「あんなに仲が良かったのに、子どもができた途端話が合わなくなった」
「自分が結婚したあとに、○○も早く結婚しなよー等と言われることが多くなった。私は結婚したいなんて言っていないのに……」
など、結婚や出産によって、友だちとの心の距離が離れてしまうことはよくあります。
ライフステージの変化によって、興味関心の領域が変わってきたり、互いの心情を理解するのが難しくなってきたりした結果、友人付き合いにストレスを感じることもあるでしょう。
今回は、「独身、または結婚しているけれど子どもがいない女性向け」に、既婚、子持ちの友人との付き合い方のヒントをご紹介します。
ストレスを感じている友人関係を続けているのは誰か。なぜその関係を続けるのか
まず考えていただきたいのは、ストレスを感じている友人関係を続ける選択をしているのは誰か、ということです。
それは、あなたです。相手からお誘いがある場合であっても、承諾しているのはあなたなのです。
つまりあなたは、ストレスを感じている友人関係を続ける選択を自らしているということです。なぜでしょうか?
まずはそれを考えてみましょう。
「本当は会いたくないけれど、断りづらいから」というのであれば、「断る」訓練をするしかありません。ストレスをなくす方法は、勇気を出して断る、の一択です。
ですが、多くの場合は、ストレスを感じつつもライフステージが違う友人と会い続ける理由は、その友人のことが好きだから、ではないでしょうか。
(もし、いや好きではないかも……と思うのなら、それこそ、会う必要はありません)。
友人のことは好きだし、いままでたくさん楽しい時間を共有してきた。
でも最近話が合わなくてストレスを感じることもある……だから迷っているのではないでしょうか?
友人のことは根本的に好きだけれど、話が合わなくなるのはナゼ?
よくあるのは、結婚したり、子どもができたりした途端、話の内容がこれまでと変わってきてしまうケースです。
ケース1 結婚してる方がエライ・誰もが結婚したがっていると妄信する「結婚信者」
いまの時代、結婚は全員がしなければいけないものでも、全員が望むものでも、したら必ず幸せになれるものでもありません。
ですが、一定数、保守的な考えを持っている人は、結婚はよきもの、みんながしたいはずのものだ、と考えています。
現実に即して考えると、「結婚=絶対善」でないことは明らかなのですが、信じ込んでしまう、という意味で、彼らは「結婚信者」だと言えるでしょう。
「結婚信者」が結婚した場合、結婚できたことが嬉しすぎて、「○○も結婚しないの? いい人紹介しようか?」と上から目線でアドバイスし始めるかもしれません。
こういったアドバイスは結婚に興味がない人間からすると「まったく興味が持てないつまらない話」になります。「結婚信者」からすると、独身者が独身なのは結婚していないからではなく、結婚「できていないから」なのです。ふたりの思考は嚙み合わず、話していてもお互いストレスを感じることになるでしょう。
独身であっても「結婚信者」は存在しています。そういった独身の「結婚信者」からすると、既婚の「結婚信者」は勝ち組ですから、独身の「結婚信者」はコンプレックスを抱え、既婚の「結婚信者」の言動がマウントだと感じられるのです。(実際にマウントしてやる、という意識でしている人もいるとは思います)。
お互いに一緒にいて楽しい友人だったはずが、興味のない結婚の話、またはコンプレックスを刺激される結婚の話をされることで、ストレスが溜まっていってしまうのです。
ケース2 子育て中心の生活に変わった人たち
出産した途端、これまで言っていたこと(子ども苦手etc)が嘘のように、子育てに没頭し、会話の8割が子どものことになる人も珍しくありません。
自分の子どもを愛するのはよきことですし、ちょっと目を離した隙に怪我をしてしまいかねない子どもに全集中するのは、親としてある意味、自然なことだと言えます。
しかし、子育てとは誰しもが興味があることではありません。
当然、出産に興味がない女性もたくさんいます。
そういった女性にとって、子育ての話は未知の領域であり、最初は興味深く話を聞いていても、そればかりが続くとウンザリしてしまいがちです。
また、いつか子どもを欲しいと考えている人にとって、子育ての話は地雷になりがちです。
子どもが欲しいと思っているのに相手が見つからないとか、不妊治療をしているという場合、出産にはタイムリミットがあるため、焦りが生じがちです。
そういった焦りを抱いている人からすると、子育ての話は、ともするとマウントに感じてしまいがちなのです。
(こちらも、受け手側の問題というわけではなく、実際にマウントの意識でしている場合もあるでしょう)。
以上のことから、出産を機に、友人と話が合わなくなくなり、ストレスを感じる状態が発生するわけです。
ストレスを感じる既婚・子持ちになった友人との付き合い方
結婚や子育てを機に、友人関係に亀裂が入ることはよくあります。どうやって乗り切るのがよいでしょうか?
女の友情は長期的視野に立つことで維持される。いまは距離を置いてもよい
結論から申し上げると、「無理をして付き合わなくてよい」のです。
友人のことは好きだけれど、いまは話があわない(もしくは、マウントされていると感じる)から、距離を置こう……と自分の意志で決めればよいでしょう。
数年経ったら離婚しているかもしれませんし、数十年経ったら、子どもも巣立ち、老女になった友人と世界一周のクルージングにでも行けるかもしれません。
自分の決断に責任を持つ。友人と付き合い続けると決めたのはあなた
ストレスを感じながらも友人と付き合い続けると決めたなら、自分の決断に責任を持ちましょう。
ストレスを感じるとわかりきっている友人との付き合いを選んでいるのはあなたであり、ある意味、自分が自分にストレスを与えているのです。
友人に責任転嫁をして、「ほんとにあいつはマウントしてくる……」と恨んでも、何も始まりません。
仕事での人間関係は選べない場合が多々ありますが、友人関係に関しては、あなたが選べるのだと認識しましょう。
ハッキリ伝えるのも一案。そのために、自分の心を見つめ直す
とはいえ、「たまに結婚や子育てのことで話が合わないけれど、それ以外は楽しいから付き合い続けたい」という場合もあるでしょう。
そういった場合には、「子どもの話には興味がない」あるいは「私も将来子どもがほしいと思っているから、子どもの話ばかりされるのはきつい」など、はっきりとストレスの原因を相手に伝えるのもよいでしょう。
そのためには、何があなたのストレスになっているのかをまずははっきり見つめる必要があります。もしかしたらそれは、あなたの中にある、結婚、子育てしている方が上だという序列意識かもしれませんし、まったく違う原因かもしれません。
自分の心を見つめ本心を探ったり、本音を相手にぶつけたりすることは勇気が必要ですし、面倒なことです。その友人との友情は、面倒なことをしてまで維持したいものでしょうか?
そうであるなら、そんな友情を築けたあなたは、とても幸せな人だと言えるでしょう。
最後に。あなたが既婚・子持ちになったとき、同じことをしないと言える?
ところで、あなたが結婚したり、子どもを生んだりしたときに、気が付かないうちに独身や子どもがいない友人にマウントしたり、子どもの話を永遠にしたりする可能性はないでしょうか?
いまあなたが感じているストレスは、他人の心をおもいやる人間になるための成長の機会でもあります。
将来、自分は同じことをしないでおこう、と自分を戒めておきましょう。
そうでなければ、気が付かないうちに友人があなたにストレスを感じ、そっと離れていってしまうかもしれません。