あなたは理想が高すぎて人生がつらい、なんて感じていませんか。
理想が高すぎると人生がうまくいかない、なんて耳にしたことがある方も多いでしょう。理想が高すぎると、
- 現実とのギャップに苦しむ
- 目標達成が難しくて挫折感を味わいやすい
- 柔軟性が失われて人間関係が悪化し、幸福感が得られにくい
などにつながることが考えられます。
幸せな人生を送るため、どうして理想が高くなってしまうのか、その原因と解決策をお届けします。
人生や自分自身に対する理想が高すぎる原因
目標に向かってがんばるのは素晴らしいですが、それでは生きているだけでしんどくなるはず。
完璧主義、過去の成功体験、強い責任感、生育環境、SNSをはじめとするメディアの影響、未来や失敗することへの不安、承認欲求が強い、他者よりも優位に立ちたい。
理想が高くなる原因は複数考えられ、さまざまな理由が絡んでいる場合もあります。
高望みをしてしまう自分を直すために、まずはどうして理想が高くしまうのか、その原因から探っていきましょう。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低いと、自分が許せず、自分に対する理想が高まり続ける恐れがあります。
- 幼少期にきょうだいなどと比較されて否定的な言葉をかけられた。
- 過去に大きな失敗や挫折を経験し、失敗を恐れて新しいことに挑戦できない。
- 周囲と比べて劣っていると感じる。
- 完璧主義で自分に対して厳しすぎる。
- 思考がネガティブ。
など、自己肯定感が低くなってしまう原因はいろいろありますが、完璧を目指し続けると大きなストレスとなって心身に悪影響を及ぼしがち。他人にも厳しくなってしまい、人間関係がうまくいかなくなることもあり得ます。
自分軸ではなく他人軸で生きている
他人軸で生きていると周囲の期待に応えようと、自分の気持ちや希望を抑え込みがちになります。
そうなってしまうと自分らしさを失い、生きがいを見出せなくなる可能性が考えられます。さらに自分の意見や価値観がはっきりしなくなると、決断できなくなって優柔不断になる弊害も生まれるかもしれません。
他人軸だと自主性が損なわれるため、自身では解決できない不安な状況や予測できない事態を避けたい心理が働き始めます。失敗したくないと周囲の人間をコントロールしたい気持ちが生まれ、人間関係に亀裂が入る可能性があります。
親や周りからの期待とプレッシャー
親や周りの人の期待は、自身の成長に向けて努力する気持ちを育んでくれることがあります。
一方で、期待が重くなると、周囲から認められたい気持ちが強くなり、完璧な成果を出さなければならないと、自分を追い詰めてしまうことにもなりかねません。そのプレッシャーや不安感から逃れるために理想的な自分を妄想し、現実逃避してしまうことが考えられます。
さらに周囲の人の期待に合わせることで、自分の個性や才能を伸ばすことができなくなることがあるとも言われています。
SNSやメディアの影響
SNSをはじめとするメディアは私達の生活に浸透していますが、依存してしまうと様々な悪影響が現れます。
SNSで他人の幸せそうな様子やキラキラした日々を見て、自分の理想や目標を過度に高く設定してしまったり、自分だけが取り残されているように感じて焦ってしまうことがあります。
これはFOMO(Fear of Missing Out/取り残される不安という意味)と呼ばれ、現代のSNS病とされています。
さらに画面の向こうの誰かと自分を比較していると、自己肯定感が低下する可能性があります。
理想が高い自分を直したい! 理想と現実のバランスを取るコツ
理想が高すぎると、現実に満足できなくなったり、ストレスを感じてしまったり、といいことはありません。理想と現実のバランスを取って、生きやすくする方法をお伝えします。
自分の強みと価値を認識する
これまでの人生で達成感があったこと、うまくいったこと、褒められたことを具体的に書き出してみましょう。日々のできごとや感じたことを記録することも、自分の行動パターンや思考回路を客観的に分析するうえで役立ちます。
家族や友人、同僚といった信頼できる他人に、自分の長所や改善点について尋ねてみるのもいいですね。自分では思いつかない、人に聞くのが恥ずかしい人は、MBTIなどの性格テストやストレングスファインダーなどの強み診断ツールを活用して、客観的に把握してもいいでしょう。
また自分が楽しんでいること、熱中できることを深掘りすることで、自分の興味関心や才能を発見できることがあります。
自分の強みを活かせる活動や仕事を見つけることが、より充実した人生を送るための第一歩です。
また、人には必ず複数の強みがあります。一つの強みに固執せず、様々な角度から自分を観察してみましょう。
理想と現実、その中間を見つける
理想と現実のギャップが大きい人は、現実に不満を感じてストレスが溜まり、幸福度が低い傾向にあります。
高い理想ばかり掲げるのではなく、自己成長するため現実的な視線を持って目標を設定しましょう。
ただし「幸せになりたい」という漠然とした内容ではなく「毎日30分読書をする」「週に1回友人と会う」など、達成に向けて実行しやすい具体的な行動目標にすることが大切です。
自分の強み・弱み、資質だけでなく、時間やお金、人脈など現実的な制約も書き出すと、より具体的な目標設定ができるでしょう。目標達成を目指すあまり、自分を追い詰めすぎては本末転倒。
目標を小さなステップに分け、一つずつクリアしていき、達成までの過程を楽しんでください。目標を定期的に見返せばモチベーションが維持でき、自己成長を促せるでしょう。
挫折しても、立ち上がって再び挑戦する柔軟性を持つことも大切です。
自分を褒める習慣をつける
自己肯定感を高め、より充実した日々を送るために非常に効果的とされるのが、自分を褒める習慣を持つこと。
- 今日の私は最高!
- 私はできる
- 私は価値のある人間だ
など、肯定的な言葉を声に出しましょう。
自分を責めることをやめ、自分のいいところを認めることで、ストレスが軽減され、自己肯定感が高まります。自信を持って人と接することができて人間関係が円滑になり、モチベーションが上がって欲が湧いてきます。ストレスも軽減されるので、心身の健康にも良い影響を与えるでしょう。
80%で十分だと考える練習をする
常に完璧を求めることは心の負担になります。しかも完璧主義者は他人にも厳しくしがちで、良好な関係性が築きにくいでしょう。
100点満点を目指さないことには、多くのメリットがあります。80%の状態を受け入れることができれば、心の余裕が生まれます。また人間関係も円滑になり、良好なコミュニケーションを取れるようになる可能性が高まります。より柔軟な思考ができるようになって新しいアイデアが生まれやすくなり、挑戦意欲が湧き、成長の機会が増えるでしょう。
SNSやメディアにハマりすぎない
SNSをはじめとするメディアと適切な距離を取ることは、現代人にとってとても重要なこと。
アプリを削除または通知をオフに設定するだけでも、他者との比較や情報過多によるストレスから解放され、心の平穏を取り戻すことができます。さらに睡眠の質が向上したり、ストレスが軽減されたりすることもあるので、心身の健康にいい影響が生まれるでしょう。
通知や情報に振り回されることがなくなれば、仕事や勉強に集中できるようになりますし、現実の人間関係を大切にする気持ちが強くなって、より質の高いコミュニケーションが取れます。
アプリの削除はいきなりハードルが高いと感じる場合は、利用時間を決めて、SNSやメディアに触れる時間を意識的に減らしてみてください。
人生なんて想定どおりにいかないのが当たり前
理想を持つことは素晴らしいですが、過度になると心身に大きな負担をかけます。
天気や経済状況、社会情勢などに加え、周囲の人々の行動や考え方は、私たちの予想を裏切ることもあり、コントロールできません。そもそも未来のことは誰にもわかりません。それに人間は常に成長し変化する生き物。過去と今であなたの価値観や目標も変わっていませんか?
完璧な計画を立てて、順調に進まないとイライラしては損。想定外の出来事が起こるからこそ、人生はおもしろい。予想外のことが起こっても柔軟に対応し、変化を楽しむ姿勢を持つことが大切です。