完璧を目指さない暮らしで、日々をもっと充実させませんか?
部屋の隅のホコリが気になる。メールの返信が完璧じゃない気がする。今日も料理は手抜きだった、運動もできなかった、自分磨きもできていない。
夜、ベッドに入ると頭の中で「ダメ出し大会」が始まる。そして翌朝、「今日こそは完璧に!」と誓うけれど、また同じように終わる――そんな毎日を送っていませんか?
実は、この「完璧主義のループ」こそが、あなたを疲れさせている正体です。
この記事では、完璧を目指さない「ほどよく頑張る」方法4つをご紹介していきます。ご紹介する完璧を目指さない方法は、無理なく自分らしさを大切にしながら、日々の生活にバランスをもたらす手助けになるはずです。
今日から一緒に、完璧を目指さない「ほどよく頑張る」丁寧な暮らしを始めていきましょう!
完璧を目指さない「頑張る」と「無理をする」は、似て非なるもの
認知行動療法では、「思考のクセ」が行動や感情を左右すると考えます。完璧主義の人は、「頑張る=100%を目指すこと」だと無意識に信じていることが多いのですが、これは落とし穴です。
本当の「頑張る」は、エネルギーを使った後に充実感や成長を感じられる状態です。朝ランニングをして「気持ちいい!」と思えるなら、それは頑張りです。
一方、「無理をする」は、エネルギーを使った後に疲労と罪悪感しか残らない状態を指します。「走らなきゃダメだ」と自分を責めながら無理やり走るなら、それは無理をしている状態です。
違いは「~したい」(頑張る)か「~しなきゃ」(無理をする)か。少しの差ですが、心と体への影響は雲泥の差なのです。
【チェックリスト】あなたは頑張っている? それとも無理している?
- 終わった後、「やってよかった」より「やっと終わった」と感じる
- 誰かに褒められても「まだまだ」「でも本当は」と打ち消してしまう
- 「これくらいできて当たり前」が口癖
- 勉強や仕事、家事を休むと罪悪感を感じる
- 小さなミスをいつまでも引きずる
3つ以上当てはまるなら、あなたは頑張っているのではなく、自分を無理やり走らせている可能性が高いでしょう。

完璧主義は、パフォーマンスを下げる

皮肉なことに、完璧を目指すほど、パフォーマンスは下がります。なぜなら人間の脳は、ずっと緊張状態では機能しないからです。
心理学の研究では、「80点を目指す人」の方が、「100点を目指す人」より、結果的に高いパフォーマンスを出すことが分かっています。余裕があるから柔軟に対応でき、失敗を恐れず挑戦できる、そして何より、楽しめるから続けられるのです。
完璧主義の人が陥りがちなのは、「100点じゃなければ0点」という極端な思考です。90点取っても「10点足りない」と落ち込んでしまうのです。
でも冷静に考えてみてください。90点って、素晴らしい成果ですよね? それなのに、もっと上を目指して自分を責めてしまい、責めることでパフォーマンスが下がるなんて、もったいない話です。
完璧を目指さない「ほどよく頑張る」ための自己受容

アドラー心理学には「自己受容」という概念があります。これは「自分はダメだ」と卑下することでも、「自分は完璧だ」と過信することでもなく、「自分はこういう人間だ」と認めることです。
完璧じゃない自分を受け入れることは、諦めではありません。
むしろ、現実を正確に把握した上で、できることを着実にやっていく。
完璧を目指さない。今日から始められる「ほどよく頑張る」方法4選
次に、具体的に完璧主義をやめ、「ほどよく頑張る」方法をご紹介します。
「合格ライン」を先に決め、口に出して「合格!」と言う
何かを始める前に、「ここまでやれば合格」というラインを設定しましょう。料理なら「食べられればOK」、掃除なら「いらないものを5つ捨てられたらOK」など、最初はハードル低めから始めてみてください。
そして、その合格ラインに到達したら、「合格!」と声に出して言ってみてください。
仕事・家事で「やらないことリスト」を作る
完璧主義の人は「やることリスト」を作るのが得意ですが、今日は逆をやってみましょう。「今日やらないことリスト」を作るんです。
「今日は洗面所の掃除はしない」「返信は今日しない。明日でいい」「夕飯は凝った料理はしない。冷凍餃子で決定」。
「6割の日」を設ける
100%を目指す日ばかりでは息切れします。最初から「今日は6割でいく日」と決めてしまいましょう。
朝起きたら「今日は6割の日」と宣言。メイクも仕事も家事も、「これくらいで十分」を味わう日。実際にやってみると、6割でも案外、何も問題が起きないことに気づくはずです。
「失敗の受け入れ方」を練習する
何かうまくいかなかったとき、「やっぱり私はダメだ」ではなく、「なるほど、この方法は違ったのね。次はこうしてみよう」と言い換えてみてください。
最初は演技でもいいんです。言葉を変えると、思考が変わります。
完璧を目指さない「完璧主義を手放すと、手に入るもの」とは?

「完璧」を手放すと、失うものがある気がしますよね。でも実際は、逆なんです。
余白が創造性を生み、チャンスを連れてくる
予定をギチギチに詰めると、予想外のチャンスを逃します。友達の誘い、新しい趣味、ふとしたインスピレーション――こういうものは、心に余白があるときにしか入ってきません。
「暇」は悪いことではありません。
何も予定がない土曜日に、ぼーっとカフェで過ごす。その時間に、本当にやりたいことが見えてくることがあります。
人間関係が深まる
完璧主義の人は、「弱みを見せたら嫌われる」と思っています。でも実は、完璧な人は近寄りがたいものです。ちょっと抜けている人、失敗を笑える人の方が、人は親しみを感じます。
「今日、失敗しちゃって」と笑って話せる関係性や、「ごめん、今日は無理」と断れる関係性――そういう素の自分を出せる関係だからこそ、人間関係は深まります。
本当の自信が手に入る
矛盾するようですが、完璧を目指すのは、実は自信のなさの表れです。「完璧じゃないと価値がない」と思っているから、必死に完璧を装うのです。
「完璧じゃなくても、私には価値がある」と思えたとき、初めて本当の自信が生まれます。完璧じゃない自分でも、誰かの役に立てる、誰かを笑顔にできる。そう実感できたとき、肩の力がすっと抜けるのです。
完璧を目指さない。人生は長距離走。ペース配分を大切に
完璧を目指さない「ほどよく頑張る」は、手抜きでも妥協でもありません。それは、長距離を走るためのペース配分のようなものです。
短距離走なら全力疾走でいいでしょう。でも人生は、マラソンです。最初から飛ばしすぎたら、途中で倒れてしまいます。休息も大切です。
70点でも、毎日続けられれば、1年後には大きな成果になります。でも100点を目指して3日で挫折したら、結果はゼロです。
どちらが賢い選択か、答えは明白でしょう。
ハードルを下げ、完璧を目指すのをやめたとき、あなたはもっと多くのことを成し遂げられます。
そして何より、日々の暮らしが、もっと軽やかになります。朝起きたとき「今日も頑張らなきゃ」じゃなくて、「今日はどう過ごそうかな」と思える。そんな風に毎日を考えられる生き方を、選んでみませんか?



