忙しい日の帰り道、ふと頭に浮かぶ「もし生まれ変わるなら?」という妄想。単なるおしゃべりのネタにも思えますが、その答えには、今を生きるわたしたちの価値観がにじみます。
今回、20〜30代女性375人に同テーマで質問したところ、「そのときの気分で決めたい」が最も多い一方で、「生まれ変わりたくない」という声もほぼ同じ規模で並びました。
固定の正解に縛られない柔らかさと、いまの自分を肯定する落ち着き。どちらも同居する時代の空気が見えてきます。
※本記事は、アイコニット・リサーチで実施した独自アンケート調査結果をもとに執筆しています。
生まれ変わるなら?「気分次第」派と「いまのままでいい」派がデッドヒート!
まず、「生まれ変わるとしたらどちらを選びたいですか?」と聞きました(有効回答:20〜30代女性 375人)。

- そのときの気分で 108票(28.8%)
- 生まれ変わりたくない 100票(26.7%)
- 女性 99票(26.4%)
- 男性 68票(18.1%)
最多は「そのときの気分で」。ひとつの正解に決め込まず、状況や心の動きに合わせたいという余白のある選び方が、いまの世代の心地よさに合っているのかもしれません。
次いで多かった「生まれ変わりたくない」は、いまの自分や人生を受け止めている安定感の表れにも見えます。
一方、「女性」「男性」を選んだ人も約4割。男女いずれかを選ぶ人、選ばない人、とりあえず保留にする人がバランスよく並び、決めない自由まで含めた多様性が感じられます。
大きな決断ほど「一度決めたら変えられない」と思いがち。けれど実生活ではいまはこうすると仮置きして、あとで見直すくらいが丁度いいことも。気分や状況を合図に、選び直せる余白を残しておくと楽になります。
なぜその答え?最多はなんとなくだけど…そこに見える本音とは
続いて、選択の理由を単一回答で聞きました(複数の選択肢から最も近いもの)。
- 特に理由はないけど、なんとなく 115票(30.7%)
- 今の性別に満足しているから変えたくない 88票(23.5%)
- 今とは違う人生を体験してみたい 71票(18.9%)
- ファッション・メイク・髪型・体格に興味がある 22票(5.9%)
- 単純に興味がある 19票(5.1%)
- 憧れのライフスタイルがある 17票(4.5%)
- 社会での扱われ方がどう違うか体験したい 13票(3.5%)
- 異性の気持ちを理解してみたい 12票(3.2%)
- 今の性別にちょっと飽きた 12票(3.2%)
- モテてみたいから 6票(1.6%)
1位の「なんとなく」は一見あいまいですが、感覚を信じて選ぶというスタンスとも言い換えられます。2位の「今の性別に満足」には、自己肯定感の高さや、いまのままでいいを許せる気持ちが透けます。
3位の「違う人生を体験してみたい」は、推し活やサブカル、動画やフィクションを通じて多様な生き方に触れている世代ならでは。試してみたいという軽やかさが魅力です。
「理由が言語化できない」選び方もOK。服や髪型、働き方など、なんとなく心が動く方を一度選んでみる。合わなければ戻せばいい。小さく試すことは、失敗ではなく更新です。
いまの自分を大事にする安心感と、違いを楽しむ好奇心。その両立が等身大
今回の回答は、自己肯定感(いまを受け入れる)と実験精神(違いを楽しむ)が同時に存在していることを教えてくれます。
気分次第は、移ろう心にちゃんと居場所を用意するやさしさ。生まれ変わりたくないは、いまの自分に点をあげられる落ち着き。違う人生を体験したいは、可能性を閉じないしなやかさ。どれも未来に向けた健やかなサインです。
生まれ変わるほどの変化がなくても、小さな選び直しは日常でできます。
- 平日だけ新しい通勤ルートを試す
- 仕事のやり方を1割だけ変える(朝30分だけ深呼吸タスクに)
- 休みの日の服の系統を変えてみる
ミニサイズの変化は低リスクで、でもちゃんと気分が変わります。
生まれ変わらなくても、いまここで選び直せる
データは、決めない自由といまの自分の肯定が両立していることを映していました。
生まれ変わるなら?という問いは、実はいまの自分をどう扱うかへの問いかけでもあります。
なんとなくでも、満足でも、別の体験でも、どの選び方もまるごと正解。大事なのは、そのときの自分に合うペースで、何度でも選び直せることです。
今日のワンポイント「大きく変える」より、試す→合うものだけ残すを繰り返す。
それだけで、毎日は少しずつ自分にフィットしていきます。



<調査概要>
調査方法:「QR/バーコードリーダー・アイコニット」アプリ内アンケートコーナーにて実施
調査対象者:「QR/バーコードリーダー・アイコニット」アプリユーザー
調査日:2025-07-28
有効回答者数:375人(20代・30代女性)
※文中の数字は小数第一位または第二位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります
「アイコニット・リサーチ」を、ご自身の調査にも活用してみませんか?
リサーチのご依頼やデータ利用のご相談は、アイコニット・リサーチ(https://www.iconit.jp/iconit-research/)へ。