「キャリアアップしたくないけど稼ぎたい女性」はどうしたらいい?

近年、若者が出世したがらない、とよく言われるようになりました。

とくに、出世を避けるキャリアアップしたくない女性」も増えていると言われています。

内閣府の調査によると、女性の8割以上が、

雇用の安定性を重視して働きたい

負荷の少ないことを仕事にして働きたい

突発的な時にも休みやすいことを優先して働きたい

残業が少ないことを優先して働きたい

と希望していると言います。女性の多くは、出世よりも安定負担の少なさを求めることも多いようです。

では、なぜキャリアアップしたくない女性が多い結果になるのでしょうか?

今回は、キャリアアップしたくない女性の心理や、キャリアアップしたくないけれど稼ぎたい場合にできることを簡単に解説していきます。

目次

女性が「キャリアアップしたくない」と思う理由とは?

キャリアアップとは本来、「より高いスキルを身につけ、自身の経歴や能力を向上させること」を指します。

しかし、日常会話では「管理職への昇進や昇格」と同義で使われることも少なくありません。

そのため女性が、

キャリアアップしたくない

と口にする場合、管理職への昇進、いわゆる出世に対する迷いやためらいを意味することが一般的です。

女性がキャリアアップに消極的になる背景には、個人や職場環境社会的要因など、さまざまな理由が存在しています。

家庭と仕事の両立が難しい。共働きでも女性が家事・育児をしていてキャリアプランを立てるのが大変すぎる

管理職になることで業務時間や責任が増し、家庭やプライベートの時間が削られることを不安に感じている女性は少なくありません。

日本では、男性の労働時間が長時間になりがちだという背景や、性別役割意識が強いという背景によって、共働きであっても、女性が育児・家事の主たる責任者になりがちです。

女性がキャリアアップしたところで、パートナーである夫の年収よりも低いことは珍しくなく、夫側が、

自分の方が稼いでいるのだから、家事は妻がするべき

と考えるケースも珍しくありません。

日本の女性は睡眠時間が諸外国と比べると短いことで知られていますが、これは、外での賃労働と、家事育児という無償家事労働のダブルシフト状態が長期間続くことが要因のひとつなのです。

いくら出世しても、会社での仕事と家庭での家事育児というダブルシフトから逃れられず、結果として大幅に労働時間が増えてしまう未来が見えている場合、出世に対して及び腰になるのは自然なことでしょう。

「女性はリーダー・管理職になるべきではない」という性別役割意識がある

女性政治家が男性政治家に比べて容姿をジャッジされたり、嫌がらせをされたりする頻度が高いことはよく知られていますが、これは、女性が指導的立場に立つことを好ましく思わない人が一定数いることの証左です。

会社組織においても同様で、

女性はリーダーより“女性ならでは”の気遣いが発揮できるサポーター役が相応しい

女性が管理職になるべきではない

という偏見は、依然として根強く残っています。

一部の職場では、女性管理職に対して厳しい目が向けられることもあり、こうしたミソジニー※による偏見が、出世に対する消極的な姿勢につながることもあります。

※ミソジニーとは「女性に対する嫌悪や蔑視」を意味します。

同時に、女性自身が、「女性はサポーター役割の方が相応しい」という、古いジェンダー観に基づいた性別役割を内面化しているケースも珍しくありません。

キャリアアップに対するプレッシャーが男性よりも少ない傾向がある

女性に限りませんが、仕事はあくまでも生活のためであって、ある程度収入があり安定していればそれでいい、出世は望まない、という価値観の人もいます。

男性の場合、

男性は働いて収入をしっかり得なければならない

大黒柱でなければならない

という性別役割がいまだに残っています。

そのため、自分が望んでいなくても、キャリアアップしろという社会的圧力があるので、自然とキャリアアップを選びがちです。

ですが、女性は、そういった社会的圧力が男性よりも少ないため、キャリアを求めなくても咎められない場合が多いのです。

キャリアアップしたくないけど働き続けたい&稼ぎたい女性へのキャリアプラン戦略のヒント

出世や大きな昇進は望まないけれど、仕事は続けていきたい

会社で昇進していきたいわけではないけど稼ぎたい

という女性は少なくありません。

では、管理職への昇進など出世を望まない人が仕事を続け、稼ぐためには、どのような工夫が必要なのでしょうか?

ここからは、キャリアアップしたくない女性が働き続け、稼ぎ続けるためのキャリアプラン設計のヒントを紹介します。

キャリアアップしたくない人こそ、スキルを磨く

出世をしないとしても、働き続けるためには自分の市場価値を高めることが重要です。専門的なスキルを身につけることで、管理職にならずとも、仕事の幅を広げることができます。

例えば、プログラミング、マーケティング、営業などのスキルを専門的に学ぶことで、その分野のプロとして評価され、ヘッドハンティングされる可能性があります。

女性のプログラマーで大手IT企業にヘッドハントされ、年収2000万円を稼ぐ、という事例も存在します。

管理職にならずとも、必要とされる能力を磨きスキルアップことで、高年収は実現可能なのです。

ワークライフバランスや健康を大切にするマインドへシフト

働き過ぎて体を壊してしまうと、本当にリカバリーに時間がかかります。働き続けるためには、健康な精神健康な肉体が必要だと理解し、無理のない働き方を心がけましょう。

具体的には、適度な休息を取り入れ、ストレスをためすぎないことが重要です。また、日々の健康管理に加えて、体調の変化を感じた際には早めに医療機関を受診することを習慣にすると良いでしょう。

ワークライフバランスを意識し、仕事とプライベートをうまく切り分ける工夫も必要です。

職場の人、同業者、クライアントと良好な関係を築く

出世しない場合でも、職場の人間関係を円滑に保つことは重要です。特に、同僚や上司との信頼関係を築くことで、昇進しなくても職場での居心地が良くなるでしょう。

また、他社の同業者や取引先相手との関係も維持するように努めましょう。同業他社と交流を持つことで、より良い条件でヘッドハントされる可能性も出てきます。

キャリアアップしたくないなら、副業を検討してみる

副業OKの会社に勤めているなら、月1万円でもいいので、副業で収入を得ることを考えてみましょう。

副業を自分を成長させていければ、会社で出世しなくても、トータルでは高収入を得られる可能性が高まります。

キャリアアップしたくないけど稼ぎたい女性が陥りがちな罠

会社でキャリアアップはしたくないけれど、収入を増やしたいと考える女性は少なくありません。

しかし、そういった女性の心理を利用して、お金や労働力を搾取しようと狙っている輩もいるので、選択を間違えないように注意しましょう。

そのため、選択を誤らないよう慎重に判断することが重要です。自身の価値を正当に評価し、安易な誘い条件に流されないようにしましょう。

ネットワークビジネス

ネットワークビジネスの勧誘は警戒しましょう。

ネットワークビジネスは違法ではありませんし、一握りの成功者や創始者は巨額の富を手に入れられる可能性があります。しかし、9割以上は労働力お金人脈搾取されて終わってしまいます

キャリアアップが望めない、または望まないけれどお金が欲しい、と考える女性を狙って、アロマや下着、化粧品、仮想通貨などのネットワークビジネスが横行しているので注意しましょう。

スピリチュアルビジネス

次に気をつけなければならないのは、スピリチュアルビジネスです。

占いやヒーリングなどの講座を開催している人たちは、よく、

子育て中でも稼ぎやすい

自由に働けて海外旅行も行ける

などと甘い言葉を囁くことがあります。

しかし、その多くは講座の代金を支払わせるだけの誇大広告です。甘い言葉に騙されてしまわないよう、注意しましょう。

仮想通貨・FX・ハイリスクな投資

FXや仮想通貨など、ハイリスクな投資を勧めてくる人、関連する情報商材を高く買わせようとする人もいます。

場合によっては一瞬で大金を失ってしまうリスクもありますから、避けた方が無難でしょう。

さいごに。興味を持てる分野でスキルを磨こう

さまざまな理由から「出世したくない」「キャリアアップに興味がない」という女性は少なくありません。仕事やお金だけが人生ではありませんから、キャリアアップしないことが、すなわち不幸なことだとは言えません。

しかし、人が生きていくためにはお金が必要ですから、何らかの方法で働き続け、稼ぎ続けられる道を探る必要があるでしょう。

働き続け、稼ぎ続ける確実な方法、それは「スキルを磨き続ける」ことです。

めんどうくさそうだとか、大変そうだと思うかもしれませんが、自分の興味が持てる分野なら、楽しんでスキルを身につけられるかもしれません。

現在は、人生100年と言われています。先は長いですから、今からでも新しい分野を学ぶことを検討してみてもいいでしょう。

※参考文献 内閣府 令和4年度 新しいライフスタイル、新しい働き方を踏まえた男女共同参画推進に関する調査報告書
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/lifestyle_r04/03.pdf?utm_source=chatgpt.com

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この記事を書いた人

編集者を経て現在フリーライター。複数メディアにて、執筆・連載中。視界が開けるような記事を発信していきたいです。

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