新しい年が始まり、「今年こそ語学を毎日勉強するぞ」「健康のために毎週ジムに通おう」など新しく目標を立てた方も少なくないでしょう。ですが、早々に挫折してしまった、という人もいるのではないでしょうか?
一説によると、ジムの入会後継続率は1割だとも言います。
始めるのは簡単だけど継続するのは難しいですよね。
今回は、「やりたいことがあるのに続けられない」方向けに、たったひとつの継続のコツについてお伝えします。
なぜ続かないのか。それは、やりたくないことだから
そもそもあなたはなぜ継続できないのでしょうか。
たとえば、「毎日ご飯を食べることが継続できない」「毎日トイレにいきたいのに、継続できない」という人は存在しません「毎日書道をしなければ射殺される」場合、ほとんどの人は書道をするでしょう。継続しなければ生きていけないことは、どれだけめんどうでも継続できます。
また、「めちゃくちゃ楽しいのに継続できない」という人もいません。めちゃくちゃ楽しくてやりたいことは継続できます。
つまり、あなたが継続できないことは、「継続しなくても生きていけるし、あんまりやりたくないこと」なのです。本当にやりたいことならば、「継続」なんて意識しなくてもやります。誰かに止められても、こっそりとやれる方法を探すでしょう。
なぜやりたくないことをわざわざ継続しようとしているのか、それはやりたくないことを続けたらメリットがあると理解しているからでしょう。
たとえば、つらい勉強を乗り越えた先に夢だった企業に就職できるとか、ダイエットを頑張れば理想の体型になれるとかいったメリットです。
しかし、そのメリットは本当に、「やりたくないこと」を継続する以外の方法では得られないのでしょうか?
ゴールを変えずに、方法を変えてみる。ゲームで遊ぶように学ぶ
たとえば、語学の勉強について考えてみましょう。
外国の人と話せるようになりたいから英語を勉強しよう、と決めてテキストを買ったとします。毎日5ページずつテキストをすすめようとしても、三日坊主になってしまった……この場合、別のルートを検討してみましょう。
ゲーミフィケーションを活用するのも一案です。ゲーミフィケーションとは、ゲームを本来の目的としない場所で、ゲーム要素を組み込むことです。
たとえば、語学を学ぶアプリに『Duolingo』というものがあります。『Duolingo』は、英語を勉強するたびにポイントが付与され、利用者同士でポイントを競うトーナメント制が導入されていたり、時間帯によってポイントが2倍になるボーナタイムを儲けたりするゲーム要素がふんだんに盛り込まれています。
これにより、利用者は、ゲーム感覚でアプリで遊んでいるうちに、英語学習ができてしまうのです。このシステムは功を奏し、『Duolingo』は、全世界で8千万人の利用者を獲得しています。
さらには、勉強せずに英語を勉強する方法もあります。
たとえば、国際交流パーティーなどに出向いて日本語を勉強したい外国の方と知り合い、友だちになって言語交換をするなかで英語が学習できるかもしれません。好きな人と見つけるというのも有効です。この人ともっと意思疎通したい! とワクワクできれば、時間を惜しんで英語を学びたくなるかもしれません。
要は、わくわくできて、やりたいと思えるような方法を探せばよいのです。そうすれば、継続できます。
痩せるための運動・苦しい食事制限を続けるのは難しい。「美味しい」ダイエット法
ダイエットでも同じことが言えます。たとえば、「痩せるために大好きなパスタは禁止する」と誓ったとします。しかし我慢し続ければストレスがたまります。
ダイエットのための炭水化物を減らすことは理にかなっているように思えます。
しかし、パスタを禁止にする必要はあるのでしょうか? 実は昨今、小麦粉を使っていないパスタはたくさん販売されています。
たとえば、『ZENB』というパスタは黄えんどう豆だけを使ったグルテンフリーパスタです。通常のパスタに比べて30%も糖質がオフされているため、ダイエットに最適なのです。それになにより、とても美味しいのが特徴です。
お米を減らしたいと言う方は、米ではなくオートミールを選ぶというのも一案です。
最近は、米の代用として充分に通用するオートミールがたくさん販売されています。たとえばケロッグの『粒感しっかり オートミールごはん』の場合、米に比べて60%も糖質をオフできるというメリットがあります。こちらもとても美味しいです。
「我慢して美味しくない食べ物を選んでダイエット」するから続かないのです。毎日でも食べたい美味しいダイエット食を見つけられれば、自然と継続できるでしょう。
楽しいはずなのに、続かない……を改善する2つの方法
継続の最大のコツは、楽しくない、面倒で、つらい方法を選ばないことです。楽しければ、継続することは難しくありません。
とはいえ、「楽しいはずなのに続かない」というパターンもあるでしょう。
たとえば、「今年は週に一回ランニングをする」という目標を決めたとします。ランニング自体はとても楽しくて、終わったあとは爽快感が得られる、と仮定します。それでもなお、「今日は行くのをやめておこうかな」と思う可能性はあります。
たとえば、「寒い」「あつい」「なんとなくめんどくさい」といった気持ちが、継続を阻むのです。
その場合は、『アトミック・ハビット』(ジェームズ・クリアー著 パンローリング株式会社)を参考にしてみましょう。本書では、良い習慣を身に着けるためには、「始めるためのハードルを下げる」ことと「苦労せずに続けられる環境を作る」ことが大切だと述べられています。
1 始めるためのハードルを下げる
始めるためのハードルを下げてみましょう。
たとえば、「毎週一キロ走る」と決めるのではなく、「毎週一回、ランニングシューズを履いてみる」といった目標に変えてみるのです。
ランニングシューズを一度履いてしまえば走りたくなりますし、走り出してしまえば、一キロ走りたくなるかもしれません。何事も始めるのはエネルギーがいりますから、できるだけ最初はハードルを下げるのがよいでしょう。
2 苦労せずに続けられる環境を作る
苦労せずに続けられる環境を作ってみましょう。
たとえば、お酒を飲むのをやめる、と決意したとします。しかし、もし決意した人物がバーで働いており、毎日お客さんからお酒を勧められるような生活をしていたら、断酒はどれだけ意思が固くても難しいでしょう。そういった場合には、仕事を変えることが必要かもしれません。
あなたが継続できないでいるのは、環境が関係しているのかもしれません。まずは、自分の環境を見直し、継続のために変えられる箇所を探してみましょう。
さいごに。「継続」が目的化していませんか? 継続すればいいというものではない
継続は大きな力です。毎日コツコツ積み上げることで、大きな成果を得ることができます。目標に向かって継続できた経験は自信にもなり、周囲からの信頼も厚くなるでしょう。継続には、まぎれもないメリットがたくさんあります。
しかし、継続が目的になってしまったら、本来の目的を見失ってしまうこともあるので注意が必要です。
たとえば、映画監督を目指している若者が、毎日一本映画を観ることを決意したとします。365日毎日見続けて、20年が経ち、いつのまにか若者は老人になり、「ただ映画を毎日見続けた人」になっている可能性もあるのです。
継続に固執しすぎると、本来なんのために継続していたのかを見失ってしまうケースもありますから、注意が必要です。継続しながらも、「ほんとうにこれを継続する必要があるのか」と立ち止まり振り返る時間は必要でしょう。