X(旧Twitter)を見ていると、定期的に炎上する話題があります。
そのひとつが「初めてのデートでファミレス/チェーン店はアリ?」という論争です。
特に婚活やマッチングアプリ界隈では、この話題が出るたびに激しい議論が繰り広げられているので、婚活・恋活中の方は、一度は目にしたことがあるでしょう。

「大戸屋で初デートって脈なしってこと?」
「社会人なのに初デートがファミレスとか信じられない」



初デートでサイゼで喜ぶ彼女を妄想している人なんて絶対モテない



逆に初デートで高級店に連れて行かれる方が怖い
など、様々な意見が飛び交っており、議論は永遠に平行線のように見えます。
果たして、初めてのデートではどこへ行くのがオススメで正解はあるのでしょうか?この記事では例をみながら解説していきましょう。
なぜこれほどまでに話題になる?「初デートどこ行く」論争の背景


この論争が盛り上がる理由は、初デートの場所選びが単なる「どこで食事するか」というポイントではないからです。
そこには、初めて会う相手が、本当に付き合う気があるのか、相手への気遣い、経済力、価値観、そして恋愛に対する真剣度など、多くの要素が複雑に絡み合っています。
特にマッチングアプリ経由での出会いが増えた現代では、相手のことをよく知らない状態で初デートを迎えることが多くなっており、初デートの場所選びは相手の性格やスペック、真剣度を推し量る重要な指標となっているのです。
一部の男性の視点「なぜファミレスがダメなのか理解できない」


一部の男性が感じているのは、「なぜ初デートでファミレスや大戸屋がダメなのか分からない」という困惑です。実際、男性からはこんな声が聞こえてきます。



ファミレスって清潔だし、メニューも豊富で、値段も手頃。初デートで相手の趣味も好みも分からないうちに、高級店に連れて行って気を遣わせるより良いと思うんだけど。



大戸屋なんて健康的で美味しいし、何がダメなのか本気で分からない。むしろ好印象だと思ってた!



お金がないわけじゃないけど、初回から高級店って、なんか重くない?
確かに、これらの言い分には一理あります。
一部の女性の視点「がっかりししまう理由」
一方で、一部の女性がファミレスや大戸屋の初デートに「がっかり」しているのも現実です。特に婚活やマッチングアプリでの出会いにおいて、女性が感じるのは以下のような感情です。



初デートの場所選びって、相手が自分をどう思っているかの表れだと思う。ファミレスを選ぶということは、『この人はそこまで私に本気じゃないんだな』と感じてしまう



別にお金をかけてほしいわけじゃない。割り勘するつもりだし、あまりに高級な場所は困る。でも、ファミレスよりはもう少し特別感が欲しい。初デートって、ふたりにとって特別な日でしょ?
と少しロマンチックな期待もあるのかもしれません。



大戸屋が悪いわけじゃないけど、一人でも行けるところに誘われると、なんだか『デート』って感じがしない
世代による価値観の違い


また、この論争には、世代による価値観の違いも大きく影響しています。
大学生の場合
大学生同士のデートでは、中学生や高校生の時から親しんでいる場所でもあるファミレスでのデートは比較的受け入れられやすいものです。
どこへ行くということよりも、お互いの経済状況を理解しているし、「一緒に過ごすこと」や「時間を共有すること」自体に価値を見出しているからです。また、男性が女性に奢るべきという価値観も薄まってきているので、割り勘で気軽に行ける場所を好む人も多いのです。
「大学生の時は、マックでも全然平気だった。むしろ、気を遣わなくて良いから楽しかった」という声も多く聞かれます。
社会人の場合
社会人になると事情が変わります。特に婚活市場では、付き合う前から、男性の気遣い力や経済力も含めて相手を評価する傾向が強くなります。そのため、デートプランもポイントになり、
- 「社会人になったら、大人なのだからやっぱりそれなりの場所を選んでほしい。別に高級店じゃなくても、ちょっとしたカフェとか、雰囲気の良い個人経営のお店とかを選んでほしい」
- 「付き合う前だからこそ、相手がどんな人なのか見極めたい。お店選びのセンスって、その人の価値観が表れると思う」
などと考える人も多いのです。
また、年代が上がるほど、女性の働き口が少なかった時代になり、それゆえ、男性が奢るもの、という不文律が出来上がっていたという点にも注意が必要です。
今よりも女性が収入を得にくい時代だったからこそ、男性が女性を素敵なレストランに連れて行って奢ることは、当然のことだったのです。
付き合う前の微妙な関係性


さらには、「付き合う前」の微妙な関係性が、この問題を複雑にしています。
恋人同士であれば、「今日は疲れてしまい、なんだかお店を選ぶ気力が無いからファミレスでも良い?」という選択肢もアリですが、付き合う前の初デートでは、相手に与える印象が将来の関係性を左右する可能性が高いのです。
マッチングアプリでの出会いでは、相手の経済力や価値観を推し量る材料が限られているため、初デートの場所選びがより重要な意味を持ち、センシティブなトピックになっているのが現実です。


地域による違い


オススメスポットに関して、都市部と地方では、事情が大きく異なることも見逃せません。
都市部では選択肢が豊富で、「わざわざファミレスを選ぶ理由が分からないし、むしろ避けるのでは?」という意見が多くあります。一方、地方では「そもそも選択肢が限られているから、ファミレスも十分アリ」という声が聞かれます。
脈なしサインとして解釈する女性も多い
実際、ファミレスや大戸屋は初デートとしてありなのでしょうか?
個々人によって受け取り方は異なりますが、女性の中には、初デートでファミレスを提案されると「脈なしサイン」と解釈する人もいます。



本当に私に興味があるなら、もう少し頑張ってプランを考え、場所を選んでくれるはず



ファミレスって、『友達』レベルの扱いって感じがする
この解釈が正しいかどうかは別として、こうした受け取り方をする女性がいることは事実でしょう。




実際のところ、初デートはどこが正解なのか


では、実際のところ、初デートはどこに行くのが正解なのでしょうか。
それは、「相手に聞く」のが一番でしょう。
マッチングアプリでは、事前にメッセージのやり取りで相手の価値観を探ることができます。
「普段、どんなところで食事することが多いですか?」「好きな料理のジャンルはありますか?」といった質問から、相手の好みを把握することが重要です。
また、失敗したくないなら、「なぜその場所を選んだか」という理由を相手に伝えるのもアリでしょう。
「ここの○○がとても美味しくて、ぜひ一度食べてもらいたくて」「静かで話しやすそうだと思って選びました」など、相手のことを考えて選んだことが伝われば、ファミレスでも好印象を与えることができるかもしれません。
ただし、「デート」らしい特別感のあるスポットを選べば、より好印象を与えられる可能性は上がります。勝負デートでは、個室のあるカフェや、落ち着いた雰囲気のビストロなど、ふたりの時間を大切にできる場所を選ぶと安心でしょう。


大戸屋は本当にダメなのか
次に、この論争でしばしば名前が挙がる「大戸屋」について考えてみましょう。
大戸屋は確かに清潔で、健康的な食事が取れる良いお店です。しかし、初デートの場所としては、以下の点で課題があります。
- 一人でも気軽に利用できる「日常的」な場所
- 特別感に欠ける
- 会話に集中しにくい可能性がある
ただし、ふたりとも大戸屋が大好きで、デートは大戸屋に行きたいと思っていたら、初デートで大戸屋を選ぶことになんの問題もありません。要は、相手のことを考えて選んだかどうかが問題なのです。
「大戸屋やファミレスでの初デート」系の投稿がしばしば炎上するのは、大戸屋批判ではなく、相手のことを考えていない姿勢、さらには「相手が安上がりでも喜んでくれるか試そうとする姿勢」が透けて見えているからでしょう。
結局どこがいい?失敗しない初デート場所選びのコツ


最後に、失敗しない初デートの場所選びのコツについて紹介します。
まずは、相手の好みや価値観を事前に把握しておきましょう。マッチングアプリ経由の初デートの場合、お互いに知らないことも多いですから、料理よりも、会話を楽しめる環境を重視してください。
今後、恋人になる可能性もあるわけですから、予算は背伸びしすぎない範囲にしましょう。初デートの食事代を奢るつもりだったとしても、あまりに高すぎる場所は、相手にとってのプレッシャーになるかもしれません。お互いの負担を考えて、一人3000円〜5000円程度の場所を選ぶと安心です。
さいごに。大切なのは相手への思いやり


結局のところ、初デートの場所選びで最も大切なのは、相手への思いやりです。
おすすめのデートスポットを調査するだけでなく、相手のことを本当に考えて選んだお店であれば、ファミレスでも高級店でも、きっと気持ちは伝わり、お互いにとって最適の場所になるはずです。
逆に、どれだけ高級なお店を選んでも、相手のことを考えずに選んだのであれば、良い印象は与えられないかもしれません。

