疲れやすくなった…その症状、『隠れ貧血』かも!?

最近、寝ても疲れが取れない、なんだか体が重い、疲れやすくなった気がする…。

そんなお悩みありませんか?

もしかしたらそれ、『隠れ貧血』が原因かもしれません。

目次

気づきにくい『隠れ貧血』

毎月の月経はきちんと予定通り来ているし、ごはんもしっかり食べているのに、貧血?
実は、隠れ貧血は健康診断でも見つけにくい症状なんです。


貧血と聞くと、めまいや立ち眩みなどの症状が出るというイメージが強いですが、実はこの他にも様々な貧血の症状があります。

貧血は体内を流れている血液の量が足りないと思いがちですが、実はこれが勘違いのもと。

血液量やヘモグロビン濃度(タンパク質と鉄分が結びついたもの)は問題なくとも、健康的な体をキープする上で大切な『貯蓄鉄分』が不足している方が多く、この状態を『隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)』と言います。

この『貯蓄鉄分』が不足すると、体は酸欠状態になるため、疲れやすい、倦怠感などの全身症状が現れてきます。

厚生労働省の調べでは、日本女性の40%、とくに月経のある20代~40代の女性の約65%が「貧血(鉄欠乏性)」もしくは「かくれ貧血」です。

日本女性は必要量の6割ほどしか鉄分を摂取していないという調査結果がでています。

※参照

平成21年国民健康・栄養調査報告
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou/h21-houkoku.html


毎日の食事だけでは鉄分が足りない?


鉄分には、肉・魚などに含まれる「ヘム鉄」と野菜・豆・穀物・海藻などに含まれる「非ヘム鉄」の2種類あります。
「ヘム鉄」の吸収率は約25%で、「非ヘム鉄」の吸収率は約3~5%ほど。

ヘモグロビンが入っている「赤血球」の寿命は約120日で毎日約1%ずつ入れ替わるので、鉄分は毎日の食事で積極的に摂取することが大切なんです。

貧血になるとどうなるの?

貧血をそのままにしておくと、どんな体の不調が出てくるのか、一緒に見ていきましょう。

まず、肌や爪が荒れたり、髪がパサついたりしてくるというのはよく耳にすると思います。このほかにも、頭痛や耳鳴り、肩こりなど家事や仕事をするうえで、集中力を欠かすような症状も出てきます。

さらに、動悸や息切れ、イライラ、疲れやすい(倦怠感)、不眠症や、パニック障害などの精神・神経症状にもつながってくるため、貧血は放っておいて良いものではないことがわかると思います。

『隠れ貧血』セルフチェック

□疲れやすくなった、または、寝ても疲れが取れない
□体がだるいと感じることが多い
□頭痛がする
□肩こりがひどい
□息切れや動悸がする
□気分が沈みがち
□やる気がでない
□つかんでいた物を落としたり、力が弱くなったと感じる

東洋医学で見る『隠れ貧血』


東洋医学では、貧血の状態を『血虚』と言います。
さらに、倦怠感など全身の症状が出ている場合には、『気虚』の状態でもあると診ます。

隠れ貧血の症状でお悩みの方の多くは、両方の状態である『気血両虚』の状態であると診て治療を行います。

血虚の状態は文字通り、血が不足している状態をいいます。
血が不足してしまう原因としては血の原料ともいえる気や津液の不足、過労や心労、慢性病による消耗、出血などです。

気虚は気が不足している状態を指します。
気虚に陥ってしまう原因としては先天の精の不足、脾胃(消化器)の不調、過労や慢性疾患による消耗などが挙げられます。

これらのことから、鍼灸の治療では血と気を補うという考えの元、最適なツボを刺激し治療を行います。

貧血改善おすすめツボ

・血海

場所:膝の内側、膝のお皿から2.5cm(指3本分)上がった辺り

血海は脾経に属するツボです。東洋医学で脾臓は、摂取した飲食物の中から、 体に必要な栄養物を全身の各組織に供給する機能を持つとされ、血も作る作用も持ちます。

そのため、血海は血液と深い関係があるツボとされ、血の巡りを改善する作用やホルモンバランスを整える作用があります。そのため貧血の改善にも期待できます。

・三陰交

場所:内くるぶしの1番高い位置から指4本分上の骨の際

三陰交は、太陰脾経、少陰腎経、厥陰肝経という3つの経脈が交わっています。

東洋医学で肝臓は、『疎泄を主る』働きを持ち、体全体に気、血、津液を順調に巡らせます。
三陰交を刺激することで、血のめぐりに関連する3つの経脈に影響を出すことができるため、貧血の改善に期待できるのです。

・太白

場所:足の親指の第一関節の内側、横線と縦線の交点の下 太白も血海と同じく脾経に属するツボです。

太白を刺激すると脾臓の働きが活性化されます。

脾臓が元気になると血液が酸素を運びやすくなり、酸欠状態の改善にも効果的と言われています。

※参照

・東洋医学臨床論(医道の日本社)
・日本鍼灸治療学会誌
(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1955/18/2/18_2_37/_pdf)、
・鍼灸エビデンスレポート
(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2011/114011/201129009B/201129009B0003.pdf)

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この記事を書いた人

鍼灸接骨院に鍼灸師として勤務。整形外科疾患から、不眠、頭痛、高血圧他、未病分野の治療を行う。院では外来の他、訪問や大学病院で鍼灸師として派遣勤務を行う。

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