【臨床心理士監修】毒親かもしれないと感じたら。あるあるな口癖と心がラクになる距離の取り方

親の言動に振り回されて、罪悪感や生きづらさが消えない。大人になった今も、心のどこかで親の顔色をうかがってしまう。そんな悩みを抱えていませんか?

親を否定することに罪悪感を覚えつつ、心の中で葛藤(かっとう)している方もいるでしょう。

この記事では、一般に毒親と呼ばれやすい親の特徴や、心がしんどくなる口癖の例、影響を受けているかもしれないサインを整理しながら、無理なく自分を守るための考え方を紹介します。読んだあとに、少しでも気持ちが軽くなることを願っています。

※本記事では「毒親」を子どもの人格や境界線を尊重しない関わりを指すものとして扱います。医学的な診断や断定を目的とした記事ではありません。

この記事を書いた人

五味佐和子

臨床心理士・公認心理師。国際基督教大学心理学卒業。心療内科、精神科での長年の臨床経験を経て、企業でのEAP(従業員支援プログラム)と教育研修(ストレスマネジメント、コミュニケーション等)の企画と実施、NPOでの就労支援など臨床経験多数。 カウンセリングの中に、リラクゼーション、イメージワーク絵画療法の技法などを取りいれる。

目次

毒親の特徴あるある。よくある関わり方のパターン

毒親と一口に言っても、表れ方はさまざまです。ここでは、よく見られる特徴を整理します。

子どもを自分のもののように扱い、支配しようとする

子どもを別の人格ではなく、親の人生の延長のように捉えると、行動の自由が狭まりやすくなります。学校や進路、交友関係、服装、恋愛などに細かく口を出し、望む通りに動くことを求めるケースもあります。

こうした関わりが続くと、自己決定の経験が積みにくく、自分で選ぶことに自信が持てなくなることがあります。

親の期待通りに動いたときだけ、優しくなる

親の機嫌が、成績や振る舞いで大きく変わるタイプもあります。従順なときだけ褒められ、少しでも自分の意思を示すと否定されると、子どもは顔色を読むのが上手になります。

その影響で、大人になってからも評価が気になったり断ることに強い罪悪感を抱いたりする場合があります。

からかい、見下し、人格否定で心を揺さぶる

子どもをコントロールしたいとき、言葉で自信を削る親もいます。知能容姿性格を蔑む言葉が続くと、自己肯定感が下がり、気持ちが不安定になりやすくなります。

親からの否定は逃げ場が少ない分、心に残りやすいものです。

プライバシーを尊重せず、過干渉になりやすい

親子の境界線があいまいだと、プライバシーが守られにくくなります。勝手に部屋に入る、日記や私物を確認する、交友関係や恋愛をしつこく詮索するなどが例です。

幼い頃の見守りとは違い、成長後も監視のように続く過干渉は、常に見張られている感覚につながり、ストレスや緊張が積み重なります。

心がしんどくなる…毒親の口癖あるある

親が悪気なく言っているように見えても、繰り返されると心に重くのしかかる言葉があります。よくある例を挙げます。

あなたのためを思って

一見やさしい言葉ですが、実際には親の希望価値観を通すための合言葉になっている場合があります。あなたが違う選択をしようとすると、感謝が足りないと責められる形になることもあります。

他の子はできるのに、どうしてあなたはできないの

周りにいる他の子供との比較が続くと、自分は足りない人間だという感覚が植え付けられます。努力の方向が、自分の納得よりも評価の回避になってしまうこともあります。

誰のおかげで生活できていると思っているの

子どもの反論を封じるために、養育を恩のように扱う言い方です。親子関係の力の差を使って、子どもの気持ちを無かったことにしやすくなります。

影響を受けているかもしれないサインチェック

ここでは、親子関係の影響で生きづらさを感じている人に見られやすい傾向をまとめます。

これは診断ではありませんし、これらの特徴がいくつか当てはまるからといって、すぐに関係が有害だと決める必要はありませんが、振り返りのヒントにしてください。

  • 親の期待に応えられないと、強く責められた記憶がある
  • 大きな決断ほど、自分の意見より親の意見を優先しがち
  • 親に嫌われるのが怖くて、断れないことが多い
  • 自分の気持ちを言うと否定されそうで、言葉を飲み込みやすい
  • 人の評価が気になり、相手の顔色を見てしまう
  • 自分の人生が、親の意向に左右されている感覚が抜けない

いくつ当てはまっても、あなたが弱いわけではありません。そうならざるを得ない環境で、必死に適応してきた結果のことも多いからです。

あなたの心を守るためにできること

ここからは、すぐに生活へ取り入れやすい方法を紹介します。全部やる必要はありません。できそうなものからで十分です。

境界線を引く練習をする

親の要求をすべて受け止めないために、線を引く言い方を用意しておくことがおすすめです。

  • 今はその話をしたくない
  • その件は自分で決める
  • 今日はここまでにするね

強く言えないときは、話題を変える返信を遅らせる会う頻度を減らすなど、行動で距離を取ることも境界線です。

罪悪感とセットで動かない

毒親的な関わりがあると、断ることに罪悪感がつきやすくなります。

罪悪感は、あなたが優しい証拠でもありますが、それだけで行動を決めなくて大丈夫です。罪悪感があっても断ってよい、と自分に許可を出すところから始めてください。

つらかった事実を言葉にして整理する

誰かに話すのが難しければ、メモでも構いません。何がつらかったのかどんな気持ちが残っているのかを書いていくと、自分の感情がほどけていきます。

自分の体験を自分の言葉で捉え直すことは回復の力になります。

必要なら、第三者の力を借りる

親子関係は、当事者だけで整理しようとすると苦しくなることがあります。信頼できる友人、カウンセラーなど、利害関係のない第三者がいると、視点が整いやすくなります。

あなたが安全に話せる場所を選んでくださいね。

まとめ

毒親と呼ばれやすい親の特徴には、支配条件つきの愛人格否定過干渉などが見られます。こうした関わりは、子どもが大人になってからも、自己肯定感や対人関係に影響を残すことがあります。

もちろん、親もまた不完全な一人の人間です。彼らも、自分の親やその前の世代から受け継いでしまった未解決の課題を抱えていることがあるです。だからと言って、それが子どもの苦しさを正当化するものではありません。

大切なのは、親を変えることではなく、あなたが自分を守れる形をつくること

違和感に気づけた時点で、すでに回復は始まっています。できる範囲で境界線を引き、少しずつ自分の人生を自分の手に戻していきましょう。

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