【独身女性が増加中!】一生独身の女性の割合は?独身女性の末路とは

現代日本では、結婚をしない女性が増えてきています。かつて、皆婚社会(全員が結婚する社会)と言われた時代には、適齢期になれば結婚して当然である、という社会規範がありましたが、現在は生涯独身を貫く人は珍しくありません。

国立社会保障・人口問題研究所の調査(※1)によると、2020年の50歳時点での女性の未婚の割合(生涯未婚率)は約17%となっています。1970年代には、わずか3%程度だったことを考えると、ここ数十年で一生独身の女性が大幅に増えたことが明らかでしょう。この傾向は、今後も加速することが見込まれており、いまや一生独身の人は珍しくない、というのが現状です。

目次

結婚できないの? それとも結婚したくないの?

ところで、一生独身の女性は、「結婚しない」のでしょうか。それとも「結婚できない」のでしょうか。先に上げた国立社会保障・人口問題研究所の調査では、未婚者に対して結婚願望があるか、結婚相手に望むことはなにか、といった調査も実施しています。

調査結果からは、結婚願望を持つ人が男女ともに減っていることがわかります。また、結婚を望む人の間では、男性は今まで以上に女性に対して「経済力」を重視し、女性は今まで以上に男性の「家事能力」や「ルックス」を重視するようになったことがわかります。家事能力やルックスに加えて、性格や価値観があって……という人と巡り合うのは性別関わらず困難でしょう。

つまり、そもそも「結婚願望がある人が減っている」ことに加えて、「理想の人と出会いにくい状況にあり、妥協する必要もないため、理想の人と出会えなければ一生独身のほうがいい」と考える女性も増えたことが、一生独身の女性が増えた要因だと言えそうです。

一生独身の女性が増えている原因は?

次に、具体的に一生独身の女性が増えている原因についてみていきましょう。

一生独身の女性が増えている原因1 経済的な自立とキャリア志向

現代は共働き世帯が、専業主婦世帯を上回っています。経済的に貧しい国になってきたことや、非正規雇用の増加などによって、数十年続いてきた「男性稼ぎ主モデル」(男性が働いて、女性は家事・育児を行う)が立ち行かなくなり、女性は必要な労働力だとみなされるようになりました。

女性が高等教育を受けられず、結婚でしか経済的安定を求められなかった時代と違い、女性でも経済的な自立ができるようになったいま、結婚は女性にとって生きていくために必須の選択肢ではなくなったのです。

また、女性は、上の世代の女性たちをみて、結婚し、育児をすることでキャリアが中断されてしまった場合、大幅に給与が下がり、もとのルートには戻れないことを知っています。キャリアを求める女性のなかには、結婚は安定とは思えず、一生独身であるほうが安定性が高い、と考える人も少なくないのです。

一生独身の女性が増えている原因2 結婚や家庭に対する価値観の変化

ここ数十年で、結婚や家庭に対する価値観は多様化しました。結婚情報誌のゼクシィが「結婚しなくても幸せになれる時代に、私はあなたと結婚したいのです」というキャッチコピーを打ち出したのが、2017年のこと。それから、数年が経ち、さらに結婚は万人に必要なものという意識が薄らいでいます。

結婚しなくても幸せな人生を送ることができるという考え方が広まったいま、「結婚はマストではない」と考える女性も増えてきているのです。

一生独身の女性が増えている原因3 家事・育児の女性への偏り

上記で述べたように、近年、女性は結婚相手に家事能力やルックスを求める傾向があります。しかし、激務の会社に勤める男性は、家事をする時間の捻出が難しいケースも珍しくありません。激務で高収入の男性の場合、家事育児を担ってくれる女性を見つけることはそう難しいことではありません。

しかし、女性の場合、家事育児をすべて担ってくれる男性を見つけるのが難しいだけではなく、家事育児を半分担う男性を見つけることすら簡単ではありません。

つまり、女性が結婚し、働き続けた場合、仕事・家事・育児の激務が待っている可能性があるわけです。さらに、育児でキャリアが中断されて収入が激減する、となれば……結婚に二の足を踏むのも自然なことだといえるでしょう。

一生独身の女性が増えている原因4 社会のサポート不足や無理解

女性が一生独身を貫くのは、結婚後の生活に夢を抱けなくなっていることが一因でしょう。

数年前、「保育園落ちた、日本死ね」というミームが話題になりましたが、それ以降、待機児童に対する対策は講じられてきたものの、まだまだ日本は子育てしやすい社会とは言えません。結婚後、子どもが生まれたとしても、社会からのサポートは少なく、苦労するだけだ、と考える女性にとって、結婚や出産は魅力的な選択肢には見えないでしょう。

一生独身の女性が増えている原因5 性別役割からの離脱

田舎ではまだまだ、「嫁」の役割が固定されています。料理や掃除などの家事をするのは女性の役割だと思われていたり、義両親の介護をするのは「嫁」の無償労働が当然だという風潮もあります。これまでは性別を意識せずに自由に働いていた人でも、家庭に入ることで、「妻として」「母として」「嫁として」無償の労働をして当然だとみなされるケースもあります。そういった性別に基づく役割から自由になりたいと考え、結婚を避ける人もいるようです。

一生独身を貫く女性の末路とは?リスクは既婚・独身、両方にある

一生独身を貫く女性は増えてきていますが、そういった女性はどういった人生を送るのでしょうか?

経済的な観点からいえば、独身女性のなかには、経済的に苦しむ人も少なくありません。なぜなら、日本は男女の賃金格差が大きい国だからです。それにより、将来に不安を感じる人もいるでしょう。

一方、結婚によって、突然の離婚や配偶者の死、配偶者の借金の肩代わりといった、経済的リスクを避けることができるという利点もあります。

社会的な観点から考えると、独身女性は既婚女性に比べて孤立しやすいのではないか? という懸念があるかもしれません。家族を持つことが一般的な社会において、独身であることが疎外感を生む場合も考えられます。

しかし、近年、一生独身を貫く女性が増加していることを考えると、数十年後には、既婚女性と独身女性の数が逆転していることだって考えられるでしょう。いずれにせよ、社会的孤立を避けたいなら、普段から人間関係を築いておく必要はありそうです。友人関係や地域コミュニティとのつながりを深めることで、孤独感を軽減することは可能でしょう。

さいごに。一生独身を貫く女性は幸せ?

一生独身を貫く女性は増えてきています。彼女たちは幸せでしょうか? その答えは、「既婚女性が幸せか?」という問いと同じ答えになるでしょう。答え。人による。
結婚していてラブラブで毎日幸せを噛みしめている人もいれば、夫にモラハラされても経済的理由のため別れられず毎日苦しい思いをしている人もいます。

同様に、独身女性のなかにも、幸せな人と不幸せな人がいるでしょう。もちろん、結婚や子どもを持つことによる幸せも存在しますが、それが全ての女性にとって理想の選択肢であるとは限りません。

重要なのは、「こうあるべき」に惑わされず、自分自身が幸せを感じられる選択をすることでしょう。

※1 国立社会保障・人口問題研究所の調査
https://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou16/doukou16_gaiyo.asp

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