アトピーと聞くと、子供のころになって大人になれば治ると思いがちですが、ここ数年、大人になっても症状が改善しない方や、大人になってからアトピー性皮膚炎になる方が急増中だということをご存じでしょうか?
厚生労働省の患者調査によると、国内のアトピー 性皮膚炎患者数は 2017 年時点で約 51 万人と報告されており、2008 年の約 35 万人と比較し、この 9 年の間に患者数が約 16 万人も増加しています。
少し前の調査結果になりますが、2014年では45万人の患者数でしたが、44%が20歳~44歳が成人という結果がありました。
いままで肌トラブルなんてなかったのに…、急に肌荒れしてしまって…。
皮膚科に行くと、飲み薬や塗り薬を処方されますが、なかなか良い効果が得られない…とお悩みの方も多いそうです。
そこで、今回は薬だけではなく、自分自身の体の治癒力を上げて肌トラブルを改善する、おススメのツボをご紹介します。
アトピー性皮膚炎って?
日本皮膚科学会によると、アトピー性皮膚炎とは、「増悪・寛解を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ(アトピー性皮膚炎診療ガイドラインより)」と定義されています。
つまり、
・かゆみのある湿疹
・よくなったり悪くなったりを繰り返す
・アトピー素因を持つ
という3つがアトピー性皮膚炎の特徴といえます。
湿疹にも段階があり、
・赤みのある湿疹
・プツプツと盛り上がりのある湿疹
・ジクジクと水分の多い湿疹
・ゴツゴツした湿疹
これらの湿疹の症状が出ている箇所を掻くことによって、皮膚が厚くゴワゴワした状態なったりします。
湿疹ができやすい部位にも特徴があり、顔、耳や首回り、わきの下やひじの内・外側、ももの付け根、ひざの表・裏側などに多くみられます。
大人がなる原因は?
小さい頃は、食べ物やダニなどがアレルゲンとなってアトピー性皮膚炎を引き起こすといわれています。これは、皮膚などの体の防御機能が未熟であるためと考えられています。
では、大人がなる原因はなんなのでしょう。
それは、さまざまなものに含まれる化学物質や食品添加物、ハウスダスト、強い紫外線など外界の刺激がアレルゲンとなっていることが多いとされています。
また、ストレスや睡眠不足なども症状をひどくします。
大人のアトピー性皮膚炎は、もともとアレルギー体質である人がなりやすいというのがありますが、アレルギー体質の人が必ずアトピー性皮膚炎を発症するとは限りません。
東洋医学で診るアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は強いかゆみと炎症が皮膚上に現れている状態ですが、東洋医学では、その根本は身体の内部、いわゆる腸内環境や自律神経など、体内の気血水のバランスが乱れていることが原因で起きていると考えます。
東洋医学では、アトピー性皮膚炎が起きている方の状態(タイプ)を以下の4つに分けて診ます。
・風熱
・風湿
・風寒
・気血両虚
次では、上記4つのタイプがどのような状態なのか、その状態におすすめのツボと合わせてご紹介します。
おすすめのツボ
・風熱タイプ
状態:体内に熱がこもっている状態。肌状態は、乾燥と赤みが強い。
■曲池(きょくち)
場所_ 肘を曲げたときにできるシワの外側の端あたり。
皮膚の痛みなどの治療や、清熱作用があるため、熱をさます作用があります。
・風湿タイプ
状態:体内に湿が停滞している状態。肌状態は、滲出液を伴うジクジクとしている。
■豊隆(ほうりゅう)
場所_ 脛(すね)の少し外側で、膝と足首のちょうど中間あたりの高さに位置します。外くるぶしの一番高いところから指11本分上に上がったところ。
身体の循環を良くする働きがあり、余分な水分の排出に効果的と言われています。
・風寒タイプ
状態:全身が冷えている状態。肌は黒ずんだ湿疹。
■陽池(ようち)
場所_ 手の甲側で、手の付け根の真ん中より少し小指側にある窪み。
自律神経のバランスを調整し、手足の末梢神経の血行を促す効果があります。
・気血両虚タイプ
状態:全身がけだるい状態。肌は白く乾燥しています。
■気海(きかい)
場所_ おへそから指2本下がった所
気海は全身の気が集まるツボと言われています。 刺激することでエネルギー代謝が高まり、虚弱への効果が期待できます。