SNSやスマホの通知で気づかぬうちに疲れてしまう毎日。頭の中がごちゃごちゃして、何が本当の自分の気持ちなのか、わからなくなることってありませんか?
そんなとき、そっと心を整えてくれるのが「書く瞑想」とも呼ばれるジャーナリングです。日記のようでいて、やり方のルールも決まりも正解もなく、ただ思いのままに書くだけ。
今回は、ジャーナリングの簡単なやり方や効果、続けるためのヒントなどを解説していきます。
初心者でも気軽に始められるやり方を紹介していますので、ぜひチェックして、まずは5分からジャーナリングを試してみてくださいね。
書く瞑想、ジャーナリングとは?

ジャーナリングとは、日々の思考や感情を紙に書き出す習慣のことです。一見すると日記と似ていますが、大きな違いがあります。
日記が「今日何があったか」という出来事を記録するものなのに対し、ジャーナリングは「その出来事で自分がどう感じたか」という内面に焦点を当てるのです。
ジャーナリングには形式や決まりがなく、自由に自分の感情や思考をページに流し込むことができます。自分だけが読むものなので、誤字脱字や文法を気にする必要もありません。
ただ、「形式や書き方に決まりがないからこそ、どこから始めたらいいのかわからない」という方も多いでしょう。
今回は、「なんとなくジャーナリングに興味があるけど、どこから始めたらいいのかわからない」という方のために、簡単なやり方や効果、続けるためのヒントなどを解説していきます。
ジャーナリングの効果
ジャーナリングにはさまざまな効果が期待できます。ここでは、代表的な効果をご紹介します。
メンタルヘルスの向上
ジャーナリングは心理療法の一環として活用されています。頭の中でぐるぐる回っている思考を外に出すことで、頭の中をスッキリさせることができるでしょう。
ストレス軽減

ストレスフルな体験について書くことで、ストレスホルモンのレベルが下がるとも言われています。友人に愚痴を言ってスッキリするように、ジャーナリングで気持ちを吐き出すことで、モヤモヤが解消することもあるでしょう。
自己理解が深まる
人は案外、自分自身の気持ちに気づけないものです。定期的にジャーナリングをすることで、自分の思考パターンや感情の傾向に気づくことができ、「私ってこういう人だったのか」「自分が求めていることは、これだった」と気がつける可能性があります。
問題解決能力の向上

モヤモヤした気持ちを書き出すことで、問題を客観視できるようになり、解決策が見つかりやすくなります。
目標達成のサポートになる
目標や夢を書き出し、定期的に振り返ることで、それらの実現に向けた行動を取りやすくなります。
例えば、「英語が話せるようになりたい」という目標があり、その気持ちをジャーナリングで書いていたとします。何度も「英語が話せるようになりたい」と書いているうちに、じゃあ、具体的にどうしたらいいんだろう、と考え始めるでしょう。
ジャーナリングのやり方。簡単な3ステップ
ジャーナリングのやり方は自由です。ここでは、「どこから始めたらいいのかわからない」という方向けに、基本のステップをご紹介します。
STEP1.安全かつ快適な環境を作る

誰にも邪魔されない静かな場所を選びましょう。心理的安全性を確保した上で、ゆっくり机に向かってください。
STEP2.頭に浮かんだことを自由に書く
頭に浮かんだことを自由に書きましょう。脳の排水のつもりで、吐き出してください。
書くことが思いつかない場合は、
書くことが思いつかないけど、ジャーナリング始めたいから始めてみた。どんな効果があるのか楽しみ。
という導入でもいいのです。
STEP3.判断しない
ジャーナリングは人に見せるものではありませんから、醜い感情が湧いてきたとしても、隠す必要はありません。自分の思考や感情を批判せず、ただ観察するつもりで書きましょう。
「書くことが苦手な人」がジャーナリングを続けるためのヒント
次に、書くことが苦手な人が、ジャーナリングを続けるためのヒントをご紹介します。
お題を設定する

「今日一番印象に残ったことは?」「今、心配なことは?」「今日、自分を褒めてあげたいことは?」「明日、やりたいことは?」など、お題を設定してみましょう。
箇条書きでもOK
文章を書こうとすると気負ってしまい難しいという場合は、思いついたことを箇条書きで記録するだけでも効果があります。
絵や図を取り入れてみる
言葉だけでなく、その時の気持ちを表す絵や図を描くのも一つの方法です。
音声入力を活用する

スマホの音声入力機能を使って話すだけでも、ジャーナリングはできます。
時間を決めてみる
5分間と時間を決めて、勢いに任せて書いてみるのもいいでしょう。
3行ジャーナル
毎晩、1日の終わりに3行だけ書いてみましょう。
- 一行目は、今日、自分を褒めてあげたいこと
- 二行目は、今日の反省
- 三行目は、明日したいこと
サポーターを探す
ひとりで始めるのは難しいという場合、ワークショップに参加したり、ジャーナリングを推奨しているポッドキャストを聞いてみるなど、サポーターとなる人を探してみましょう。
おすすめのジャーナリングノート・アプリ


ジャーナリングを書き始めたいけど、どんなノートを選べばいいの?



アプリでもできる?
という方のために、初心者でも使いやすいおすすめツールをご紹介します。
ジャーナリングにおすすめのノート
無印良品のシンプルノート
無地・方眼・横罫など、用途に応じて選べる無印の定番ノート。余計な装飾がなく、どんなペンとも相性◎。
モレスキン(MOLESKINE)
イタリア生まれのクラシックなノート。しっかりしたハードカバーと上質な紙で、持つだけでちょっと背筋が伸びるような一冊。
自分のお気に入りのノート
結局のところ、一番大切なのは「自分がときめくノート」を選ぶこと。
ジャーナリングにおすすめのアプリ
muute(ミュート)
投稿したデータを元にAIが思考と感情を分析し、客観的アドバイスをくれるアプリです。
MOODA(ムーダ)
1日数秒で感情を記録できる、ミニマルで可愛いデザインのアプリ。
毎日まめ
その日の気分を簡単に記録できるお手軽アプリです。カレンダーでこれまでの気分を一目で確認できます。
気分推移グラフで、自分のバイオリズムを知ることもでき、「どの活動が自分の気分に影響を与えているのか」を確認することができます。
ジャーナリングを続けるコツ
次に、ジャーナリングを続けるコツを見ていきましょう。
小さく始める


最初から長時間書こうとすると息切れしてしまいます。3分〜5分程度から始めましょう。
「これくらいなら書ける」という心理的ハードルの低さが継続のコツです。
習慣化する
毎日同じ時間に書く習慣をつけると続きやすくなります。
朝の目覚めの後や夜の就寝前など、生活の中に自然と組み込めるタイミングを見つけましょう。
完璧を求めない
「上手く書かなきゃ」「こんなのはジャーナリングとは言えない」という思いは捨てましょう。
ジャーナリングに正解はありません。
お題を決めておく
書くことが思いつかない日のために、いくつかお題を用意しておくと安心です。
お題・テーマ例
- 今日一番嬉しかったことは?
- 最近、自分を誇りに思うことは?
- 5年後の自分はどうなっていたい?
など、なんでもOKです。
振り返りの時間を設ける


月に一度、これまで書いたジャーナルを読み返す時間を作りましょう。
自分の成長や変化に気づくことができ、モチベーションがアップします。
自分のテンションを上げる
お気に入りのペンや、書くのが楽しくなるようなかわいいシールやスタンプを用意するのも良いでしょう。
毎日眺めたくなるノートを使うことで、ジャーナリングの時間が楽しみになるかもしれません。
ジャーナリングをより効果的に実践するための上級者テクニック
ここまで、ジャーナリングの基本を解説してきました。以降は上級者向けの内容になりますから、基本だけ知りたいという方は、読み飛ばしてください。
比喩表現を使ってみる
感情を言語化するのが苦手な方は、まず「今の気分を色で表すと何色?」「今の気分を天気で表すと?」といった比喩から始めるのが効果的です。
例えば「今の気分は曇りのち雨」と書けば、その後になぜそう感じるのかを掘り下げやすくなります。
自分と対話してみる
人の感情は複雑で、時に矛盾します。自分の中にAという感情があるけれど、同時に正反対のBという感情がある、ということもあるでしょう。
例えば「不安な自分」と「冷静な自分」との対話を想像して書いてみましょう。
これにより、自分の中の葛藤を可視化し、解決策を見つけやすくなります。
感謝にフォーカスする


毎日3つの感謝できることを書き出す実践は、最も簡単でありながら効果的なジャーナリング法です。小さなことでも構いません。
「おいしいパンが食べられた」「電車で座れた」「早起きできた」など日常の些細な喜びに目を向けることで、ポジティブ思考が養われます。
「できること」と「できないこと」を分ける
仕事などで感じるストレスや不満を書き出し、次に「この状況で自分にできることは何か」「コントロールできることとできないことは何か」を分けて書いてみましょう。
コントロールできることに焦点を当てることで、無力感から抜け出せるでしょう。
相手の立場に立つ


対人関係の悩みがある場合は、相手の立場になって文章を書いてみるのが効果的です。
「もし自分が相手の立場だったら何を感じるか」と考えることで、エンパシー(相手の立場に立って考える力)が鍛えられるでしょう。
エンパシーを鍛えることで、独りよがりにならず、広い視野を持つことができます。
ポジティブな面にフォーカスし、自己肯定感を高める
「自分の強み」「最近の小さな成功体験」「自分が成長したと感じる点」などを定期的に書き出してみましょう。
ポジティブな面にフォーカスすることで、自己肯定感が育まれます。
ジャーナリングの意外な落とし穴と対処法
最後に、ジャーナリングの落とし穴と対処法をご紹介します。
過度の自己分析に陥らない


ジャーナリングで自己分析しすぎると、かえって気分が沈むことがあります。
「書かなければ」というプレッシャーを手放す
「毎日書かなければ」という義務感がストレスになったら、週に2〜3回など、自分のペースに調整しましょう。
ひとつの方法に固執しない
ジャーナリングにアファメーションを取り入れる人は少なくありません。
アファメーションとは、目標を設定し、その目標がすでに叶ったかのように言語化することで、夢の実現を促進する手法です。
例えば、歌手になりたい人が、「私は歌手になりたい。武道館でコンサートをしたい」と書くのではなく、「私は歌手です。武道館でのコンサートが決まっています」と書くのがアファメーションです。アファメーションによって気分が上がり、頑張れる人も少なくありません。
しかし、宣言している夢と現実が乖離している場合、かえって落ち込んでしまう人もいるでしょう。その場合、アファメーションはお休みして、別の方法にトライしてみてください。
書けない日の対処法
書く気が起きない日は、「今日は書けない理由」をテーマにしてみましょう。
さいごに。簡単なところから始めてみよう
ジャーナリングは自分自身との対話の時間です。完璧である必要はなく、続けることに意味があります。
たった数分でも、定期的に自分の内面と向き合う時間を持つことで、日々のストレスやモヤモヤが少しずつ解消されていくでしょう。
まずは気軽に始めてみたいという方は、3行ジャーナル(今日の反省、今日よかったこと、明日したいことを書く)か、感謝にフォーカスするジャーナリング(毎日、感謝することを3つ書き出す)などから始めてみましょう!





