アラサーって何歳から何歳まで?今も「売れ残りおばさん」扱いする人はいる?

「アラサー」という言葉に、どんなイメージを抱きますか?

かつては「売れ残り」や「行き遅れ」といったネガティブな印象がつきまとっていましたが、時代の変化とともに、その意味合いも少しずつ変わりつつあります。

この記事では、「アラサーって何歳から何歳まで?」という素朴な疑問に答えるとともに、社会が抱くイメージやアンケート結果をもとに、現代のアラサー像を探っていきます。

また、アラサー世代が「おばさん・おじさん」と見られることについての調査結果や、「◯◯歳からは△△」「何歳から△△?」といったネガティブな固定観念から解放されるためのヒントもご紹介。

時代とともに変化する「アラサー」という概念を一緒に見つめ直し、より自分らしく前向きに過ごすヒントを見つけてみませんか?

目次

アラサーって何歳から何歳まで?定義とアンケート

そもそもアラサーとは?何歳から何歳まで?

アラサーとは

「アラサー」とは、アラウンドサーティー(Around Thirty)の略語で、一般的には28歳以降34歳までくらいの年齢を指します。

2005年に創刊されたファッション雑誌『GISELe(ジゼル)』(主婦の友社)が生み出した造語とされています。当初は30歳前後の女性を対象とした言葉でしたが、徐々に広く使われるようになり、現在では男性にも適用されることがあります。

アラサー世代は、若さと初々しさを保ちながらも、大人の階段を登り始める微妙な時期であり、大人としての責任や選択が求められる時期です。

特に女性にとっては、結婚、出産、キャリアといった人生の重要な選択に直面しやすいタイミングでもあります。

アラサー女性として日本社会で生きると、望む望まざるに関わらず、「彼氏は?」「結婚は?」「子どもは?」といったプライベートな問いを投げかけられがちです。実際、日本では2024年時点で女性の平均初婚年齢が29.9歳(男性は31.1歳)となっており、この年齢層が「アラサー」と重なります。

アラサーは、人生の大きな転換点を迎える時期であることが多いです。そのため、さまざまな期待やプレッシャーがかかりやすい年代ともいえるでしょう。

【アンケート】約2.3万に聞いてみた!アラサーは何歳からだと思う?

世間は「アラサーは何歳からだと思うか?」を調べるために、編集部では約2.3万人を対象にアンケート調査を実施しました。

女性男性回答しない合計
25歳529
(9.7%)
1327
(8.0%)
79
(9.2%)
1935
(8.5%)
26歳321
(5.9%)
891
(5.4%)
35
(4.1%)
1247
(5.5%)
27歳433
(7.9%)
1123
(6.8%)
58
(6.8%)
1614
(7.1%)
28歳1211
(22.2%)
3877
(23.5%)
159
(18.6%)
5247
(23.0%)
29歳796
(14.6%)
2674
(16.2%)
108
(12.6%)
3578
(15.7%)
30歳1531
(28.1%)
4619
(27.9%)
199
(23.3%)
6349
(27.8%)
わからない633
(11.6%)
2020
(12.2%)
217
(25.4%)
2870
(12.6%)
総計5454
(100.0%)
16531
(100.0%)
855
(100.0%)
22840
(100.0%)

「アラサーは何歳からだと思うか?」という質問の回答からは、アラサーは「28歳~30歳」を指すことが主流であることがわかりました。

30歳と答えた人が最も多く、全体の6349人(27.8%)を占めています。次に多かったのは28歳(5247人、23.0%)で、アラサーを30歳より少し前から意識する層が一定数いることがわかりました。また、性別による大きな違いは見られませんでした。

アラサーは“売れ残り”“行き遅れ”なのか?

アラサー世代に対する“売れ残り”や“行き遅れ”といった価値観。こうした考え方はどこから生まれたのでしょうか? 現在はどれくらいの人がそのように思っているでしょうか。

ここからは、世間の声やアラサー女性がそのようなレッテルを貼られていた背景について紐解いていきます。

【アンケート】約2.3万に聞いてみた!アラサーは“売れ残り”“行き遅れ”だと思う?

女性男性回答しない合計
思う173
(3.2%)
763
(4.6%)
45
(5.3%)
981
(4.3%)
思わない3701
(67.9%)
10278
(62.2%)
451
(52.8%)
14430
(63.2%)
人によると思う1580
(28.9%)
5490
(33.2%)
359
(42.0%)
7429
(32.5%)
総計5454
(100.0%)
16531
(100.0%)
855
(100.0%)
22840
(100.0%)

「アラサーは、いわゆる“行き遅れ”や“売れ残り”だと思いますか?(男性・女性ともに)」という質問に対する回答データによると、アラサーを“行き遅れ”や“売れ残り”とは「思わない」と答えた人が全体の14,430人(63.2%)と最も多い結果になりました。

特に女性では3701人(67.9%)が「思わない」を選び、アラサー世代に対するネガティブな見方を拒む姿勢が強く表れています。男性でも同様に「思わない」と回答した人が10,278人で、全体の約62.2%を占めており、アラサーを“行き遅れ”や“売れ残り”とする価値観が時代とともに薄れつつあることがうかがえます。

一方、「人による」と答えた層も一定数存在しており、見た目やライフスタイルに基づいた個別の判断が根強いことも事実といえるでしょう。

「女はクリスマスケーキと同じ。25過ぎたアラサーは売れ残り」という常識の変換

アンケート結果から、アラサーを“行き遅れ”や“売れ残り”とする価値観が時代とともに薄れつつあることが明らかになりました。

しかし、なぜ、かつてアラサー女性はそのようなレッテルを貼られていたのでしょうか?

昭和初期ごろには、30代になって女性が結婚していないと「売れ残り」と揶揄されることがありました。

当時の平均初婚年齢は20歳前後であり、女性は職に就くことが難しかったため、結婚は女性にとって唯一の生きる道だったのです。結婚するのが当たり前であり、結婚こそが女性の幸せで、女性の幸せは結婚相手によって変わってくる、というのが当時の常識でした。

また、女性は男性よりも立場が弱く、「選ばれる」立場であったため、結婚しない女性は「選ばれなかった女性」だと思われていました。

さらには、女性は男性と同じ人間ではなく、家父長制のもとで管理、やり取りされる資産であり、物だという規範も残っていました。

それゆえ、結婚相手として選ばれることが「売れる」「片付く」という言葉で表現されていたわけです。

こういった理由から、アラサーの結婚できない(当時は、女性は皆、結婚したがっているはずだ、という価値観でした)女性たちは、「売れ残り」として後ろ指を差されることになったのです。

それから時代は変わり、令和の今、平均初婚年齢は男女ともに30歳前後※1になりました。

ですから、アラサーで結婚していない女性が売れ残り扱いされることは無くなったのです。時代は変わりました。

今や多くの女性が、結婚や出産を自分のタイミングで決められます。また、結婚しない、出産しないこともひとつの選択肢として認められるようになったのです。

ただし、まだ一部の世代や地域では、「女性の幸せイコール結婚」の価値観は残っています

そういった旧来の価値観を持っている人の中には、結婚していないアラサー女性に向かって、「結婚しないの?」と執拗に問いかける人もいます。たちが悪い人になると「早く結婚しないと、手遅れになるよ」と呪いをかける人もいるのです。

「アラサーなんだから早く結婚しないと売れ残るよ」と言ってくる人は、数は劇的に減ってきているとはいえ、消滅してはいないのです。

※1 「平成27年人口動態統計月報年計(概数)の概況」より
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai15/

アラサー女性は「おばさん」?

ここからは、アラサー女性は「おばさん」なのか、アラサー男性は「おじさん」なのかについて考えていきます。

アラサー女性は「おばさん」を自覚すべき?「おばさん」と呼ぶべき?

アラサー女性をおばさんと呼ぶべきでしょうか?

おばさんという言葉にはしばしば侮蔑的な意味が含まれます。おばさんには、年齢を重ね、若さや魅力を失った人、というニュアンスがありますよね。

おばさんという言葉のイメージを刷新しようという試みをする人もいます。

例えば、コラムニストのジェーン・スーさんとアナウンサーの堀井美香さんがパーソナリティーを務めるポッドキャストOVER THE SUN(オーバーザ・サン。おばさん、とも聞こえるタイトル)では、タイトルにおばさんとつけ、中年以降の人生をエンジョイしている様を発信しています。

おばさんになること、歳を重ねることは、本来ネガティブなことではありません

ですから、中年女性をおばさんと呼ぶことは何ら問題ないはずです。

しかし、そうは言っても世間一般的には、おばさんにはネガティブなニュアンスがいまだに強いですから、身近なアラサー女性をおばさんと呼ぶのは避けたほうがいいでしょう。

アラサー女性本人が「私っておばさんだからー」と先回りして“加齢コスプレ”をしたり、“加齢キャラ”を演じるケースはありますが、アラサーの(特に20代での)「おばさんだから」発言は、同年代女性をイラつかせるだけではなく、年上の女性に「大人ぶっちゃって恥ずかしい。私にもあんな時期があった」と共感性羞恥を抱かせる可能性も。

結果的に周囲との関係をぎくしゃくさせるリスクがあるため、避けたほうが良いです。慎重な発言を心がけましょう。

本当のおばさんになったら、自分がおばさんかどうか、悩んだりはしません。

自分はおばさんなのか? 

若くないのか? 

とドキドキしているアラサー女性は、本物のおばさんから見たら、とても初々しい若者なのです。

【アンケート】約2.3万に聞いてみた!アラサーは、おばさん・おじさんだと思う?

では、世間はどう思っているのでしょうか。アンケートデータを見てみましょう。

女性男性回答しない合計
思う266
(4.9%)
1266
(7.7%)
61
(7.1%)
1593
(7.0%)
思わない3071
(56.3%)
8739
(52.9%)
344
(40.2%)
12154
(53.2%)
人によると思う2117
(38.8%)
6526
(39.5%)
450
(52.6%)
9093
(39.8%)
合計5454
(100.0%)
16531
(100.0%)
855
(100.0%)
22840
(100.0%)
女性回答データ
10代20代30代40代50代60代女性合計
思う7
(15.9%)
32
(8.6%)
35
(5.8%)
71
(4.8%)
77
(4.4%)
44
(3.6%)
266
(4.9%)
思わない20
(45.5%)
182
(48.9%)
312
(51.8%)
804
(54.8%)
1041
(59.4%)
712
(58.6%)
3071
(56.3%)
人によると思う17
(38.6%)
158
(42.5%)
255
(42.4%)
592
(40.4%)
636
(36.3%)
459
(37.8%)
2117
(38.8%)
年代別合計44
(100.0%)
372
(100.0%)
602
(100.0%)
1467
(100.0%)
1754
(100.0%)
1215
(100.0%)
5454
(100.0%)    
男性回答データ
10代20代30代40代50代60代男性合計
思う0
(0.0%)
54
(11.5%)
73
(12.7%)
692
(7.4%)
320
(7.7%)
127
(6.4%)
1266
(7.7%)
思わない10
(50.0%)
219
(46.5%)
220
(38.4%)
4873
(52.2%)
2250
(54.3%)
1167
(58.6%)
8739
(52.9%)
人によると思う10
(50.0%)
198
(42.0%)
280
(48.9%)
3769
(40.4%)
1572
(38.0%)
697
(35.0%)
6526
(39.5%)
年代別合計20
(100.0%)
471
(100.0%)
573
(100.0%)
9334
(100.0%)
4142
(100.0%)
1991
(100.0%)
16531
(100.0%)

「アラサーは、“おじさん”or“おばさん”だと思いますか?」という質問をしたところ、「アラサーはおじさん・おばさんだと思わない」と答えた人が全体の12154人(53.2%)に上り、男女ともに「アラサーをおばさんとは思わない」という意見が多数派を占めていることがわかりました。

特に女性では3071人(56.3%)がこの回答を選択しており、男性の8739人(52.9%)より多く、アラサー世代に対するポジティブで若々しいイメージが広がっている様子がうかがえます。また、「人によると思う」という意見も多く、年齢だけでなく振る舞いや外見がアラサーの印象を左右していることを示唆しています。

一方、「アラサーはおじさん・おばさんだと思う」と答えた人は全体で1593人(約7%)に留まり、少数派であることが明らかに。女性266人(4.9%)よりも男性のほうが1266人(7.7%)で「おばさんと思う」割合がやや高く、男性側が女性の年齢に対して厳しい見方をしがちな現状も一部反映されています。しかし、それでも多くの男性がアラサー世代をおばさん・おじさんとは見なしていません

特筆すべきは、年齢が上がるほど「アラサーはおばさん・おじさんではない」と考える人が増えるという点です。これには、アラサー世代を応援する気持ちや、自分自身の経験から生まれる理解が背景にあるのかもしれません。

さいごに。時代が変われば「アラサー」も変わる

1995年、日本人女性の平均寿命は63歳でした。この時代のアラサーは立派な中年でありおばさんだったでしょう。

しかし、現在は人生100年時代と言われる時代です。30年生きたところで、まだ三分の一程度しか生きておらず、中年とはいえません

アラサー女性に対する立ち位置、社会からの見られ方は刻々と変化しています。1995年のアラサー女性は、結婚し子供を育てているのが普通であり、そのコースから外れた女性は売れ残り扱いでした。

しかし現在、アラサー女性は、自分でお金を稼ぐことができ、結婚しなくても村八分にされません。まだまだ女性に対する結婚や出産のプレッシャーはあるとはいえ、多様な生き方ができる時代になったのです。

アラサーから新しい趣味を始めたり、転職したり、起業したりすることも十分可能です。

昔は30歳転職限界説、なんて言われていましたが、現在は40代になると転職が難しくなるかも?という言説に変わってきています。

現代のアラサー女性は、多様な生き方を選べて、先が長いからこそ、選択肢を間違ってはいけないというプレッシャーを感じるのでしょう。

彼女たちは、「女性が物扱いで、結婚しなければ売れ残り」と言われた女性たちは決して選べなかった様々な選択肢を前に、贅沢な悩みを抱えているのかもしれません。

【アンケートの調査概要】
調査名:「アラサー」に関するアンケート
調査期間:2024年11月9日 00:00~23:59

有効回答者数:22,840人
調査方法:QR/バーコードリーダー「アイコニット」ユーザーへのインターネット調査

企業や個人向けのアンケートサービス提供中。ご自身の調査にも活用してみませんか?
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、執筆・連載中。視界が開けるような記事を発信していきたいです。

目次