年下をおばさん扱いも…勘違いおじさんの特徴・心理・対処法【気持ち悪い!】

職場や日常生活で、時折遭遇する「勘違いおじさん」。

彼らは、

女性は30歳を過ぎたら終わりだけど、男性は年を取れば取るほど魅力が増す

などと平気で口にし、自分より年下の女性に対してさえ「おばさん」呼ばわりすることがあります。

なぜ一部の中年男性はこのような勘違いをしてしまうのでしょうか。また、撃退したい勘違いおじさんに遭遇したとき、私たちはどう対処すればよいのでしょうか。

本記事では、勘違いおじさんの特徴心理、そして効果的な対処法について詳しく解説していきます。

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今来今

編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、執筆・連載中。視界が開けるような記事を発信していきたいです。

目次

勘違いおじさんとは?

勘違いおじさんとは…

勘違いおじさんとは、自分の年齢立場魅力客観視できず、「現実とは大きくかけ離れた自己評価を持つ中年男性のこと」を指します。

特に40代から50代の男性に多く見られる現象で、「男は金、女は若さ」という古い価値観に固執し、年齢を重ねることで自分の価値が上がっていると錯覚しているケースもあります。

彼らの最も特徴的な行動の一つが、自分より年下の女性、時には20代の女性に対してさえ「おばさん」呼ばわりすることです。

異性を品定めする権利が自分にはあるが、俺の年齢や容姿のことはジャッジされるはずがない」という勘違いを、勘違いおじさんはしがちです。

それゆえ、勘違いおじさんは自分の年齢や容姿を棚にあげ、女性を品評します。

勘違いおじさんの典型的な特徴まとめ

次に勘違いおじさんによく見られる特徴について見ていきましょう。

年齢に関する自分に都合のいい価値観を持つ

勘違いおじさんの最も顕著な特徴は、年齢に関する極端に偏った価値観を持っていることです。

「女性は25歳がピーク」「30歳を過ぎた女性は価値がない」などと平気で口にする一方で、「男性は40代、50代になってから本当の魅力が出る」などと言います。

年下の女性同僚に対して君ももうおばさんだね」などと軽々しく言い放つ40代、50代の男性は、まさに勘違いおじさんの典型例と言えるでしょう。

勘違いおじさんは自分の外見への過度な自信を持ちがち

多くの勘違いおじさんは、自分の外見に対して根拠のない自信を持っています。

「◯才なんですか?見えない!?」というお世辞を間に受けて、本当に年齢より若いルックスなのだと思い込んでいるのです。

またお腹が出ていたり、薄毛が進行していたりしても、「男性は中身が大切」「渋さが出てきた」などと自分を評価するケースもあります。ある意味、この自己肯定感の高さは、見習うべきものがあるでしょう。

しかし、勘違いおじさんの多くは自分のルックスに対する評価が甘々な一方、女性に対しては外見的な若さや美しさを過度に求めるという矛盾した態度を取る点が曲者です。

金があることがアイデンティティになっている

「男は金、女は若さ」という古い価値観にとらわれた勘違いおじさんは、経済力があれば若い女性にモテると信じています。

確かに経済的安定は魅力の一要素ですが、それだけで人間関係が成り立つと考えるのは大きな勘違いです。

特に気持ち悪いのは、この経済力を武器に年下の女性に上から目線で接する態度です。「おごってやる」「いいものを教えてやる」といった恩着せがましい言動は、多くの女性に不快感を与えています。

勘違いおじさんは客観性がなく、若い女性に平気でアプローチしがち

勘違いおじさんの中には、自分の年齢より10も20も離れた女性に好意を持ち、平気でアプローチする人も少なくありません。

自分が加齢している自覚がないので、「この年齢差でアプローチするのは気持ち悪いかな」という謙虚さは皆無です。

昭和な価値観を引きずり、時代の変化についていけない

昭和の価値観にとらわれた勘違いおじさんは、現代の多様な働き方や生き方を理解しようとしません

「女性は家庭に入るのが一番」「結婚しない女性は負け組」

彼氏いないの? 作った方がいいよ

などと平気で言い、現代女性の自立した生き方を否定します。

勘違いおじさんはコミュニケーション能力が低い

勘違いおじさんの多くは、適切なコミュニケーション能力を欠いています。

相手の気持ちを考えずに一方的に話し続けたり、女性の意見を軽視したりする傾向があります。特に、年下の女性に対しては説教臭くなったり、上から目線でアドバイスしたがったりします。

なぜ?おじさんが勘違いしてしまう理由・心理

次に、勘違いおじさんが勘違いしてしまう理由について見ていきましょう。

認知的不協和を解消したい

認知的不協和」とは、自分の信念と現実が矛盾したときに生じる不快感のことです。

勘違いおじさんは、「自分はまだまだ魅力的であるはず」という信念と、「実際にはモテない」という現実との間に生じる不協和を、現実を歪めることで解消しようとします。

「最近の若い女性は見る目がない」「女性は外見ばかり重視して中身を見ない」

などと外部に責任を転嫁することで、自分の魅力に対する信念を維持しようとするのです。

加齢への不安を和らげたい

年齢を重ねることへの不安も、勘違い行動の大きな要因です。

特に40代、50代になると、体力の衰えや外見の変化を実感するようになります。

この不安を和らげるために、「男性は年を取るほど魅力が増す」「女性の方が早く老ける」などと自分に言い聞かせるのです。

時代の変化を受け入れたくないという反発心

昭和の女性蔑視的な価値観が蔓延する世界で生きていた中年男性は、「男性は女性をジャッジしていい。男性はジャッジされない」という世界観を引きずりがちです。

現在は、男性も容姿をジャッジされる時代です。本当は勘違いおじさんも時代が変わっていることにはなんとなく気がついているはずです。

しかし、変化を受け入れたくないという気持ちが強いため、

女は美人で若い方がいい! 男は年齢や容姿は関係ない!

と主張したくなってしまうのでしょう。

メディアがおじさんの勘違いを助長している

テレビや雑誌などのメディアでは、年上の男性と年下の女性のカップルがよく取り上げられます。メディアに登場する年齢層を調査したところ、女性は20代がピーク男性は40代がピークになります。

また、「男性は年を重ねてから魅力が出る」「ロマンスグレー」といった論調の記事も多く見られます。メディアの重役が年配の男性ばかりなのですから、このようなジェンダー差が出るのは当然の流れでしょう。

ドラマでは頻繁に中年男性と若年女性が恋人役として登場しています。このようなメディアの影響により、「男性は何歳になってもイケてるし、若い女を狙っていい」という勘違いが助長されるのです。

年下の女性をおばさん扱いする、勘違いおじさんの心理

自分より年下の女性を「おばさん」呼ばわりする行為は、勘違いおじさんの中でも特に問題のある行動です。この行為の背景には、以下のような心理があります。

男性が見る側・女性が見られる側という思い込み

年下の女性を「おばさん」と呼ぶとき、自分が「おじさん」であることは透明化されています。

男性は女性を見て評価する側であってその逆ではない、と思い込んでいるのです。

そのため、このような勘違いおじさんは、

「何? おじさん」

と反応されたら面食らうか、怒り出すのです。

コンプレックスの裏返し・投影

自分の年齢にコンプレックスを持っている勘違いおじさんは、相手を先に「おばさん」呼ばわりすることで、自分が「おじさん」と呼ばれることを回避しようとします。

これは心理学でいう「投影」です。投影とは、受け入れ難い自分の劣等感をあたかも相手が持っているかのように感じてしまう心の動きのことです。

おじさんの支配欲の表れ

「おばさん」という言葉で相手を貶めることで、相手をコントロールしようとする支配欲の表れの場合もあります。

特に職場などの権力関係がある場面では、この傾向が顕著です。

勘違いおじさんから「おばさん」と言われたときの対処法とは?

勘違いおじさんから「おばさん」呼ばわりされたとき、多くの女性がショックを受けます。ここでは対処法をご紹介します。

適切な対処法を知っておけば、精神的なダメージを最小限に抑えることができるでしょう。

冷静に事実を指摘する

まず大切なのは、感情的にならずに冷静に対応することです。相手の挑発に乗ってしまうと、余計にエスカレートしてしまう可能性があります。

あなたの方が年上ですよね」と毅然とした態度で伝えましょう。感情的にならず、事実を淡々と指摘することが効果的です。

周囲の人に相談する

何度も繰り返される場合は、一人で抱え込まず、信頼できる同僚や友人に相談しましょう。

特に職場での出来事の場合は、上司や人事部に報告することも検討してください。セクハラやパワハラに該当する可能性があります。

勘違い言動の記録を残す

職場での発言の場合は、発言の日時、場所、状況を詳しく記録しておきましょう。

LINEならスクリーンショットをとったり、可能であれば、録音や第三者の証言も確保しておくと、後々問題になったときに有効です。

冗談で済まさない

親しい関係の人、例えば友達や夫などから「おばさん」と呼ばれたら、それがふざけたトーンの場合、見過ごしてしまいがちです。ですが、あなたが不快に思うのなら、やめさせた方がいいでしょう。

「冗談じゃん」と言われたら、「冗談というのは笑えるもの。あなたの言葉は全く笑えない」とはっきり伝えましょう。

専門家に相談する

職場でのハラスメントが続く場合は、労働基準監督署弁護士に相談することも検討しましょう。

一人で解決しようとせず、専門家の力を借りることが大切です。

自分を労る

年上から「おばさん」と言われてショックを受けるのは自然な反応です。「こんなことでショックを受けるなんて」と自分を責めないでください。

ショックを受けたことを認め、自分に優しくしてあげましょう。

勘違いおじさんを撲滅するには?

勘違いおじさんのハラスメント発言は個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題です。

最後に、社会全体で勘違いおじさんを撲滅していくためのアイデアをご紹介します。

職場でのハラスメント研修を強化する

年齢に関する差別的発言セクハラを防止するための研修を実施し、適切な職場環境を整えましょう。

また、被害を受けた従業員が安心して相談できる窓口の設置も重要です。

メディアに登場する人のジェンダーバランスを公正にする 

勘違いおじさんを撲滅するためには、年齢に関する偏見を助長するような報道を避け、多様な価値観を尊重する報道を心がける必要があります。

また、若い女性と中年男性の組み合わせばかりをメディアに出すのをやめ、年配の女性のメディア露出を増やす必要があるでしょう。

年齢差別、性別差別のリテラシーを高める

学校教育や社会教育の場で、ジェンダー平等や年齢差別について正しい知識を教えることが大切です。

勘違いおじさんを生み出さないためには、「女性は男性と同じ人間であり、一方的にジャッジしていい存在ではない」という基本的な人権について、初等教育でしっかり教える必要があるでしょう。

さいごに。おじさんの勘違いを終わらせるために

なぜ、自分より若い男性をおじさん扱いしたり、かなり年下の男性に年齢を気にせずアプローチしたりする「勘違いおばさん」は「勘違いおじさん」に比べて少ないのでしょうか?

それは、「勘違いおじさん問題」は、単に個人の意識の問題ではないからです。勘違いおじさんを勘違いさせているのは、この社会全体であり、女性軽視のメディアや古い価値観なのです。

女性は幼い頃から「年齢とともに価値が下がる」「男性から選ばれる存在」という価値観を刷り込まれ、常に外見や年齢について厳しい評価を受けて育ちます。

一方、男性は「年齢を重ねれば魅力が増す」「女性を品定めする権利がある」という社会的メッセージを受け続けてきました。

この構造的な不平等こそが、勘違いおじさんを生み出す根本的な原因なのです。ですから、個人の問題として片付けるのではなく、社会全体で取り組むべき課題として認識することが重要でしょう。

勘違いおじさん問題は、一人のおじさんを更生させるだけでは終わりません。性別や年齢に関わらず、すべての人が対等な存在として尊重される社会を築いた暁に、やっと勘違いおじさんはいなくなります。

そう考えると、果てしない道のりのように思えるかもしれません。

ですが、一人ひとりの意識が変われば、社会は必ず変わります。その第一歩は、「勘違いおじさんって、やばいよね」と指摘し、これ以上勘違いさせないようツッコミを入れることなのでしょう。

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