(アイキャッチ画像出典:©「三日月とネコ」製作委員会)
「第1回anan猫マンガ大賞」大賞受賞作、ウオズミアミさんの「三日月とネコ」が実写映画化されました。ネコが主役の映画ではなく、暮らしの中にネコがいる日々を送るオトナたちを描いた作品です。
以前、“クォーターライフクライシス(二十代後半から三十代にかけて漠然とした不安や焦りを抱える時期)”を丁寧に描いた映画『30S(サーティーズ)』を紹介しましたが、今回の作品は“ミッドライフクライシス”世代の日常と迷いを描いています。
あらすじ
(画像出典:©「三日月とネコ」製作委員会)
簡単にあらすじをご紹介します。
書店で働く40代お一人様女性の灯、30代精神科医師の鹿乃子、20代アパレルショップ店員の男性・仁は、熊本地震をきっかけに意気投合し、やがて共同生活をすることになる。年齢も職業も境遇も違う3人だが、共通しているのはみんな猫が好きなこと。
「普通ではない生活」をしている今の暮らしが一番好きという灯、「ふたりといる今が一番マトモ」だという仁、他人と暮らすことに抵抗があったものの「今とても安定している」と思っている鹿乃子、3人と愛猫ミカヅキとの共同生活は、大いに癒され、それぞれの心の拠り所となっていた。
灯役を安達祐実さん(42)、鹿乃子役を倉科カナさん(36)、仁役を渡邊圭祐さん(30)と同世代の俳優が演じています(記事執筆時の年齢)。安達祐実さんや倉科カナさんのずば抜けた透明感と自分を比較してしまいましたが、映画を観ているうちにネコと共に過ごす恋人でも家族でもない男女3人暮らしが充実しているから?と錯覚してしまうような素敵な暮らしが展開されていきます。
ミッドライフクライシス
“第二思春期”や“思秋期”とも呼ばれる“ミッドライフクライシス(ミドルエイジクライシスとも)”。
仕事も私生活もがむしゃらに取り組む20代、30代を経て、落ち着いて安定するような印象がある40代。ところが、人生の中盤に差し掛かることで、これまでの人生を振り返り「このままでいいのだろうか」と漠然とした不安や葛藤が起こり、不安定な精神状態になりがちです。この状態が“ミッドライフクライシス”です。
こういうモヤモヤはどの世代にも起こるものですが、子育てが一段落したり、職場での立場が明確になったり、体力の衰えを感じたりと、人生の折り返しを意識するのが“アラフォー”世代といわれています。
いわゆる“普通”の生き方からはずれていると感じている筆者、立ち止まって考えることも多いのですが、意外な展開を見せるこの作品から「そのままでいいんだよ!あなたはあなた」と言われたような気がしました。
(画像出典:©「三日月とネコ」製作委員会)
熊本地震がきっかけの話なので、冒頭や劇中何度か地震の描写があります。苦手な方はご注意ください。
三日月のように満ちていく途中の、迷えるオトナ3人と愛おしいネコとの優しくあたたかい共同生活は、猫好きさんだけでなく犬好きさんの心も溶かしてくれるはずです。
出演:
安達祐実、倉科カナ、渡邊圭祐、山中崇、石川瑠華、柾木玲弥、日高七海、小島藤子、川上麻衣子(特別出演)、小林聡美
スタッフ:
脚本・監督:上村奈帆
原作:「三日月とネコ」ウオズミアミ(集英社マーガレットコミックス刊)
製作:映画「三日月とネコ」製作委員会
企画:BOOKS BROTHERS
製作プロダクション:アットムービー
配給:ギグリーボックス
宣伝:ギグリーボックス、リブ
製作年 2024年
上映時間 112分
映倫区分 G
5月24日(金)全国ロードショー
『三日月とネコ』予告動画 https://youtu.be/adFfSG0GmYw
『三日月とネコ』公式サイト https://mikazuki-movie.com/
『三日月とネコ』公式 X(旧Twitter) https://twitter.com/mikazuki_movie
『三日月とネコ』公式 Instagram https://www.instagram.com/mikazuki_movie/
出典:©「三日月とネコ」製作委員会 ©ウオズミアミ/集英社