脚がよくつる…こむら返りに改善する・効果的なツボ

寝ているときの急激な脚の痛み…。
急に首を動かし後ろを振り向いた瞬間に走る激痛…。

筋肉がつっている時の痛みは、なかなか治まらずツライものですよね。

予測なく起きる筋肉の痙攣によるつり。いったいどうしたら起きなくなるの?

今回は、そんな「こむら返り」についてご紹介していきます。

目次

こむら返りとは?

こむら返りとは、先にも記載したように、「筋肉が痙攣してつる」ことです。

「こむら」とは、ふくらはぎのことを言います。

痙攣は、体中のいたるところで発症しますが、主にふくらはぎの筋肉で起こることが多いため、筋肉が痙攣しつることを「こむら返り」と言います。

運動中や就寝中に発症することが多く、妊娠中や加齢によっても起きやすくなります。こむら返りを起こすと、強い痛みを伴いますが、ほとんどの場合は数分間でおさまります。

原因は筋肉の異常だった!?


筋肉が、何らかの理由で突然痙攣を起こします。

すると、筋肉が収縮されたままロックされてしまうことで、痛みを伴ったまま動かせなくなります。

これは、筋肉の伸縮を感知するセンサーが誤作動していることが原因となって起こります。

ふくらはぎなどの筋肉は、過剰に伸びたり、収縮したりすると、無理な動きによって傷めてしまいます。
それを防ぐために、2つのセンサーが備わっています。

伸びすぎを防ぐのが筋紡錘(きんぼうすい)、縮みすぎを防ぐのが腱紡錘(けんぼうすい)です。
そのうちの腱紡錘の働きが低下すると、筋肉が異常に収縮し、痙攣を起こしてしまいます。

そのため、脚などがつった際は、その筋肉の箇所を伸ばすような姿勢になると、痛みが早く治まると教わったことがないでしょうか?

なりやすい体質がある?

こむら返りは、誰しもが1度は経験したことがあると思いますが、中高年になると発症率が増えると言われています。

また、以下のような状況にあると、こむら返りになりやすいとされています。

・運動不足

筋力不足による血行不良により、こむら返りが起きやすくなります。そのため、冷え症の方や脚がよく浮腫む方も発症率が高くなる傾向にあります。

・筋疲労

長時間の立ち仕事や過度な運動などで、筋肉に負担がかかると、乳酸などの老廃物がたまりやすくなります。これが筋肉の収縮を妨げて、足のつりを引き起こします。

・栄養不足

カルシウムやマグネシウムなどのミネラルは、筋肉の働きに欠かせません。神経から筋肉の伸縮を命令する信号が乱れて制御がうまくできなくなります。 そのため足の筋肉は硬直しやすくなり、痙攣して足のつりを起こしやすくなります。

・水分不足

ミネラルバランスの乱れのほか、運動中や就寝中の発汗による脱水、冷えなどの血行不良も腱紡錘の機能を低下させる原因になります。

東洋医学で診る「こむら返り」

筋肉は五臓の『肝』と関係が深く、さらに筋肉の栄養となる『血』の状態なども足のつりに影響すると考えます。

筋肉を動かすには血液の栄養(肝血)が必要です。

ストレスが溜まっていたり、胃腸の働きが低下したりしていると、十分な肝血が筋肉に運ばれず、筋肉が栄養失調状態(肝血虚)となり足がつると考えます。

また、冷えなどで血行不良(瘀血)の状態が続くと、筋肉の代謝も乏しくなり足のつりや痛みが起こりやすくなります。

これらの根本原因を見直し改善することで、こむら返りが起こりにくくなると考え治療を行います。

こむら返りにおすすめのツボ

承山(しょうざん)

場所_ふくらはぎの真ん中にあるツボ。 アキレス腱を下から上へたどって筋肉がぶつかった所。
足の痛みをとり除く効果の高いツボです。足のだるさや浮腫みに悩まされている方におすすめです。

足三里(あしさんり)

場所_ひざの皿の外側のくぼみに指4本当てた時、小指が当たる所にあるツボ。
倦怠感の改善に使われる他、胃腸の不調、膝痛や足のしびれなど足のトラブルの改善が期待できるツボです。

太衝(たいしょう)

場所_親指と人差し指の骨の間を、指で軽くなぞり自然と指が止まる位置。
血流の滞りを改善し、身体の冷えを解消します。

陽陵泉(ようりょうせん)

場所_膝下の外側にある腓骨頭(ひこつとう)の斜め下のくぼみ。
筋肉の動きに異常があったり、運動器系の疾患に必ず使われる、筋肉にとって重要なツボです。



参照
・東洋医学概論(医道の日本社)、
・東洋医学臨床論(医道の日本社)、
・ツボ単~経血取穴法・経血由来解説・兪穴単語帳
・第19回東洋療法推進大会in徳島(Web大会)分科会「症例報告・臨床研究発表」
岐阜県鍼灸マッサージ師会 いわゆる”こむら返り”に対する鍼灸治療について
・糖尿病性末梢神経障害による両下肢感覚異常に対する鍼治療の効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/60/7/60_489/_article/-char/ja/

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この記事を書いた人

鍼灸接骨院に鍼灸師として勤務。整形外科疾患から、不眠、頭痛、高血圧他、未病分野の治療を行う。院では外来の他、訪問や大学病院で鍼灸師として派遣勤務を行う。

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