スーパー戦隊ヒーローがSDGs!?地方創生に貢献する『特捜戦隊デカレンジャー20thファイヤーボール・ブースター』

(アイキャッチ画像出典:©2024 東映ビデオ・バンダイ・東映AG・東映 ©東映)

スーパー戦隊ヒーローは、地球の危機を救うだけでなく地方創生にも大活躍との噂を聞きつけ、エンタメ&エシカルを発信している筆者は公開に先駆けひと足早く鑑賞してきました。

目次

『特捜戦隊デカレンジャー』

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『特捜戦隊デカレンジャー』は、2004年2月から2005年2月まで、“スーパー戦隊シリーズ”(※)の第28作として全50話が放送されました。

宇宙の犯罪組織を取り締まるために設立された銀河系宇宙警察・地球署を舞台に、選ばれし刑事たち、S.P.D(スペシャルポリス・デカレンジャー)の6人が、宇宙犯罪者・アリエナイザーたちに立ち向かうストーリー。

刑事ドラマ仕立てのストーリー展開は子どもだけでなく大人の心もつかみ、2006年の日本SF大会ではスーパー戦隊シリーズでは初めてとなる『星雲賞』を受賞、2015年に『特捜戦隊デカレンジャー10YEARS AFTER』、2017年には『スペース・スクワッド ギャバンVSデカレンジャー』が制作されるほど、放送終了後も根強い人気を誇っています。

“映画を使って地方創生”を実現

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『特捜戦隊デカレンジャー』:高知県

全国47都道府県に歴代47のスーパー戦隊が組み合わされているのはご存じでしょうか?

2023年にシリーズ「47」作品目となる『王様戦隊キングオージャー』が放送されました。各国の王様がそれぞれの生まれ育った国を背負って悪と戦うスーパー戦隊です。国を背負うことと「47」という数字にあやかって、歴代のスーパー戦隊たちが作品テーマやモチーフにちなんで47都道府県と組み合わせられたのです。

その際、『特捜戦隊デカレンジャー』は高知県のレンジャーということになりました。

キーパーソンは「デカブレイク(白)」

エリート刑事「デカブレイク」役を演じていた吉田友一さんは、鍼灸師となり2021年に高知県に移住。2022年4月から高知市初の地域おこし協力隊(※2)の隊員となり、地域活性推進課に所属する市役所職員の顔を持ちます。

きっかけは「『特捜戦隊デカレンジャー』キャストとUターン・Iターンを考えるin高知」

小学生のときに「デカレンジャー」のファンだったという大学生が2022年10月の高知大学大学祭での「地方・Uターン、Iターンを考える」討論会のゲストに、吉田さんや「デカピンク」役の菊地美香さん(2018年に吉田さんと結婚、現在高知市で弁当屋を経営)、「デカレッド」役のさいねい龍二さん(広島県にUターン移住し俳優活動をしながら「半農半芸」を実践)を招きました。

そこでは、高知で映画ロケを敢行し、のちに観光客誘致や聖地化に向けたプロジェクトを企画して活性化につなげるという意見が出ました。

吉田さんはすぐに市の上司に掛け合い、同時に制作会社へも打診。ちょうどテレビ放送開始20周年企画が進行している最中だったこともあり“高知に来ないと事件が解決できない”ストーリーが実現することに。
高知市の特別協力も得られ、PR費用などを募るためにクラウドファンディングを実施し、目標の300万円を大きく上回る2036万8000円の寄付を達成しました。

事件解決の手がかりがある場所が高知にあるということで、高知の雄大で豊潤な土地や瑞々しい特産物満載の20周年記念映画が完成しました。

『特捜戦隊デカレンジャー20thファイヤーボール・ブースター』

(画像出典:©2024 東映ビデオ・バンダイ・東映AG・東映 ©東映)

物語は、平和を守るデカレンジャーの6人が地球署に配属されて20年というタイミングで発生した大爆破事件から始まります。

テレビシリーズのおなじみのキャストに加え、イマドキの新人刑事としてボーイズグループ「7ORDER」の長妻怜央さんを迎え、世代交代もテーマになっています。
異星人役のアイドルユニットの「アンジュルム」川村文乃さんは高知出身とのことで高知弁を使う異星人は敵なのか味方なのか!?

往年のファンが楽しめるのはもちろん、「デカレンジャー」を知らない筆者も、すぐに“スーパー戦隊シリーズ”独特の世界観に入れて楽しめました。
鑑賞後はとにかく高知に出かけたくなり、吉田さんの思惑に見事にはまってしまいました。

高知市×『特捜戦隊デカレンジャー20thファイヤーボール・ブースター』

(画像出典:©2024Maki,NAGAI)

6月には高知県内の映画ロケ地にはデカレンジャー等身大パネルが7か所に設置予定で、スタンプラリーも実施とのこと。聖地巡礼が楽しくなりそうですね。

また、とさでん交通「デカレンラッピング電車」も3か月に渡り登場予定とのことです。外装だけでなく、車内にも仕掛けがあるとのことで、高知観光の際は合わせてチェックしたいですね。

「デカグリーン」役の伊藤陽佑さんもアソシエーションプロデューサーとしても参加していたり、出演者、スタッフ、ファンの熱量がアツい本作。スーパー戦隊ファンでなくても、地方創生やSDGsを意識しなくても楽しめます。

※1 スーパー戦隊シリーズ:東映が制作し、テレビ朝日系列で放送されている特撮テレビドラマシリーズ。1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』に始まり、現在48作目の『爆上戦隊ブンブンジャー』が放送中。

※2 地域おこし協力隊: 都市地域から人口減少や高齢化等の進行が著しい地域に移住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取り組み。隊員を任命するのは各地方自治体であり、活動内容や条件、待遇は、募集自治体により様々。任期は概ね1年以上、3年以内。(総務省 地域おこし協力隊 より)

出演:
さいねい龍二、林剛史、伊藤陽佑、木下あゆ美、菊地美香、吉田友一
長妻怜央(7ORDER)、川村文乃(アンジュルム)、黒川芽以、石野真子
【声の出演】稲田徹、福山潤、古川登志夫(ナレーター)

スタッフ:
原作:八手三郎
脚本:荒川稔久
アクション監督:福沢博文
監督:渡辺勝也
特別協力:高知県高知市
製作プロダクション:東映京都撮影所
配給:東映ビデオ

製作年 2024年
上映時間 50分
映倫区分 G

6月7日(金)期間限定公開
『特捜戦隊デカレンジャー20thファイヤーボール・ブースター』予告動画 https://youtu.be/ek6oMrQOdoQ

『特捜戦隊デカレンジャー20thファイヤーボール・ブースター』公式サイト 
https://www.toei-video.co.jp/dekaranger20th/

『特捜戦隊デカレンジャー20thファイヤーボール・ブースター』公式 X(旧Twitter)
https://x.com/dekaren_10

「歴代47スーパー戦隊×全国47都道府県」サイト
https://www.super-sentai-friends.com/topics/47sentai47area/

総務省 地域おこし協力隊 
https://www.chiikiokoshitai.jp

ふるさとチョイス 【高知ロケ映画応援プロジェクト】特撮映画で高知市を盛り上げたい!
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2370

どっぷり高知旅 
https://doppuri.kochi-tabi.jp/index.html

出典:©2024 東映ビデオ・バンダイ・東映AG・東映 ©東映

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この記事を書いた人

大学卒業後、国語学会で学術雑誌の編集と秘書を兼任。その後、放送作家と並行してテレビ局、制作会社で番組制作を行う。演者側だった学生時代から継続して様々な形でエンタテインメントに関わる。現在は書く仕事に加え、講師、カフェスタッフ等パラレルワーカー。原則、メディアと明かさず自費で情報収集することで媚びない正直な記事を目指す。得意分野はエンタメ・ビューティ・美味しい。

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