に自分がそれでいいと思うなら、他人の言葉に揺らぐ必要はないでしょう。
個性がない、という言葉に揺らぐということは、自分もそのファッションに納得できていなかった、ということですから、自分も納得がいくファッションを模索していく必要があります。
ミニマリストになりたいことを家族・パートナーに反対される


家族やパートナーがミニマリストの考え方に賛同せず、摩擦が生じる場合もあります。
対処法としては、例えば、共有部分はこれまで通りにしておいて、個人の部屋だけミニマリスト的な生き方を徹底するなど、妥協点を見つけることで、ミニマリストの暮らしを続けやすくなります。
ミニマリストになりたい気持ちが一時の誘惑に負ける
一時的な誘惑に負け、物を増やしてしまったことで、「もうミニマリストになるのは無理」と挫折してしまうケースもあります。
ミニマリストになりたいなら。まずは無理のない目標を設定しよう
最初から真っ直ぐにミニマリストの道を進める人はいません。失敗を恐れず、試行錯誤を重ねることがミニマリストの道を進む上では不可欠なのです。
ミニマリストになりたいのなら、まずは、自分に合ったペースで進めることが重要です。一度に多くのものを手放すのではなく、時間をかけて小さなステップから始めてみましょう。
手始めに、週に一つだけ不要な物を手放すことから始めてみるのも良さそうです。


ミニマリストになりたい人におすすめの書籍・映画


次に、ミニマリストになりたい人におすすめの書籍や映画をご紹介します。
ミニマリストになりたい人も、ミニマリストのメリットや心理に興味がある人も時間がある時に、ぜひチェックしてみてくださいね。
『ぼくたちに、もうモノは必要ない。断捨離からミニマリストへ』(ワニブックス)佐々木典士
本書は、ミニマリストブームのきっかけとなった一冊です。
物に溢れた部屋で暮らしていた佐々木さんがどのようにミニマリスト的な生き方に目覚め、実践していったのか、そしてどのような変化が得られたのかが詳細に綴られています。
『ミニマリストの部屋づくり』(エクスナレッジ)おふみ
本書は、ミニマリストの部屋づくりにフォーカスした一冊です。
『フランス人は10着しか服を持たない』(大和書房)ジェニファー・L・スコット
こちらは、衣服の選別に特化した一冊です。
『今求められるミニマリズム』Netflix
アメリカでミニマリスト的な生き方の火付け役となったジョシュア・フィールズ・ミルバーンとライアン・ニコデマスによるドキュメンタリーです。
『The True Cost』現在配信なし
『The True Cost』は、ファッション業界の裏側を描いたドキュメンタリーです。ファストファッションがどのような搾取構造の中で生み出され、どれほど環境を破壊するのか、を知ることができます。
ただ、残念なことに現在日本では本作のサブスク配信がないため、観るためにはDVDを買うか、配信を待つ必要があるようです。
『Happy 幸せを探すあなたへ』Amazonプライムビデオ
本作は、幸福感と物質的な所有の関係を探るドキュメンタリーです。
ミニマリストになりたい?まずは簡単なところから始めてみよう
ミニマリストは単なる「物を減らす」生き方ではありません。
ミニマリストになることで、ストレスの軽減や家族との関係改善、時間的余裕ができるなど、多くのメリットを実感できる可能性があります。
また、物が溢れ、普通に生きているだけで物欲を刺激される現代だからこそ、求められている生き方でもあります。
しかし、ミニマリストになりたいからと言って、一気に物を捨てたり、生活を変えようとしたりすると挫折してしまうかもしれません。
まずはできるところから始めるのがおすすめです。
例えば、「新しい服を買うときは、古い服を一着捨ててから」「一日ひとつ不用品を捨ててみる」などのプチ断捨離から始めてみてください。
物との向き合い方を考え、持てる物を厳選することで、より快適な生活へとつながります。
部屋がスッキリするに従って次第に心もスッキリと晴れていき、本当に必要なものが見えてくるかもしれません。
自分に合ったコツを見つけながら、無理なくミニマリストの暮らしを目指してみてください。



