環境の変化による体調不良をツボ押しで改善

4月は、新学期や新入社員に転職・昇進、自分は変わらなくとも周りが変わるなどなど、新しい環境の場に自分の身を置くことになることが多い季節。

新しい環境になかなか慣れず、体調を崩す方も多い季節です。

そこで今回は、ストレスや不安が原因による体調不良の改善におすすめなツボをご紹介します。

目次

なぜストレス・不安で体調不良が起きるのか?

『ストレス=良くないもの』

という認識を持たれている方が多くいらっしゃいますが、実はそうではありません。

適度なストレスや緊張は、活動的で健康的な生活を送るうえで有効であるとされています。

身体に良くないのは、強いストレスを感じる場に長期間さらされることです。
このような状況に自分の身を置いていると、身体面・精神面の両方に様々な悪影響をもたらします。

ではなぜ、強いストレス・不安を長期間感じていると体調が悪くなるのでしょう。
それは、ストレスや不安が原因となり、自律神経が乱れるからです。

身体の機能を司る自律神経

自律神経は、交感神経と副交感神経の2つに分けられます。

交感神経は活動的、副交感神経は安静的に働くため、お互いがバランスを保つことで、身体の様々な部分の機能を調整しています。

例えば、朝起きた時は交感神経が優位になるため、行動的になり、夜は副交感神経が優位になるので、眠くなります。

血管を収縮(交感)・拡張(副交感)させたり、気管支を拡張(交感)・収縮(副交感)させたりと、身体を活動的、安静にする指令を出す役割を持ちます。

しかし、強いストレスや不安の状態が続くと、交感神経が常に優位になってしまうことで自律神経のバランスが崩れ、身体に様々な不調となって現れるのです。

ストレス・不安が影響する身体の不調

一番良く耳にするのは、腹痛ではないでしょうか?
でも実は、他にも多くの症状が現れるとされています。

・頭痛
・めまい
・喘息
・アトピー性皮膚炎
・高血圧
・心臓病
・胃痛
・腹痛(下痢・便秘)
・腰痛
・睡眠障害
・うつ病
・不安障害

などなど、自律神経が乱れることで身体の機能がバランスを崩し、様々な不調が現れます。

例えば頭痛や腰痛は、自律神経の乱れによる血管の拡張や収縮、筋肉の慢性的な収縮が原因とされています。
緊張状態の時、身体に余計な力が入っていたり、硬くなっていると感じることはありませんか?
このような状態が長く続けば、筋肉は収縮し血行不良が起き頭痛や腰痛の原因となります。

ですから、自律神経のバランスを保つことは、健康的な体を作る・維持するうえでとても大切なことだといえます。

とはいえ、ストレス社会と言われる現代。
日々、様々なストレス・不安と戦い日々を過ごされている方が多いはず。

そこでおすすめなのは、セルフツボ押しケアです。

仕事中やお休み前などちょっとした合間に、自律神経を整えるツボを押すことで、『乱れ』を予防・改善してみてくださいね。

おすすめツボ

■合谷(ごうこく)

場所_膝の内側、膝のお皿から2.5cm(指3本分)上がった辺り。

多くの症状改善が期待できると言われている「万能のツボ」。

自律神経の乱れから来る肩こりやストレスの緩和や、頭痛などの痛みを軽減する効果があり、目の疲れにもおすすめのツボです。 東洋医学では、大腸に繋がると考えられているため、お腹の症状改善にも期待できます。


■内関(ないかん)

場所_手のひら側の手首のシワから肘に向かって指の腹三本分で真ん中あたり、細い腱が二本並んでいるところの間。

気持ちが落ち着いてイライラや不安が収まり、自律神経のバランスを整えられます。 消化器系の不快な症状の改善にも効くので、ストレスによる胃の痛みや不快感を和らげる効果も期待できます。


■外関(がいかん)

場所_手の甲側、手首のシワのできる部分の中央から肘に向かって指3本分のところ。

疲労回復や肩こり、首のこり、頭痛などの痛みを抑える効果が期待でき、自律神経の乱れによるさまざまな体調不良に効果を発揮します。 動悸や不眠にも効くツボなので、自律神経の乱れで心臓がドキドキする時や、倦怠感や気分の落ち込みでよく眠れない症状の改善も期待できます。



■百会(ひゃくえ)

場所_頭のてっぺんにあり、両耳の先を結んだ線と正中線が交わるところ。

副交感神経を活発化して、自律神経を整える効果が高いツボです。 また、不眠にも効果が期待できるツボなので、ストレスや不安でなかなか寝付けずに辛い症状を改善します。


参照

・東洋医学概論(医道の日本社)
・東洋医学臨床論(医道の日本社)
ツボ単~経血取穴法・経血由来解説・兪穴単語帳

・全日本鍼灸学会雑誌 ストレスからの解放そして鍼灸
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/43/4/43_4_143/_article/-char/ja/
・日本温泉気候物理医学会雑誌 鍼通電刺激が酸化ストレス度と抗酸化力に及ぼす影響自律神経機能と心理的不安との関係性

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この記事を書いた人

鍼灸接骨院に鍼灸師として勤務。整形外科疾患から、不眠、頭痛、高血圧他、未病分野の治療を行う。院では外来の他、訪問や大学病院で鍼灸師として派遣勤務を行う。

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