仕事でも恋愛でも、常に相手の気持ちを優先して、自分の本音を飲み込んでしまう…。
そんな「気を使いすぎて疲れる」ことはありませんか?
気遣いは素晴らしい資質ですが、それが過剰になると、自分自身が消耗してしまいます。
本記事では、気を使いすぎて疲れる人向けに、無理なく距離を取るコツや、自分軸で生きるための考え方をご紹介します。
【なぜ】気を使いすぎて疲れる理由とは?

まずは、自分がなぜ過度に気を使ってしまうのかを理解することが大切です。
多くの場合、その背景には「嫌われたくない」「認められたい」という気持ちがあります。特に女性は、幼い頃から「優しく」「協調性を持って」と教育されることが多く、自分のニーズより他人のニーズを優先する習慣が身についている場合が少なくありません。
思いやりは大切ですが、本当の意味での良好な人間関係は、一方的な我慢の上には成り立たないものです。
「いい人」をやめても、全員に嫌われるわけではない

普段から気遣いをしがちな人は、「気を使うのをやめたら嫌われるのでは?」と不安になるかもしれません。
しかし、実際に気遣いをやめてみると、逆のことが起こりがちです。
いつも気を使いすぎている人は、周囲の人から「愛想はいいけど本音が見えない」「何を考えているかわからない」と思われています。そこで、気遣いをやめ、適度に自分の意見や気持ちを表現することで、かえって信頼関係が深まることも多いのです。
あなたが少し自分らしく振る舞っただけで離れていく人がいたら、それは元々あなたの都合の良さを利用していただけの関係だったのでしょう。
無理なく「気を使いすぎて疲れる」をやめるコツ

次に、無理なく「気を使いすぎ」をやめるためのコツをご紹介します。
小さな「NO」から始める
いきなり大きく変わろうとする必要はありません。まずは、断っても問題なさそうな小さなことから「NO」と言う練習をしてみましょう。
たとえば、ランチの誘いを断る、職場では残業を一度は断ってみる、といった小さな一歩で十分です。
断るときは「今日はちょっと予定があって」「今週は立て込んでいて」等、理由を詳しく説明しすぎないことがポイントです。
即答しない
何か頼まれたとき、反射的に「いいよ」と答えてしまう癖がある人は、「少し考えさせて」「確認してから返事するね」と、一旦保留する習慣をつけましょう。
この「間」があることで、本当に引き受けたいかどうか、自分の気持ちを確認する余裕が生まれます。即答しないことは、決して失礼なことではありません。
自分時間をスケジュールに組み込む

他人の予定を優先しすぎて、自分の時間が後回しになっている場合は、カレンダーに「自分時間」をあらかじめ確保しておきましょう。
趣味の時間、一人でゆっくりする時間、家族と過ごす時間、友達と遊ぶ時間など、自分にとって大切な予定を先に入れておくことで、他人からの依頼を断る正当な理由ができます。
「私は」を主語にして話す
気を使いすぎる人は、「みんなそう思っている」「普通はこうだよね」と、自分の意見を一般化してしまいがちです。
代わりに「私はこう思う」「私はこうしたい」と、「私」を主語にして話す練習をしましょう。
借り物ではない意見を伝えることで、コミュニケーションがスムーズになります。
意識して真顔でいる
気を使って愛想よく作り笑いをすることが習慣化している人は、真顔でいるレッスンをしましょう。これから10分間は作り笑いをしない、と決めて実行してみてください。
最初は勇気がいるかもしれませんが、慣れれば、本当に楽しい時だけ笑えるようになります。

「気を使いすぎて疲れる」をやめて、自分軸で生きるためのヒント

次に、他人軸ではなく、自分軸で生きるためのヒントをご紹介します。
自分の感情に名前をつけてみる
まずは自分が今どう感じているのか、言葉にしてみましょう。
「疲れている」「モヤモヤしている」「嫌だ」「悲しい」など、感情に名前をつけることで、自分が何に反応しているのかが見えてきます。
完璧な対応をしようとするのをやめる
相手の期待に100%応えられなくても、あなたの価値は変わりません。70点、80点の対応で十分なこともたくさんあります。完璧主義を手放すことで、精神的にも気持ちがぐっと楽になります。
自分を大切にすることで、他人も大切にできる、と気づく
「自分を大切にする」ことは、「自分勝手」とは違います。自分の心と体が健康でなければ、誰かを本当の意味で支えることはできません。飛行機の酸素マスクと同じで、まず自分が酸素を吸ってから、他の人を助ける必要があります。
境界線を引く勇気を持つ
心理学では「バウンダリー(境界線)」という概念があります。これは、自分と他人との間に引く見えない線のことです。「ここまでは手伝えるけど、ここから先は無理」「この話題には触れないでほしい」と、自分の限界を明確にすることは、健全な人間関係に不可欠です。

さいごに。自分に優しくしよう

長年の習慣を変えるのは簡単ではありません。最初は罪悪感を感じたり、相手の反応が気になったりするかもしれません。でも大丈夫です。少しずつ、自分のペースで変えていけばいいのです。完璧にできなくても、試行錯誤しながら進んでいくことが大切です。
あなたが自分を大切にし始めたとき、周りの人もあなたを大切にしてくれるようになります。そして何より、あなた自身が毎日を楽に、楽しく過ごせるようになるはずです。
「いい人」であることをやめる必要はありません。ただ、「いい人」であることから卒業して、「自分に優しい人」になることを選んでみてください。


